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【今日のバッハのカンタータは?】2024/2/25(日)レミニスケレ

WHICH BACH CANTATA TODAY?" (「今日のバッハのカンタータは?」)の 2024年2月25日 の記事の和訳です。以下,一部訳注やリンクの追加と関連動画の紹介をしている以外は,ほぼ直訳です。

四旬節第2主日もしくはレミニスケレ

2024年2月25日 - 今日は四旬節第2主日、レミニスケレ(Reminiscere, 訳註: 「お覚えていてください」の意だが,主日としての訳がわかりません…)。 閉ざされた時(Tempus Clausum)の期間なので,実り多かったバッハのライプツィヒ時代の集会でも音楽はなく、この日のカンタータも残っていない。(残念ながら,これからの何回かの日曜日も同じ説明をすることになると思う。。。)

というわけで、初演時期も初演日も不明なカンタータ3曲を、日曜日のプレイリストに追加されていただきます。

まずは,「主よ、我は汝を求む」《Nach dir, Herr, verlanget mich》 BWV150。バッハの最初期のカンタータのひとつで,ミュールハウゼンの宮廷オルガニストを務めていた時期のものだ。バッハのオルガニスト就任を支援したミュールハウゼン市長への感謝として、もしくはは市長の誕生日のために書かれたらしい。この詩には折句(achrosticon,各行の最初の文字が単語を綴る)が含まれているが、そのことは手稿にある市長名(Doktor Conrad Meckbach)のスペルミスによって長い間気づかれていなかった。

次は、「おお永遠の炎,おお愛のみなもと」《O ewiges Feuer, o Ursprung der Liebe》BWV 34a だ。これは断片しか残っていない結婚カンタータで、その3つの断片の唯一の録音を,ヘルムート・リリングが最近した。34aから派生したカンタータに,聖霊降臨祭(Whit Sunday, Pentecost)のための「おお永遠の炎,おお愛のみなもと」《O ewiges Feuer, o Ursprung der Liebe》がある。

最後は,「いと高きところに賛美と栄光あれ」《Sei Lob und Ehr dem höchsten Gut》BWV117だ。この曲は,バッハが,1724年から1725年にかけてのコラール・カンタータ・サイクル(訳註: 1年にわたる祝祭用カンタータ作曲)を完結させるために、ライプツィ時代の後期に書いた約10曲のコラール・カンタータのうちの1曲だ。バッハが10曲のカンタータを残して突然この作業を終えたのは、おそらく作詞者が他界したためであろう。手稿の表頁が欠けているため、どの典礼の日曜日のために書かれたのかも,どの年に書かれたのかもわからないが,1728年から1731年の間と推定されている。

Music for today

  • Nach dir, Herr, verlanget mich, BWV 150
    (first performance ? before 1707, Mühlhausen period)

  • O ewiges Feuer, o Ursprung der Liebe, BWV 34a
    (first performance 1726, Leipzig period)

  • Sei Lob und Ehr dem höchsten Gut, BWV 117
    (first performance ? 1728–1731, Leipzig period)

追加情報

オランダ・バッハ協会のウェブサイトに、BWV150についての詳しい情報と演奏が掲載されています:
https://www.bachvereniging.nl/en/bwv/bwv-150/

Playlist

WBC21-2nd Sunday of Lent or Reminiscere

今日の画像

フランスのフォーヴィスムの画家、ラウル・デュフィ(Raoul Dufy, 1877-1953)の絵画『バッハへのオマージュ』。デュフィはクラシックの作曲家を称える絵画をいくつも描いている。


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