杉浦さん写真

役職:おかん。仕事と育児が溶け合うライフワークスタイルの提案者"杉浦那緒子"さん

金の卵のような人たちが世の中に出られるお手伝いをしたいという思いで、株式会社ヒトカラメディア・プランニング事業部にて活躍されながら、
仕事と暮らしが溶け合う、子連れでの新しい働き方を日々実践されている杉浦那緒子さんにお話を伺いました。

杉浦那緒子さんのプロフィール
出身地:愛知県
活動地域:東京・徳島
経歴:新卒で新築マンションの営業会社に就職後、リクルートの不動産領域広告(現 SUUMO)の営業に転職。
充電期間を経て「母であることを強みにできないか」と考え、Webメディア(nanapi)、フリーのFP、キャリア教育など異なる業種&働き方を試す。
現在は、自ら新しい働き方の実験をしつつ、ヒトカラメディアにて企業様のオフィス移転をサポート
座右の銘:柔よく剛を制す

案外できるかもしれない!

「役職:おかん」と自己紹介で書いてしまう杉浦さんに、ご自身のライフスタイルについてお話を聞いてみました。
記者:ライフスタイルを通して、どのような夢を描いていますか?
杉浦那緒子さん(以下、杉浦 敬称略):「面白く働くこと・生きることって、案外できるんだな」と思える人を増やしたいと思っています。と、いうのは、お母さんになった途端、「あれもできない。これもできない。こんなにできないんだったら辞めよう」と言って諦めてしまう方が多いように思うんです。
誰に決められたから分からない、「一般的」「普通」の言葉の中で、自分の希望を言い出すことにためらうことに、違和感を感じていました。
子どもから見て「大人になるといろんなことができる」と思えるような大人になりたい。
特に女性、子供をもつお母さんが仕事と育児の境目のない働き方ができるように、働き方の選択肢を増やしていきたいです。
「案外できるかもしれない」と思ってもらいたいですね。

ホットケーキとバターのように

記者:働き方にフォーカスするようになったきっかけはありますか?
杉浦:そうですね。子育てをしながら働くようになってからですね。
最初のうちは、独身のときの働き方との比較で、「あれもできないこれもできない」と思って暮らしていました。「仕事がある暮らし」と「子どもがいる暮らし」を分けて認識していたんです。
それがホットケーキと上にのせたバターのように、だんだん境目が分からなくなってくるんです。ホットケーキの上に乗っているバターは、最初の内ははっきりと形がありますね。でも、バターが溶けるとホットケーキとの境目が分からなくなりますよね。
今は、子育てと仕事も5年・10年経ってくると馴染んで、境目がわからないような感じになりました。包括的に人生の一部として育児があるという状態の中で、「どうやって働いていくと、自分にとっても、家族にとっても、会社にとっても、社会にとってもプラスになるのかな」ということを考えた事がきっかけですね。

「ここ」と思う1点を探すこと

記者:杉浦さんのライフタイルの中での気づきを教えてください。
杉浦:母親になったときに今度は母親らしくと周囲から言われて、「あー、またか。」と思ったんです。私が小さいころは、外遊びが好きで近所の男の子たちとよく遊ぶ子供だったのですが、「女性は女性らしくおとなしく家の手伝いをしなさい」とよく祖母にしかられことを思い出しました。。母親らしくと言われて、「また、性別や役割を理由に理想を押し付けられるのか」とうんざりしたんです。
だから、「周囲から人生が決められていくような状況を減らして、自分の幸せの実感を大事にして生きていくことが大事」だと気づきました。
あとは、実際に専業主婦をやってみて、私にとっては、子育て中の専業主婦の方のほうが、仕事をしているより大変だと感じました。
会社に勤めていると、「どこが良くてどこが悪いのか?」とフィードバックがありますし、お給料という形にも反映されます。会社は、何時から何時までと決まっているけど、専業主婦の場合は、本当に24時間仕事している状態なんですよ。クライアントからのクレームなどの分かりやすいプレッシャーがかからないけれど、何かトラブルが起きれば代わりに謝ったり、調整しに行くこともあります。
仕事の質やゴールは自分で決めて、しかも評価がされにくいんです。評価されにくい中でやり続けるのは本当に大変だと思うんですよね。外で働くにしろ、家庭で家族を支えるにしろ、「楽しい」「面白い」と実感を持って出来る事を、性別関係なく出来る事が一番良いと思います。
世間にこうあるべきと言われていることに当てはめずに、自分たち家族の間で、X軸・Y軸・Z軸みたいに最適な場所「ここ」という1点を探すことですかね。その1点が、時期によって変わるのが良いんじゃないかなと思います。

仕事と暮らしの境目をなくす

記者:お母さんが自分のやりたい事をイキイキやっていると、お子さん自身も肯定感を持ってイキイキできそうですね。
杉浦:時々オフィスに子ども連れてくることもありますし、オフィス帰宅という制度も起案者として取り入れさせてもらっています。
夏休みや冬休みのような長い休みの時は、塾から家に帰るのではなく、オフィスに帰宅します。そうすると、家に帰って「疲れたー」と言っている大人の姿以外に、「なんだか会社で楽しそうな事をやっているな」と思えるたくさんの大人の姿を子どもに見せる事ができます。
会社では、私の息子というより○○君という認識でいてもらえるし、「職場の●●さんが困っているから、明日遅くなる。」と話すと子どもも納得できるんですよね。
記者:確かに、働いている人の動きを近くで見る事ができると、人と人がどのように仕事をしているのか分かって一番大きな社会勉強になりますね。   
杉浦:私にとって子育てのゴールは、「子どもを社会の構成員の一人として送り出す事」です。
小学生の息子にとって今は、はさみや絵筆などの道具の習得時期だと思います。実際に、オフィスに来たりイベントに参加することで、会社や働き方を知る。「絵筆を使って作り出す世界を考える」アイデアときっかけが、普段の会社生活の中にたくさんあるように思います。
記者:仕事と子育ての境目がないような感じがしますね。
杉浦:そうですね。仕事と暮らしの境目なくすために、「『普通』と言われていることのどこを外すとうまくいくのか?」いつもそればかりを頭ひねっていますよ。仕事で得た事を家庭に帰って実験して、家庭で実験したことを仕事に活かしたりしています。
記者:日々の中で実験をしながら新しいことを取り入れていくことが得意でいらっしゃる様に感じます。
杉浦:「こうあるべき」という考えに囚われていた時期があるからこそ、『本当に母親がやらなければいけない事って言ったら何だっけ?いつもニコニコしている事だよね。』からスタートして、仕事でも「こうあるべきと思ってることは本当に必要なのか?」「核の部分が何か?」を考えてます。核となる部分以外で、どうやって新しいことを取り入れていくかを考えています。

役職:おかん。は、AI時代に必要なスキル。

記者:AIが活躍する時代に必要なニーズは何だと思いますか?
杉浦:「間を埋める能力」だと思いますね。AIは発達する能力が特化しているので、周辺能力までは向上しないように思います。
人間は、観察・比較・統合するができて、そこに共通しているものを見る事ができますよね。お家の中の主婦(主夫)の役割は、「間を埋める事」が多いと感じています。家族というプレイヤーそれぞれが、のびのびと活動するために環境を整えるという仕事をしていると思うんです。
私がいるプランニング事業部は、いわゆるプランナーと言って、内装のプランを起こして、デザインして、最終的に業者へ依頼して、納期までに工事を完成させる仕事をしています。
私は、全体を整えながら、「きっとこれが役立つ・必要になる」というところは勝手に手を出すという、お母さん的な役割をやっています。
だから、私は「役職:おかん」と自己紹介しています。いわゆる管理職としての「役職」だけではなくて、「役目とその仕事」の意味を込めて「役職:おかん」と話しています。

肝っ玉母ちゃんのような感じの「おかん」。割烹着が似合うとか、いつも綺麗で整ってるわけじゃないけど親しみがある。そんなイメージで、仕事でも家庭でも「間を埋める」事ができると思います。

記者:忙しい日常の中でバラバラに考えてしまう事を、繋がったところから考えて、新しい働き方を創っていらっしゃる、素敵なお話をありがとうございました。

杉浦 那緒子さんの活動、連絡については、こちらから
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SNS:
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【編集後記】インタビューの記者を担当した小田原と森本です。
杉浦さんのお話を聞いて、一人一人のそれぞれの可能性を引き出し、活かしていきたい一貫した思いを感じました。仕事が暮らしが溶け合っていくって素敵ですよね。杉浦さんの活動を通して、これからの時代の働き方やお母さんの可能性が広がっていく事にワクワクします。

更なるご活躍を楽しみにしております。
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この記事は、リライズ・ニュースマガジン “美しい時代を創る人達” にも掲載されています。
https://note.mu/19960301/m/m891c62a08b36


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