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立川談志から爆笑問題へ

太田と田中へ 

爆笑問題。
間抜けな名前を付けやがったもんだと、はな思った。
けど、売れりゃあ別に問題はない。
惚れた女の名前が変わっていても、むしろそれが魅力となるのに似ている。 

家元、以前にそう、どのくらい前か、李鴻章が馬韓に来た頃だったか。
酒呑んで酔った二人に「売れて来い。天下取って来い」ってな事を言ったらしい。
それと別に二、三のアドバイスをした。
日々、「高田文夫を信用するな」とか、「山手線の中で小便するな」とか、「金玉を大切にしろよ」、などなど。 

テレビなんぞに出てる奴にろくな奴はいねえ(家元は別である)。
馬鹿ばっかりだ。
そう思ってないといられない。
けど、そのテレビが今の世の中、何より優先しているこの事実。
現実は事実なのだ。
ついでに言うと、世の中に正義なんて無い。
いや、真実も無い。
あるのは現実と成り行きだけである。 

能書きはいいや。
おい、爆笑問題よ。
売れるだけ売っちまえ。
金、儲けてこい。
昔、映画『傷だらけの栄光』でチャンピオンになったボクサー、ロッキー・グラジアーノに扮したポール・ニューマンが、恋人ピア・アンジェリを花吹雪の舞うニューヨークの凱旋パレード、オープンカーの中で抱いて言う。
「いずれ落ちるのだ。しばしこの栄光に酔おう」 

爆笑問題に問題はない。
なぜなら、他のやつは馬鹿ばっかりだから、当分大丈夫だ。
ずーっと大丈夫だ。

立川談志




『おしゃれカンケイ』(2001.6.24)

人生には何度も読み返したくなる手紙がある
”16小節のLOVE SONG”

古館:「太田と田中へ」と。
田中:誰ですか?
古館:(手紙を見せる)
田中:あ、談志師匠から!
太田:談志師匠だ!
古館:立川談志師匠から。
太田:(背筋を正し)急に態度変わっちゃう。
田中:急になんかねえ。
古館:2人とも尊敬してて、対談やったりとかしてねえ。
田中:はい。
古館:読ませていただきます。「爆笑問題。間抜けな名前をつけやがったもんだと、はな思った。けど、売れりゃあ別に問題はない。惚れた女の名前が変わっていても、むしろそれが魅力となるのに似ている」と、こっから入ってますね。
田中:ほお。
古館:「家元」って、自分の事「家元」って言うんですね、書く時ね、談志さん。「家元、以前にそう、どのくらい前か」。ここ難しいですよ、この後。「どのくらい前か」、絶対客ウケないと思いますね、おもしろいですね、いいですか。「どのくらい前か、李鴻章が馬関に来た頃だったか」。
太田:ははっ(笑)
古館:ほら、ちゃんと太田さんにはウケんですよ。李鴻章っていうね、あの秦の時代、中国の末期ですかね。詳しい事は(知らない)。李鴻章っていう人が、馬関っていう場所に来た頃。だから、大昔っていう事を言ってるわけですね。
太田:そんな前じゃないだろって。
田中:そういうツッコミがね、普通はこう(入る)。
古館:ね!「馬関に来た頃だったか。酒呑んで酔った二人に『売れて来い。天下取って来い』ってな事を言ったらしい」と、自分がね。で、「それと別に二、三のアドバイスをした。日々、『高田文夫を信用するな』とか」。
田中:ふふふふ(笑)
古館:「『山手線の中で小便するな』とか、『金玉を大切にしろよ』、などなど」。
田中:ふふふふ(笑)
古館:「テレビなんぞに出てる奴にろくな奴はいねえ(家元は別である)。馬鹿ばっかりだ。そう思ってないといられない。けど、そのテレビが今の世の中、何より優先しているこの事実。現実は事実なのだ。ついでに言うと、世の中に正義なんて無い。いや、真実も無い。あるのは現実と成り行きだけである。能書きはいいや。おい、爆笑問題よ。売れるだけ売っちまえ。金、儲けてこい。昔、映画『傷だらけの栄光』でチャンピオンになったボクサー、ロッキー・グラジアーノに扮したポール・ニューマンが、恋人ピア・アンジェリを花吹雪の舞うニューヨークの凱旋パレード、オープンカーの中で抱いて言う。『いずれ落ちるのだ。しばしこの栄光に酔おう』。爆笑問題に問題はない。なぜなら、他のやつは馬鹿ばっかりだから当分大丈夫だ。ずーっと大丈夫だ。立川談志」。
田中:はあ…ありがとうございます!
古館:大絶賛ですね、これ。
田中:いやあ、もう本当に。
古館:お墨付きとはこういうことでしょう。

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