ハロウィンヘッダー

Trick or Treat

ハロウィンはお好きですか?
10月31日。休日にはなりませんがアメリカでは大きなイベントです。

2012年10月末、ロングアイランドはハリケーン・サンディーに襲われ、うちの前庭の、樹齢100年近いオークもほぼ根元から折れました。それは、我が家とお隣の間に、奇跡かと思うほどまっすぐに倒れて、裏庭との境にあるフェンスの一部を壊しただけで済みましたが、なにしろ30mを越す巨大な樹でしたから、自分たちの力ではどうにもなりません。

地域でも、風の通り道の街路樹は軒並みなぎ倒されましたし、多くの家屋が被害を受けましたから、街のツリーケアチームは仕事に追われて、恐ろしいほどにてんてこ舞いでした。うちの木もしばらく倒れたままで、それを見るたびに、凄まじい風の吹いた瞬間を思い出さずにはいられませんでした。

これは、ニューヨークにおける1938年以来74年ぶりの大規模な災害でした。南浜の高潮による被害は相当なものでしたし、さらにそのあとすぐ季節外れの大雪にも見舞われました。そんな中で停電も1週間に及びましたが、それでも子供たちは翌日のハロウィンに仮装して町を練り歩いたんです。倒れた樹を乗り越えて、いつものハロウィンディスプレイよりもすごい!と笑う子供たちの声は、疲れ切ったみんなの心を温かくしてくれました。

きっとしばらくは、そんな秋の終わりのことが胸から離れない人たちも多いことでしょう。でもまた、少しずつ楽しいハロウィンを重ねて、秋の思い出を素敵なものに塗り替えていってほしい。巡りくる秋の中、色づく庭のローズヒップを見るたびに、私はそんな風に思うのです。

さて、10月になればどこの家もカボチャで飾りつけです。農場でのパンプキンピッキングは低学年のフィールドトリップの定番だったりしますが、そんなこんなでハロウィン当日までに、家の外にも中にも、カボチャはどんどん増えていくのです(笑)。

小さい頃はコスチュームの用意に大わらわでした。前日に学校でパレードやイベントがあったりします。当日はもちろん町へ。子供に付いて私も町を歩くことになるので、家にきた子供たち用にと、ドア前にチョコレートやキャンディーの入った籠を置いていきます。「一人一個よ!」とメモを添えるのも忘れることなく(笑)。

ただ付いて歩くのはつまらないので、いつの間にか私も仮装することになりました(いや、別に親はやる必要はないです、笑)。ミニスカートの魔女のときも、白雪姫のお妃さま風魔女のときもありました。でも、さすがに去年辺りからは色々忙しくて着ていませんから、懐かしの一枚を。

シティ(マンハッタン)に出掛けた年。ミニスカートバージョンの下にロングスカートをはいてちょっと大人な魔女にしました(だって強烈寒かったから、苦笑)。会場になった教会ではファンタジーの世界かと思う程、個性的な参加者たちに会いましたよ。綺麗なプリンセスや素敵なドラキュラたちが一杯。もちろん魔女は、廃れることなく一番人気です♡

夜のパレードの始まる時間には続々と大人たちも。薄闇迫る町に白の仮面とか、ドキドキしますよね(ヴェネチアのカーニバルは憧れ♡)。みんなクオリティが高く、絵になるなあと惚れ惚れ。ハロウィン、ただの馬鹿騒ぎではないのです、意匠を凝らしたアートパフォーマンスなんですね、大人たちにとっては。カフェで格好いい魔女がお茶してる姿を見かけたりするのも、ニューヨークらしくて素敵です。

家にいる日はメニューにもこだわります。当日は何かと忙しいのであまり凝ったことは出来ませんが(それにちょっとホラーな物を作るのは苦手)、それなりにいたずらを仕掛けます。これはこの時期定番のパンプキンパイですが、くもの巣を描いてみればほらこの通り。

イカスミソースの上に並べたパスタ、目玉を連想させるミートボール。その程度でもう十分限界の私ですが(汗)、怪しいキャンドルの光を揺らめかせ、パイの周りにもローズヒップを散りばめてディスプレイすれば、気分も盛り上がるというものです。

*ハロウィンの日のスクールカフェテリアの定番はマリネラソースのパスタです。これは、トマトソース=血、パスタ=ミミズ、ミートボールがつけばもちろん目玉の設定。きゃ〜!想像しすぎると食べられません・・・・*

そうそう、いつものブラウニーも、わざと無造作に切り分けて盛り付け、ケーキスタンドにハロウィンカラーのリボンなんかを巻けば、いい感じに仕上がります(粉砂糖を振った直後だったので、足元広告のままですいません、汗)。息子たちが小さい頃には、いろいろ工夫して、可愛い怖い系をたくさん作ったことも懐かしい思い出です。

そんな彼らも、もらう側からあげる側へと移行して(ハイスクールでは小さな子供たちのためのイベントを開催)、すっかり仮装もしなくなりましたから(でもきっと、もっと大人になれば、また違った意味で楽しいパーティーをすると思いますが、笑)、しばらくは、少し大人な怪しさをプラスしたディナーなんかで遊んでみようかなあ、なんて思う昨今です。

2018年分はこのあと(いくつか他のマガジンのノートをはさみながら)、感謝祭、クリスマスへと続きます。



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