上には上が
連日熱戦が繰り広げられる甲子園球場。
私は、特に高校野球ファンというわけではないが、つい見入ってしまっている。
ベスト8からベスト4入りを競うチームともなれば、甲子園での試合を勝ち抜いており、実力伯仲かと思いきや、僅差で決まる試合ばかりではない。
ベスト8まで勝ち上がるくらいであれば、甲子園に出場するために相当の努力をし、それなりの犠牲も払い、野球に没頭してきただろう。
練習を重ね、実力をつけ、運を味方につけ、地方大会を制し、甲子園で勝ち上がってきたチームが、大量得点差で敗けてしまうなど誰が予想しただろうか。
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とはいえ、このような状況は、案外、人生の他の場面でも多くみられる。
例えば、進学校で優秀な成績だったが一流大学に進んだら、自分のような能力を持つものがゴロゴロとしており、非凡な才能しか持ち合わせなかったと気づくといったようなケースだ。
自分は、どれだけ優秀であっても、その周りと比べると優秀なだけ。
結局はそれだけのこと。
環境が変れば自己評価は変わる。自己評価を底上げしてくれる人たちと群れることで優越感は得られるだろうが、それは真の実力ではない。勘違い自己評価をしているだけだ。
どれだけ自分の優秀さを評価されてたとしても、環境がそうさせているにすぎない。そのことを認め、地道な努力を重ねていくことこそ、本物の力をつける道。
どれだけ自分が優れていたとしても、今いる場所で、どれだけ評価されていたとしても、「上には上がいる」ものだから。