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雨音と庭の香り 2018

春というのは、しっとりと優しく、雨降る季節だったりします。
梅雨こそありませんが、一年の中では多い時期ではないでしょうか。
初夏に向けて、そんな雨の中で新緑は一層輝きを増していきますが、
一方で、多くのロザリアンたちは花を想って心震わせます。

雨のしずくをまとった花は美しいですけれど、やはり痛みますから。
柔らかすぎる花びらを想うと、もう、いてもたってもいられない。
肌寒い雨の合間を縫って、庭に転がりだしては花たちをチェックです。
傷みかけた花や傷みそうな花を見つければ、意を決してザクザクと。

どうも苦手なのです。部屋に花を飾って愛でたいとも思うのですが、
庭に咲いて揺れているのを見ている方が幸せで、触って、嗅いで、
そうこうしているうちに、花はみな、見事に散ってしまいます。
だから雨の日は、、、そう、「切る」チャンス!(笑)

なんやかんや言っても、嬉しいものです。
この芳しくて贅沢なブーケが嬉しくて、嬉しくてたまらない。
片手に持ちつつ庭を歩いている間も、誰かに見せたくてたまらない。
なのでつい、カメラを向けてしまいました(笑)。
レディ・オブ・シャーロット、夢色のブーケです♡

庭に出れない雨の日も、種を植えたり、苗を作ったり、庭仕事は続きます。
今日はリンゴの小さな小さな苗を7つ移植しました。
これ、春先にリンゴを剥いたら、中の種があれもこれも芽吹いていたもの。

あらデジャ・ブ。そうなんです、実は我が家にはもうすでに2本、
同じようにして育ったリンゴの木があるのです。名前は「ジャズ」。
ちなみに今回のは「ピンクレディ」でした。

庭に下ろした「ジャズ」は若木に育ち、花も咲くようになりましたが、
結実はというと、これがなかなか難しい。まあ、それはおいおい。
さてこの「ピンクレディ」たちですが、この後どうしようかと思案中。
もうこれは、腹を決めて「裏庭果樹園化」計画、始動ですか?(笑)

そんな「ピンクレディ」とリンゴ(別物)のバラのタルト。
あれ、カスタードの量、思いっきり間違えました。リベンジ決定です・・・
でも、かわいいので許して差し上げましょう、甘酸っぱくて美味しい。

リンゴ用に市販の2枚入りパイ生地を使ったので、もう1枚作れます。
次はグレープフルーツを使いました。今度こそカスタード若干多めに、と
仕上げたつもりだったんですが、う〜ん、まだおかしい(苦笑)。

悩んでいるうちに雨が上がったので、速攻でバラを見に行きました。
きゃあ〜、満開だったストロベリー・ヒルが!!!
そろりと触っただけで、ハラハラとこぼれるわ、こぼれるわ。
急いで受け止めて、とりあえず花びらをテーブルの上へ。
綺麗。そうだ!せっかくだからタルトを持ってきてパチリ。

さあ、さあ、撮影もいいけれど、お腹も空いたので食べましょう。
開きすぎたストロベリー・ヒル、1本持ち帰ってティータイムを彩ります。
花と果実、優しいピンクの共演に、心がほんわか和みます。

そして、ストロベリーといえば、こちら。
雨の中でイチゴたちも続々と色付き始めます。これもやはり急いで収穫。
来年分のジャム用に冷凍保存しつつ、去年分をまずはジャムにします。

イチゴはつぶれやすいので、案外ジャム作りも楽にできます。
うちではレッドバルサミコ酢を少し加えてコクを出すのが定番。

切って混ぜて焼くだけ、みたいな簡単なスイーツも作っていきますよ。
摘んですぐ、美味しいうちに消費するのが家庭菜園の醍醐味ですからね。

夏を迎えれば、他のベリーたちも色づいてきます。どんどん使いましょう。
簡単パンプディングや、市販のケーキミックスを使ったデザートにも、
たっぷりのせればみんなご機嫌(ブルーベリーだけは数がないので市販)。
そんな風に、ちょっとしたことで、毎日が豊かになるような気がします。

小さい頃好きで何度も読んだ本の中に、子供達だけで森のそばの家に住む
兄弟姉妹の話がありました。タイトルは忘れてしまいましたが、
あるシーンだけが今も心に鮮やかに残っているのです。

それは、小さな弟が、森で採ったおやつのラズベリーに砂糖をふるシーン。
まるで雪の吹き溜まりの中にあるようだわ、とお姉さんがあきれます。
小さな私はびっくりしました。この子はお砂糖が好きなのかしら?

あの日わからなかったことが、今ならわかります。
そう、野生のベリーは酸っぱいのです。時々びっくりするくらい(笑)。
だからあの砂糖の量だったのか(多めだろうけど、笑)と気がつきました。

でもそれが、自然本来のあるべき姿なのでしょうね。何事も「過ぎず」。
私の庭は一切薬も肥料も使わない自然のまま(放任とも言う、笑)。
ベリーたちも苗を植え足すことなく、自分たちで世代交代をしています。
だから、森の中と同じようにみんな、酸っぱいです(笑)。
彼らの与えてくれるそんな恵みに、心から感謝する日々です。

サポートありがとうございます。重病に苦しむ子供たちの英国の慈善団体Roald Dahl’s Marvellous Children’s Charityに売り上げが寄付されるバラ、ロアルド・ダールを買わせていただきたいと思います。