秋の午後はロマンチックなお散歩に行きませんか?

画像1 家々の庭にも街路樹にも秋の訪れは満ちているけれど、ちょっとロマンチックな気分に浸りたい時は足を伸ばしてみる。まだまだ森が残るロングアイランドは、それに手を加えた州立や国立の広大な公園が多く、池や湖や川や湿地帯が深い森の中に広がる様は、時間を忘れてさせてくれる。風の音、水の音、光の戯れ、落ち葉の匂い。今日の贅沢な散歩は Caleb Smith State Park Preserve
画像2 青い秋空を映し出す水面は柔らかな藻の文様も美しく、紅葉の並ぶ対岸に風が抜けていくのが心地よい。少し肌寒く感じるくらいが秋の醍醐味。秋の中に溶け込んでしまうような色にするのか、あなたが私を見つけ出してくれるような色にするのか、散歩のために巻くスカーフの色を選ぶのも、楽しい一時だったりする。
画像3 少し歩けば小川の流れ。鴨たちの行く水面の輝き。光と影の中で青と緑が入り乱れて、今は隠されている彼らのteal(鴨の羽色)を連想させる。弾けるのは光なのか水なのか、秋の時間の中でそれらは音符のようにさざめき続ける。
画像4 ひき上げられた小舟はどこから来たのか。それはランスロットのいる湖畔を目指したシャーロットの舟を思わせた。多くの画家がこぞって描いたモチーフ、私にとっての一番はウォーターハウスの「シャーロットの乙女」。美しいけれど胸がギュッと掴まれる。もしかして。そっと近づいて覗き込めば、そこには横たわるシャーロットの亡骸のかわりにパンプキンが並んでいてほっとした。
画像5 水辺に戻れば、移りこむ紅葉が作り出す世界に捕われる。押し寄せる色、溢れる色、滲み溶け合い、重なり熟す。見つめる私の、感嘆のため息すらも彩られていくようだ。秋の日の美しさはどこか秘密めいて、こっそりと、胸の奥の扉の中に隠し持っていたいような気もするけれど、でもやっぱり、伝えたい誰かがいると言う喜びがその扉を開けてしまう。だから今は心ゆくまで、大好きなあなたと美しさの秘密をわかち合いたい。

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