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箱入り娘が3度の転職。 結婚・離婚を経て自分の人生を生きれるようになった20代の振り返り。

小学校の頃からよく母から「できるだけ良い学校に進学してね、パパみたいな有名企業に入ってそこで早めにいい人つかまえて結婚しなさい。でもママみたいな専業主婦にはなったらあかんで。」と言われながら育ってきた。だから無意識のうちに自分の幸せ=「できるだけいい大学に入ること、有名企業に入ること、20代で結婚すること、30歳までに出産すること、家族を持ちながら仕事と両立して生きていくこと」だったし、それが人生の目的だった。

だからやりたいことが出てきても、「それは安定の道から外れるからダメ」となかったことにするのが癖だった。自分の働く目的が何なのかよく分からないまま就活をし、親も喜ぶであろう実家から通える地元の銀行に総合職として入社した。またこの時は無自覚だったけれど、会社の環境にも結婚相手にも「依存」したいという考えが染み付いていた。

銀行員時代

「仕事も家庭も両立させる」と夢見て銀行に入ったけれど、入社して5日くらいでその夢はガラガラと崩れた。

入社説明会で「女性は育休産休取って復職しています」と聞いていたけれど、実際に育休産休取って復職できている女性たちは総合職女性ではなく窓口業務の女性たち。また当時銀行の女性総合職の母数も少なく、少なくとも私の半径5メートル内にはそういったロールモデルはいなかった。それどころか「支店史上初めての女子営業だよ」と言われ、自分以外全員男性社員しかいない環境だった。

これは自分にとって大きな誤算。ただ、すぐに「辞める」という決断をする勇気もなくて、もはや一旦自分のことを男だと思って頑張ってみよう(笑)と覚悟を決めた。

頑張ろうと決めた一方で「仕事ばっかりしてたら婚期遅れるぞ」みたいな冗談(おそらく周りは全く悪気ない)にも疲弊していき少しずつ自分の未来も見えなくなっていた。

何をやっても手応えも生きている実感もなくて日々数字を詰められて辛そうに働く先輩たちを見ていると「みんな何のために働いてるんだろう」とか「自分は今まで何のために頑張ってきたんだろう」と思えてきた。きっとこのままいけば仕事もプライベートも中途半端になるんだろうなと思うとそんな未来にゾッとした。

仕事か結婚かの二者択一の世界から、もう少し広い世界があるんじゃないか、自分ってまだもうちょっとだけ頑張れるんじゃないか、そういうことをうっすら期待して転職活動に踏み切った。

その時の転職活動の経緯はこちら。

「中途半端にビビって保身に入れば、結局また中途半端な人生になるぞ!思いっきり腹括って自分で決めろ!」と喝を入れられ、最後震えながら意志決定したことを今でも覚えている(笑)

この時に自分の固定観念も一度捨てきり、当時お付き合いしていた彼ともお別れをして(笑)、本当に失うものが何もないくらい空っぽ状態でリクルートに入社した。

リクルート時代

当時はリクルート=スマートな営業というのをなぜか想像していたけれど、実際は事業拠点の立ち上げで担当顧客もゼロ。1日100-200件新規開拓tel&飛び込み営業(いわゆるドブ板営業)という自分が一番やりたくないと思っていた仕事をやることになった。(笑)

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幸い、向き合う相手が自分と同じように仕事で悩んでいた人達、フリーターやニートなど一度社会のレールから外れてしまい悩みを抱える人たちの転職支援だったことから、当事者意識が自然と湧き上がり、銀行の時はあれだけ19時帰りを切望していた私が、会社で寝泊まりするほど仕事に夢中になって取り組むようになった。その時に初めて自分の関心事は「人」で、強烈に解決したい課題は「人が固定観念なく、夢中になって自分らしく生きていくにはどうすればいいか」ということだと少しずつ自覚するようになった。

仕事に夢中になれなかった自分が、仕事で夢中になるにはどうすればいいのか書いたnoteがこちら。

結婚

同じ職場で出会った人にひと目惚れして3度振られても懲りずにアタックし、(笑)ようやく付き合っていただいた人と自分から志願して結婚に至った。私のような箱入り家系とは真逆の環境で生きてきており、色々苦労を乗り越えてきたところを尊敬していた。互いの家族親族のちょっとした事情から、親族も家族もゲストも誰もいない2人だけの挙式をした。

なんとなく流れに身を任せて生きてきた人生から、自分の人生に自分で責任を取る感覚が心地よくて、生きている実感があった。この時に、失敗しても諦めずうまくいくまでやり続けることを覚えたし、「自分もやればできる」と思える成功体験を20代で積めたことは大きいと感じている。この20代半ばの経験から会社の環境、結婚に対する考えも「依存」→「自分が欲しいものは自分で取りに行く=自立」を意識するように変化した。

そして、自分の結婚を機に自分のキャリアの次のステージも考えるようになった。

「会社の看板がなくても生きていけるようになりたい」という思いと、自分の結婚がきっかけで「家族や夫婦ってなんだろう」「結婚式の意味ってなんだろう」と考えることが増え、その理解を深めたくてウェディングの会社に転職した。

CRAZY時代

「意志ある人生を一つでも多く作りたい」というメッセージに共感して入社。いろんな人生や結婚のあり方、価値観を知れてとても興味深かった。(※写真掲載許可有)

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毎日ベンチャー特有のカオス感に揉まれながら働いていて半年くらい経った頃、突然とてつもない倦怠感・だるさで起き上がれなくなった。喉元付近にしこりのようなものができていて、病院に行くと甲状腺の病気だと発覚。「正直すぐ治るものではないです」と言われ、ショックだった。気分の落ち込みがあったり、体力・気力ともについていけない状況が続いて、自分を責めたり、「病気だからしょうがない」と諦めることもよくあった。そのうち価値発揮できない自分に辛くなって「一回ちゃんと休もう」と思い、辞める決断をした。当時はやると決めたことをやりきれなかった罪悪感や悔しさ、「病気を言い訳に逃げているんじゃないか」とか色々考えていた。

療養生活を経て

「何もない時間」を過ごすことで焦ったり、自己肯定感が下がったりで完全に精神的にも体力的にも弱りきっていた。体調が少しずつ回復してきた頃にリクルート時代の恩師にアポを取ったけど、正直こんな自分にがっかりされるんじゃないかと怖かった。

恩師からの言葉

これまでの話をすると、

できなかった自分ではなく、挑戦した自分を褒めてあげなよ結果は運もある。信じたい方向性は合っているから、いつもみたいに直感信じてうまくいくまでやり続ければ良いよ。多分これからもっと死にたくなるような失敗もたくさんすると思うけど、それがお前らしい生き方だよね(笑)何があっても応援してる」

「逆に今この時間がステフ(リクルート時代のあだ名)の人生にとってすごく意味のある時間やと思う。会社の看板も肩書も成果もない「ありのままの自分」を受け入れて好きになれるか、「何もなくても生きてていいんだ」と思えるまで味わい尽くせば、今経験している痛みはもっと色んな人を救えるようになるよ。」

この言葉を受けてすごく気が楽になったし、もう一度頑張り直そうと覚悟を決められた。

Posiwillジョイン

奇跡的に体調が完治したその足で、

「仕事は何でもやるので何か手伝わせて欲しい。」と気づいたら弊代表@meiem326 (リクルートの大阪支社時代に知り合っていた)連絡していた。自分が解決したい課題がここにあると信じて自分なりに覚悟を決めた言葉だ。

今思えばよくこんな状態で受け入れてくれたなと思うけど(笑)「あなたみたいな人が働かないのは社会の損失だね」という言葉をくれ、自己肯定感が回復した。本当にありがたい。。。

29歳になって相当覚悟してジョインしたつもりだったけど、そんな覚悟じゃ足りないくらいハードシングスが多い日々でもう何度か心は折れかかっている。(笑)でもそれ以上に事業の価値を信じていたり、目の前の人が変わる瞬間が楽しくて夢中になることで、もっと色んな人にこの価値を届けたい、事業を大きくして社会を変えたいと真剣に考えるようになった。

離婚

前述したとおり、わたしは箱入り家庭に息苦しさを感じて、飛び出してきた人間だ。一方相手は「家族」というものに強い憧れがあり、それを築いて守っていきたいと志向が強かった。お互いに無い価値観を持っていて尊敬しあえていると思っていたところが、「家庭」に置き換えると求めるものに違いがあって、気づけば交わりようのない大きなギャップになっていた。20代のうちの6年間一緒に生活してきて間違いなく幸せだったけれど、一緒にいることで、将来お互いが幸せになれるのか真剣に話し合った結果、離婚を決めた。結婚=幸せだと思っていた考えが、いかに一緒に生活を続けていけることが難しいのか、日々の価値観のすり合わせをすることが大切か、とても学びになった。

私の20代って…

振り返れば、私の20代はこれまで他人の期待や世間での見られ方を意識して生きてきたところから自分で考え、自分なりの価値観で意志決定する、自分の人生は自分で責任を取るというということをとことん試された時間だったと思う(笑)。たくさん失敗もしているけれど、総括自分の20代に後悔はなく、幸せでとても満足している。

これまで色んな人の支えや言葉に救われ、引き上げてもらってきた人生だからこそ、30代の自分は少しでも多くの人に価値を返せるような自分でありたいし、そんな愛ある事業を作っていきたいと頑張りたい所存。また最近女性からの「キャリア・ライフイベント」に関する悩みもたくさんいただくけれど、私の考えとしてはまず自分の人生・キャリアあってのライフイベントだと思うので、自分の感情に嘘をつかず意志決定をすることと人や環境に依存するのではなく、自分で自分をちゃんと満たしきった上でライフイベントを迎えた方がいいと思っている。(自分もまた懲りずに結婚はしたい。笑)

長い文章に(笑)、お付き合いいただきありがとうございました。

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