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ビデオゲーム史:『アステロイド』

 ビデオゲーム史シリーズとして,作品ごとにまとめたメモを書き残しています。今回の作品は『アステロイド』(Asteroids) です。


概要

 アメリカで大ヒットしたシューティングゲームで,開発・発売元はアタリです。1979年に稼働を開始しました。アメリカでの出荷台数は7万台を超えたといわれています。

 プレイヤーは,自機である三角形の宇宙船を操作して,接近する小惑星を破壊します。プレイヤーが可能な行動は,自機を左右に回転させること,攻撃のために前方にショットを放つこと,前進すること,別の場所にランダムにワープすることです。小惑星は破壊すると,分裂して小さくなっていきます。小惑星はより小さいほうが破壊したときに獲得するスコアが高く,そのスコアは大きい小惑星から順に,20点,50点,100点となっています。全ての小惑星を破壊するとステージのクリアとなり,新しい小惑星が出現します。

 また,大小2種類のUFOが出現することがあり,UFOは自機を攻撃してきますが,破壊すると大小それぞれ200点と1000点を獲得することができます。全てのオブジェクトが画面端に到達すると,その反対側の画面端に移動するのが特徴です。プレイヤーの目的は,小惑星とUFOを破壊して,できる限り高いスコアを獲得することです。

 自機が小惑星かUFOに衝突するか,またはUFOが放つ弾に当たると失敗となり,残機がなくなるとゲームオーバーになります。なお,1万点を獲得すると残機がひとつ増えます。

 プレイヤーがハイスコアを獲得した場合に頭文字を入力させて,上位10名のハイスコアが表示されるようにした最初のビデオゲームであるとされています。アップライト型の筐体だけでなく,テーブル型の筐体も製造されました。

 ほとんどのビデオゲームで,ディスプレイの画面上で水平方向に走査線を描画して,その走査を順に垂直方向にずらすことによって画像を表示する方式であるラスタースキャンが用いられていますが,『アステロイド』では,ディスプレイの画面上で輝度の必要な部分を走査して画像を表示する方式であるベクタースキャンが採用されています。1981年にアタリVCS版が発売されました。また,同年にアーケードの続編として『アステロイド デラックス』(Asteroids Deluxe) が発売されています。


作品メモ

 以下は,YouTubeにアップロードされている動画へのリンクです。

https://www.youtube.com/watch?v=9Ydu8UhIjeU

 ウェブ上のいくつかの記事を見ると,レバーと3つのボタンで操作するというようなことが書かれていることがありますが,レバーがなく,代わりに右回転と左回転の2つのボタンがある(合計で5つのボタンがある)筐体もあります。

 自機の左右回転と前進が別なので,操作に慣れるまで難しく感じやすいシューティングゲームだと思われます。


 以上,ビデオゲーム史シリーズの19作品目でした。しばしばベクタースキャンを用いたビデオゲームの代表作として登場します。日本ではそれほどメジャーではありませんが,海外のゲーム研究の本ではよく取り上げられています。

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