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違う世界を覗き見する ~③画家編~

以前、画家さんのところへ半日コースで学びにいく機会があった。

絵を習うのなんて高校の美術の時間以来。
そこには、有名画家の模写が飾られていて素晴らしい出来だった。
それは、生徒さんである高齢のご婦人が、描かれた作品だった。
基礎編だったので、絵を描くというよりもひたすら線を引いたり丸を描いたり。

その先生は、鉛筆愛が凄かった。
お気に入りの鉛筆も紹介してくれた。
最初は、ずっと鉛筆の説明だった。
どれだけ鉛筆が凄いのかを熱く語られたのが興味深かった。
シャーペンは、鉛筆と違って途中に空洞があるから、頭からの指令が紙まで一直線で伝わらない・・・みたいな持論を話され、妙に納得した。
その話を聞いて、鉛筆凄いじゃん!となった。

沢山、線をひいて、「お、この線いいですね!」とか褒められちゃって。
<線>を意識して描いたことがまるでなかったのでただ線を引くというだけの行為なのに新しい文明を学んだくらいの気持ちになった。
何故今まで線を引くとき何も考えなかったのか。

高校の美術の先生が、どれだけ自分は、鉛筆が好きなのかとか、線にもいろいろあるのよとか、紙にもいろんな種類があってちょっと触って感じてみて・・・というような五感を刺激するような授業だったら私は芸術方面にもしかしたら進んでいたかもしれない。

一人の人が、その人の好きなものについて目を輝かせて一生懸命話してくれる。
「この人がこんなにハマってるのにその魅力をまだ理解できてない私の方がおかしいんじゃない?」くらいのテンションになってくる。
そんなに楽しい気分になるなら、少しでもその人のテンションに追いつきたいと思うようになる。

何かを教えてくれる人が如何に情熱をもって教えてくれるかで、その熱量は相手にも伝わる。

芸術を仕事にしている人たちは、度々、美術館に足を運んでいるようだった。
そして、美術館で絵や作品を見る視点も私とは全然違う。
時代背景ももちろん知りながら、その作者のストーリーも知りながら、今回出品されている絵のどういうところを楽しめばいいのかをその人の目線で教えてくれた。

でも、絵は、ストーリーがあっても自分の感性で自由に楽しんで鑑賞したらいいと言われた。
正解はないのだからと。

こういうアートな時間が、人生の大半を占めている人達も世の中には沢山いる。私とは見える世界も違うのだろうな。

時間がゆっくりと流れたように感じた日だった。

・・・・・・

今回もまた、あなたの大切な世界を覗かせてくれてありがとう。


ありがとうございます😭あなたがサポートしてくれた喜びを私もまたどなたかにお裾分けをさせて頂きます💕