見出し画像

英語ができない人のためのセブ島コミュニケーション概論

ごめんね。手前味噌大好き人間なので、昨日の飲み会で褒めてもらったことを書かせて。

「熱帯さんのコミュニケーション能力は、えぐい。熱帯さんが部屋に来ると空気変わるもん。ローカルフタッフはみんな熱帯さんのことが大好きすぎて、『何言うんだろう』ってそわそわしてる感じが伝わってくる。腰が低いし、ニコニコしてるんだけど、きっちり自分の要求を通すように持って行く。みんな嫌な気持ちにならず熱帯さんに協力しちゃう。押しつけにならず、嫌われずにそれをやれちゃうのが、えぐい」

私は自分で自分のことをコミュニケーション能力が高い人間だとは思いません。人見知りだし、人付き合いもそんなに好きじゃないし、地味で退屈な一人遊び大好きおじさんだなーと思います。

週末だって日本人のスタッフとうだうだ飲んでることが多く、「セブ島で国際色豊かな交流を」みたいなのとは縁遠い生活を送っています。

ただ、仕事中は日本人だけではなく、フィリピン人、アメリカ人、中国人、中東の人など、色んな人とやり取りする必要があります。英語で。

これは謙遜でもなんでもなく、単なる事実なんですけど、私は英語が海外で仕事している割には不得手です。受けたことないから分からないけど、TOEIC受けたら600点もいかないと思います。知人から「英語だいぶ上手くなったんじゃない?」みたいなことを言われることもありますが、勉強せずに英語ができるようになるなんて美味い話はない。この10ヶ月で上達したことは、数少ないボキャブラリーの中から適切な言葉をある程度スムーズに選別できるようになっただけ。あくまで「ある程度」です。

「これでいいのだ!」と開き直る気もありませんが、「やれることの中でやるべきことをやるしかないでしょ」とは思っております。いきなり英語が上達する訳でもないし、拙い英語でもやるしかない。ローカルスタッフにはいつも心の中で「すまねー!」と詫びながらコミュニケーションを取っております。

言うなれば私は、コミュニケーション能力が高いという訳ではなく、「どうすれば良い具合にコミュニケーションが取れるのか」ということに対して意識的なのだと思います。

私はコミュニケーションを推し進めるために必要なのは「気合」と「戦略」だと思っております。上述したように私は人見知りで、人付き合いも得意ではないのですが、仕事中は人と接することを避けられないので「気合」と「戦略」が必ず必要になってくる。

伝わらないことは恥ずかしいし、恐ろしいのですが、伝えないことはもっと恐ろしい。トラブったらおれが困るし。そこで「気合」の出番です。やるしかないんや、と自分に言い聞かせ、存分に恥をかきにいきます。

以前、ローカルスタッフとこんな会話をしたことがあります。

「こうこうこういうことがしたいのでお願いします」みたいな話をしていたんだけど、話しながら「だいたいOKなんだけど、これはちょっともう一回確認しておいた方がいいな……」と思ってた時、ローカルスタッフが私にこう聞いてきました。

Is it final decision?

それに対する私の回答がこれ。

No. It's still semi-final.

英語としては大嘘で恥ずかしいんですけど、とりあえず伝わったし、ウケたのでOK。私の会話はだいたいこんな調子です。なんて言ったら良いのか分からない時はもじもじしないでとりあえず言っちゃう。それをしないとコミュニケーションは停滞する。キレイな会話であることは望ましいのですが、泥臭くても相手に伝えることは重要です。泥臭いコミュニケーションしか取れないんだから仕方ないよ。

そして戦略ですが、ただでさえ私のような日本人スタッフは、ローカルスタッフからすると無駄に緊張させてしまうような所があります。別に偉くないんだけど、ちょっとおじさんだし、いるだけで偉い感じが出てしまう。うっかり「Sir」とか言われてしまう。私は緊張が仕事の上でプラスに作用している所を見たことがないので(あるのかもしれないけど、私は見たことがない)、とにかく相手を緊張させないよう腐心しています。

そういう考えなので、私は真面目なことでもあまり真面目な顔ではいいません。ニヤニヤしながら言う。冗談を交えながら言う。目的やデッドラインさえ理解してもらえればどんな顔して言おうがそれでいいと思っています。

そう。私は冗談ばかり言ってます。やたら「Anyway, Mahal kita」(ところで、愛してる※「Mahal Kita」はタガログ語で「愛してる」)って言うし、何を言われても最後には「I'm glad to hear that」(そう言ってもらえてうれしい)って言います。何を言われても、だ。適当にもほどがある。

ローカルスタッフと話をする時はセブアノ語も積極的に盛り込んだ方がいいですね。「Wait for a while」の代わりに「Wait GAMAY」と言ったり。後者は英語とセブアノ語のチャンポンで「ちょっと待って」という意味になります。セブアノ語を話す親しみの持てる隣人であることは、仕事において絶対損にはならない。

あとは踊りますね。割と頻繁に。別に私は踊りが得意でも何でもないんですけど、踊ってる人は親しみの持てる人だと思います。踊ってる人に悪い人はいないというか、人は踊りながら悪いことはなかなかできない。

以前、同僚に

「熱帯さんは冗談とダンスでマネージメントをしている」

と言われたことがあるんですけど、言い得て妙というか、そのまんまというか、私はセブ島に渡ってからそんな感じでマネージメントをしています。

この話を日本人の友人にした時、「そんなのが通用するのはセブだけですからね!」と言われましたが、それは知ってる。私は日本で仕事中に踊らない。

重要なのは環境に適応すること、そして、自分のできることを把握した上でベストを尽くすこと。

これさえ心がければまぁ、なんとなくいけるものです。他の土地は知らんけど、セブならいける、と思う。

余談ですが、私の繰り出す冗談の中で、最近はこれを頻繁に使っています。

パクってごめん。でも、ありがとう。私はセブ島でGMまろうに救われている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?