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その5 薔薇色のアーチをください

咲かなくなって、葉っぱがどんどん落ちて、新芽がまったく出なくて。
ウィルが沈黙してしまって、私も意気消沈してしまった2015年の秋。
でもウィルと一緒にやってきてくれたクレアとシャーロットは、
霜が降りて零下になるまでずっと、綺麗な花を咲かせ続けてくれました。

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そうだよ、庭はまだまだこれから進化する予定なんだから。
花たちに励まされ、次なるステップについて思いを巡らします。
まずは、再度、フロアーの調整です。掘って掘って掘りまくったあの日、
幾つかの根っこ&木盤は、そのままむき出しにしておいたんです。
半年の雨ざらしで多少は腐朽したでしょうか、そこを削っていきます。

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さすがにスコップでは無理ですから、ここはいよいよ斧の出番です。
と言っても木こりではないので、息子の小さなものしかありません。
それでもこれ、なかなかの力仕事なので、こういうのが好きな所有者も
もちろん一緒に連れてきました、ありがたや、ありがたや(笑)。
どうにかブロックの高さまで削ることができ、ほっとしました。

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晩秋、それはどんどんと気温が下がっていく秋の終わり。
多少の寒さはものともしないイングリッシュローズたちですが、
少しでも長くその美しさを楽しみたいと思い、数輪部屋に持ち帰りました。
甘い香りに満たされたテーブルの上が、まるで初夏のようで嬉しい。

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そうこうしているうちに雪を連れて冬はやってきます。
冬のバラたちは夢の中ですが、ノイバラのローズヒップは鳥たちのために
しっかり残してありますから、きっと役に立っていることでしょう。
みんなと違って冬眠しない私は(笑)、来春に想いを馳せます。

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やがて遅い春が巡ってきて、ローズガーデン内は一気に緑に覆われます。
ブラックベリーからノイバラを見たこの図、どちらも確実に大きくなり、
著しく密集してきているのがわかります。花数もかなりのものです。

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2016年6月1日。ちょっとハレーションを起こしておりますが(汗)
ノイバラの圧倒的なボリュームを感じていただけるかと思います。
ノイバラ、目覚めて3度目の春。ガーデンの背景は、これでほぼ理想像に。
一番乗りのシャーロットが甘い香りを振りまく中、私は考えました。
もっと薔薇色を。薔薇色、薔薇色……そう、薔薇色のアーチをください。

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厳しい夏を超えた9月。オーダーしていたアーチが届きました。
フェンスと同じ黒。小さなパーツで届いたそれを息子と一緒に組み立て、立ち上げます。一気に現れた「秘密の花園」感にゾクゾクします。

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次に、息子が削ってくれた箇所から、アーチの足元へとレンガを敷きます。
フロアーのとき程の細かい作業は無しで、ならした地面を少し掘り下げて
並べただけですから、多少の陥没は覚悟しておかねばなりません。
でもまあ、そこはおいおい調整すればいい(簡単に外せますから)。

そうそう、フロアーの下に地固めで敷いたピンクの小石。
見えなくなる予定だったあれが、ここでまさかの登場です。
その露出になんかちょっと嬉しかったり(敗者復活戦的な喜び、笑)。

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早春、バラが咲くまでの間、もう少し色があったら楽しいだろうと思い、
また少し、チューリップの球根を植えることにしました。
それからローズガーデンの守護・ガーディアンに、大好きな生き物である
フクロウ君を任命しました(大層な役職の割には随分小さい、笑)。

Legend of the Guardians ご覧になりましたか?(邦題:ガフールの伝説?)
フクロウ、ロングアイランドにも野生のものがいます。保護対象です。
残念ながらうちの庭には来ませんが(でもクーパーホークは来ますよ!)
あの翼、あの眼差し、どうしてくれようかというほどのファンです(笑)。

そんな風な、強面のオブジェもお店にはありますが、う〜ん何かが違う。
ということで、うちは可愛い系で頑張ってもらうことになったんです。
まずはチューリップの球根を、リスたちから守ってもらいましょう。

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枯れ葉を集め、マルチングを施して、一年はあっという間。
もう12月の朝です。アーチをバックにちょっとお茶目なシャーロット。
こう見えて、気温はかなり低いです。本当に強い花です。
でもそろそろ、花たちも長い眠りの時間の始まり。
次の春は、薔薇色のアーチを目指して、いつもより早くスタートします。

サポートありがとうございます。重病に苦しむ子供たちの英国の慈善団体Roald Dahl’s Marvellous Children’s Charityに売り上げが寄付されるバラ、ロアルド・ダールを買わせていただきたいと思います。