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井川直子著 『シェフを「つづける」ということ』

 少し前にミシマ社のブログを久々にのぞいた時に偶然知った本。タイトルと、その紹介文から読んでみたいと思い、数日後には本屋に行って買っていた。

ただ一気にすべての章を読むというより、1章1章丁寧に読んでいた。なんというか、本を読み終えることを目標にするより、ちゃんと読める時に読もうという感じ。

 そんな感じで、今回まとまった時間があったので、読み残していた5章から最後まで読み終えた。一つ一つの章が文章のうまさもあって魅力的だったが、個人的に印象的だったのは、1、2、6、8章。特に今日読んだ6章「車いすシェフという自由」の中で紹介されている伊藤健さんの次の言葉がぐさっときた

  「当時から僕のテーマはずっと、”そのときおまえはどうする?”でした。想定外の出来事に出くわしたそのとき、何か術を知っていたら生きて行くことができる。知らない人は諦める。たとえ知らなくても、求めることでなんとかなることもある。誰だって、まさか自分が車いすになるなんて思っていないじゃないですか。そのまさかが人生の中に起きたんですよ、僕。さあ、おまえはどうする?の連続です」

 すべての章を読むと、実際にいろいろな生き方をして生きている人が実在するのだと教えられる。失敗も成功も、生きていれば普通に転がっているということも教えてくれる、いい本でした。

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