第二次おばあちゃん大戦 〜ブタへの道〜

今日の朝はパンにする、ご飯にする?

おばあちゃんの優しさに包まれた朝の口撃が始まる。

歯を磨きながら僕は答えた。

パ、パンにしよかな。

…ご飯だと無限のおかわりがあるが、パンなら焼く時間等を含めてもう1枚と言われた時に断る事が比較的容易なはずだ。

1秒以内に応戦しなければ、怒涛の攻撃が始まるため、瞬時にロジカルシンキングをフルスロットルする。

歯磨きを終え、食卓に足を運ぶと美味しそうな朝ごはんが並んでいる。

パン2斤、バナナ、肉炒め、ウインナー、ベーコン、サラダ1ボウル、ヨーグルト、焼きしゃけ一尾。

しゃけ?!


僕は主食に対する食い合わせには結構寛大な方だが、パンにしゃけとは驚いた。
いや、そうか、そうだ、焼きしゃけも、いわばサーモンだ。
サーモン。
なんてお洒落な朝ごはんだ。

僕は言い聞かせて朝ごはんを食べ始めた。

デルタ地帯ばりの三角食べを駆使し、朝ごはん腹8分目で、朝ごはん半分を食べるペース。

しかし、焼きしゃけ、いやサーモンは三角形に入らない。

…そんなこんなでサーモンには一切手をつけず、全てを食べ終えた。

いける!いけるぞ!

yes,サーモンは別腹にとっといたのさ。

ここで、おばあちゃんがお茶を持って来てくれた。
優しい。飲み込むのに必需品だ。

お茶を入れながら、優しい面持ちのおばちゃんがまさかの至近距離砲を放った。


しゃけ一尾だけなんて食べられへんやろ?ご飯入れたろか?

うっ、、、


…あ、ありがとう!



こんな至近距離どう避けたらええねん!!

1秒以内の応戦が繰り出せず、僕はブタへの道を折り返す事ができなかった。

ただそんな道にも終わりがある。あっと言う間に出張が終わり、おばあちゃんの優しい口撃も休戦を迎えた。

世界の争いも、すぐに終われば良いのに。

おばあちゃん、来年またブタにしてください。

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