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時の贈り物・夏の終わりのお買い物 1

レイバーデーウィークエンドも終わり、今日で夏休みも最後。
明日からは新学年がスタートです。
長男、高校最後の4学年目、12年生。
次男、中学最後の3学年目、8年生。
気がつけばなんだか空は青く高くなり、秋らしい風が吹き始めました。

そんな夏の終わりの昨日、素敵な買い物をしました。
久しぶりの「石」です。

私は仕事柄、ビーズになった貴石を色々と扱いますが、
基本、石はなんでも大好きです。
宝石や宝石クラスでなくても全然OK。

近所の海の石にメロメロになったり、
出かけた先の小川の中で見つけたものも大切に持ち帰りますし、
見知らぬパーキングに降りた時に転がっていたものにハッとしたりも。

一方で鉱山から産出された石にも興味津々。
ただ、「今流行のあれを買ってみる!」と言うよりは、
思いがけず読んだ鉱山の話に感動してそこからの石を探したり、
意図せずして出会った色や形にノックアウトされたりと、
結構、偶然の必然みたいなものが好きだったりします。

早い話が、ロマンチックなものにより強く惹かれるということですね。
仕事では持てる知識を総動員して、可能な限りオーダーに添うものを割り出すわけですから、それとは真逆の行き当たりばったりのドッキリウットリを求めてしまうのは、もしかしたらバランスなのかもしれません。

石というものはすべて、この地球が時とともに作りだした奇跡の欠片だと思っています。移ろいゆく時間の結晶。たまたま発見したそれらを採掘する私たちは、いってしまえば美しい花畑に迷い込んで、ああ、この花、私の庭にも欲しいと持ち帰ってしまったようなもの。

そう、人様のものをいただいてしまったんですね。さらにはそれが枯渇するほど搾取し続けるとか、鬼畜の所業なのかもしれません。購入した私だってその悪事の片棒を担いでいるわけですが、いいわけさせてもらえるのなら、純粋にこの地球の奇跡に出会ってみたい、触れてみたい、感じてみたいと思ったんです。

人の介入できる範囲などごくごく限られていて、この地球内部にはいまだ、
美しい輝きが存在し続けるのだと信じたい私ですが、
人の目にさらされる場所に出てきたものたちとは新しい絆を結びたい、
奪ったものかもしれないけれど、愛を持って答えたいと思うわけです。

自然の一部であることを強く望んでやまない、小さな人という生物のはかない夢が、悠久の時間を生きる鉱石と出会って、わずかながらにでも輝きを増す。これ以上のロマンスはないように思います。

だからこそ、石に惹かれる、それを手放せない。図らずも、それを用いて誰かの夢に便乗し手助けすることが出来たことは、思いがけない喜びであり、自然界における人(自分)の役割を教えられたような気がしてなりません。

とまあ、長々、熱く語ってしまいましたが、集めた石の話に戻りましょう。

つるりと綺麗な石は、汚れれば洗えばいいわけですから、
無造作に本棚に置いたり、机の上に並べたりしていますが、
鉱山からの石はちょっと過保護にドーム内に収納しています。
まずはホコリから守ることが一番(結晶が細かいから)。
でも、並んでいる姿は特別なお菓子のようで可愛い。

そうそう、ちょっと脱線しますが、ドームは好きなものの一つで、
かなり心くすぐられるもの。雑貨を見に行ってもついつい目が。
結果、キッチンにも仕事スペースにもたくさん飾ってあります、へへ。

そんなわけで、集めた石たちに囲まれて日々過ごしている私、ありがたいことに、石に精通している友人たちからのプレゼントも多く、ここ暫くは何かを欲するということがなかったのですが、久々に来た!(やっと本題)

ぼんやり流れてくるタイムラインのツイートを追いかけけていたら、
何とも綺麗な色の石がアップされていました。オォ、メガサメタ!
それはそれは綺麗な紫色のフローライトでした。
フローライト、大好きな石なんです。

この写真の右手前に見えているのもフローライトです。
これはイングランド産で、深く濃い森のような緑ですが、
太陽光の下では、その森の奥に咲く花のような青紫になります。

フローライトは高価な石ではありませんが、非常に豊かな石だと思います。
外見(色)といい、内包するエネルギーといい、百花繚乱な感じ。
求めるものが必ず見つかるような、そんな感じです。

タイムラインに現れたフローライトはアメリカ産でした。
アメリカには結構鉱山があって、日本でも紹介されていますが、
実は今まで全然興味がありませんでした。理由はわかりません。

ところが1年前の秋、ふと石を掘りに行きたくなったんです。
縁あって何度も出かけているアップステートの町のそばには、
ハーキマーの鉱脈があるのですが、一度も寄ったことはありませんでした。

それを思い出したんです。ガリンペイロについて考えている時でした。
すぐに検索すれば、その一部は一般公開されていて、
夏にはテントを持ったファミリーもたくさんやってきていましたし、
ロッジやショップを併設する人気スポットだということがわかりました。
もちろん目的は石を掘ることです。

小さなノミで自分の勘を頼りに掘り進め、出たものは自分のものとなる。
そう、まさにそれはガリンペイロな時間だったのです。
金と石の違いですが、そんな繋がりがどうやら私を駆り立てたようです。

大きいのをよこせ!とか純度の高いもの以外興味なし!なんて言いません。
小さいな指先くらいの欠片でも、自分が砕いたものの中から出て来れば、
そんな感動他にはないでしょう!なにそれ、ものすごくそそられる。

日に日に気分が高まった私は、夏にどこにも出掛けなかったからそのかわりと言って提案されていた秋の旅行先を迷わずアップステートにしたのですが、その時は叶わず。でもいつの日か、石を掘りに行こうと心に決め、その日を境にアメリカの鉱山にちょっと敏感になりました。

そして、今回です(前置きが本当に長かったですね、すいません)。
テネシー州のエルムウッド鉱山。アメリカのフローライトと言えばここ、と言うくらい日本でも有名なようでしたが、もちろん私が知るはずもなく、
すぐに詳細を求めて検索しました。

・・・2015年に閉山してた・・・
閉山した鉱山からのものと言えば、ブラジル産のレムリアンシード(写真トップ)、ほんのりピーチ色に染まるボディにコードが刻まれたものを持っていますが、そうかやっぱりね、世界各地で鉱脈は人に開放してる分の寿命を終えているのね、となんだか胸に迫るものが。

小さなものでもいいから、その最後の輝きを手に取ってみたいと無性に思いました。価値云々を求めて比較検討して決めるのではなくて、与えられるものを受け取りたいと思ったんです。

なので、鉱山名を打ち込んで画像検索で最初に出てきた幾つかのうち、好きな色を見つけた時点でそのサイトに飛べば、運よく馴染みのサイト。詳細をチェックし、うん、これでいいや、と思ったとき、ふと出品者のその他の商品を見てしまいました。

!!!!!
感動的秘話のフローライトとは違った意味で打ち抜かれた瞬間。
どこのどなたか知りませんが、まさにそれは一目惚れにも等しい。
いやしかし、それが二つあった時点で、私の浮気性も発覚!

・・・この際、どんな非難もあえて受けとめますよ。
「世界にたった一つの存在」に勝るものなし。
これももまた、夏の夜の夢なのか、、、次回に続きます。



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