1960年代のわたしたち。アディーチェ「半分のぼった黄色い太陽」
概要1960年前半から1960年後半のナイジェリア、主にはビアフラ戦争終末までを背景とした3人のナイジェリアに住む人々の物語。ビアフラとは、東部に集中するイボ民族がナイジェリアの他民族による排斥に抵抗して立ち上げた国家のこと。「半分のぼった太陽」はそのビアフラ共和国の国旗のことだ。
当時の中産階級や民族の村の暮らしぶり、家族(恋愛)観、友情、人生の襞に分け入って、わけいって、アディーチェは物語として、人間の尊厳と愛の襞を描いている。言葉として分け与えられた読者として、わたしは