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タイル境界で繋がっていない道路中心線データを繋いだ結果の検証


はじめに

こんにちは。
既報の「タイル境界で繋がっていない道路中心線データを繋ぐ」(2023/8/1)では、道路中心線のデータがタイル間でずれていて不連続になっている場合の接続方法について説明しました。
当時は、我々のホームページ(コンサベーションGISコンソーシアムジャパンのホームページ)のデータで、実際に接続する作業はしていなかったのですが、2024年になってから、少しずつ接続をするようにしていて、検証結果として示せるようになってきたので、一部をここで紹介します。
なお、実際に接続しているのは国土地理院最適化ベクトルタイルのデータから作成したデータ、道路データセット(最適化)(仮)と鉄道データセット(最適化)(仮)の2つのみです。
不連続接続にあたっての閾値は上記の記事と違い、50cm(縮尺1/2500地形図上で0.2mm)としていますのでご注意ください。その方法については以下の記事を御覧ください。ArcGIS ProのSnap機能を使っています。

  • 元々のデータはタイルごとで独立しているデータで、もっとライン数は多いですが、それは自明なことなので、省略します

  • 接続前のデータはディゾルブしたデータで、タイル境界の不連続がなければ既に1つになっています

  • 建築物のデータはポリゴンであり、厳密には不連続でもポリゴンは不連続になっていないようなので、ここでは対象としません

  • タイル境界で不連続は多く存在していますが、接続条件は距離だけなので、接続後、タイル境界以外でも接続が起きている可能性はあります

  • 接続は頂点の移動を伴い、元データを改変するため、結果はオリジナルデータと一致しないものになります

  • 閾値の0.5mについても、それ以上は縮尺1/2500地形図でも区別しないだろうという程度で、閾値を多数設定・比較検討して最適なものを検証したものではありません(試みたいところですが片手間でやるには負担が大きいので)

どの程度接続されたのか

一部の県とデータをサンプルに、不連続接続前後のライン本数のデータの合計値とその差分、接続前後で形状が「変化」したラインのデータを調べました。形状が「変化」は、殆どの場合、2本以上のラインが、端点の接続(一方の移動)を取ったことで1本に結合したことを意味しますが、結合なしにノードの移動だけがおきた場合等も含みます。というのも、属性が異なっていた場合は結合はしない(本数は接続前後で維持される)ためです。延伸しただけという場合もあります。

道路中心線と道路縁、不連続接続前後のライン数の変化
接続前のライン数を100%とした場合の比率

県によって多少違いはありますが、1~2%程度のラインが接続されたことがわかります。

接続前後の例

前回の図と繰り返しになりますが、こんな感じで接続されます。
12cm端点をずらして結合されます。ローカルPC環境でみているとズレはズレなんですね。

接続前後の例 3本が接続

極稀に3本が1本になる場合もあります。
タイルの境界に沿った短いラインが残っているなど、元の図形も少し変なので、予期しない接続になりました。「逆くの字」になっているところ(25cm右にずれている)の形状が略されています。
4タイルの境界点で微妙にずれているラインが合ったりすると4本が1つになることもあるでしょう。確認はしていませんが。

全体の状況(緑線は変化した場所のみを表示)

自動接続で変化した箇所を全域でみてみるとこんな感じです(愛媛県の例)。ランダムに何処にでもあるということがわかると思います。これは前回の例と同じです。
このような作業を道路データセット(最適化)(仮)と鉄道データセット(最適化)(仮)について進めています。いかんせん、ボランタリーにやっているので、全国分については、ゆっくりお待ちいただければと思います。

まとめ

今回はタイル間で不連続になっている場合に、その不連続を繋ぐとどう変わるかについて説明しました。あくまで自動接続なので、つながっていない箇所だったり、予期しない接続もあったりすることをご理解ください。

最後に

ここまでご覧いただき、ありがとうございました。
普段は北海道に本拠地を置くNPOに所属し、環境保全を主な題材としてGISやリモセンに関する仕事をしています。

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