色白の足が見える。黒いレギンスから出ている細い足首に、かとなくそそられてしまう。
同居人の由芽子は朝からリビングのラグの上に体育座りし、爪をぱちん、ぱちん、と切り落として、スーパーのチラシの上にばら撒く。テレビを見る俺の存在はこのときだけ透明人間だ。

(140字小説)

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