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初代ゲームボーイ(DMG-01)を分解する

はじめまして、Googleで「ゲームボーイ 修理」で検索すると1番目に表示される さくさん a.k.a. Kenji Wada です。

note.muで初めてまともな記事を執筆します。4年前にnote.muにアカウントを作成したのですが、当時は数あるブログサービスのひとつだったように思います。書き心地を試すためにうどんの写真をアップロードしておしまいでした。

このサービスの利用者は比較的若年層が多いように思いますので、僕の記事が刺さらないかもしれません。僕はゲームボーイを修理するのが趣味で、いままでたくさんのゲームボーイを修理してきました。……とは言っても本格的にチップチューン(ゲームボーイやファミコンなどレトロハードを音源とした音楽)をしている方々と比べられると比較にならないでしょう。

ここでは過去に僕がブログで書いた内容を若干リライトしてお送りしたいと思います。初代ゲームボーイはもう30年近くも昔のゲームハードなので、この記事を読んでもらえるか不安です。

初代ゲームボーイについて

初代ゲームボーイはDMG-01という型番が振られています。ゲームボーイポケットといった派生機種やゲームボーイアドバンス といった後継機種と、ひとくちに「ゲームボーイ」と言ってもたくさん種類があります。

<s>2018年になっても</s>ゲームボーイで遊んでいる方とお話する機会があれば、DMGと呼んだ方が誤解なくスムーズに会話をすることができると思います。あっ、少し脱線してしまいましたね。

初代ゲームボーイの造りはとてもシンプルです。

それもそのはずで、初代ゲームボーイは1989年4月に発売されてから27年も経過しています。当時の最新技術の結晶といえども、現行モデルのnew 3DSやPS Vitaとと比較すれば、内部構造もとてもシンプルに見えるのでしょう。

しかし、そのシンプルさのおかげで僕のような趣味レベルの電子工作初心者でもドライバーとはんだごてさえあれば修理できますし、バックライトを実装して暗い室内でも遊べるようにすることができます。

後継機であるゲームボーイポケット以降では基板も複雑になっていくので、僕の手には負えなくなっていきます。

さて、今日は初代ゲームボーイの1号を解体していきましょう。

外装をはずして画面側基板と電源側基板にわける

初代ゲームボーイは、2枚の基盤と外装によって構成されています。外装は手垢まみれだったり、紫外線に当てすぎて黄色く変色(黄変)しているものがほとんどでしょう。

中古で買ってきたゲームボーイを埃を払ったり漂白剤に浸けて除菌したくなるのは僕だけではないでしょう。

外装を取り外すには、Yネジが必要になります。Y字ドライバーを持っていない方には、エンジニア社のDTY-02をオススメしています。ネジ穴を舐めることなく回すことができます。

カパッと開けると、中でケーブルハーネスがつながっています。無理矢理ケースを開けて断線させないように気をつけましょう。前述した通り初代ゲームボーイは丈夫なので多少雑に扱っても大丈夫だと思います。

ハーネスを抜いて基板を取りはずす

初めはこのハーネスケーブルを抜くのが怖いと思います。

湾岸戦争で空爆を受けても大丈夫だった頑丈なゲームボーイなので怖がらずにゆっくりと抜きましょう。初代ゲームボーイが丈夫なのは何度も伝えていきたいです。あとから何度もこのハーネスを抜き差しすることになるので、そのうち慣れると思います。

現行機と比べるとあまりにも大きな初代ゲームボーイはお弁当箱と揶揄されるのですが、分解した姿はまさしくお弁当にしか見えませんね。これで電源側の基板と液晶側の基板に分割することができました。

後日談ですが、このゲームボーイは前オーナーが縦ライン抜け(液晶の接触が悪くて縦のラインが抜けてしまうハードウェア的な不具合)を修理したものであることが判明します。液晶側基盤から何本かネジがなくなっており、前オーナーが雑な修理をしていたようです。

長年使っていて劣化した初代ゲームボーイによく発生する縦ライン抜けの修理方法についても、この記事の評判がよければ執筆したいと思います。

電源側の基板を外装から取り外す

開けてしまえば、あとは一般的なプラスドライバーだけで、外装から基板を取り外すことができます。

イヤホンジャックの基盤が腐食(?)しているのか白くなっちゃっています。経年劣化でフラックスが浮いてきているのかもしれませんね。

ピンク色で丸をしているプラスネジを取ると、外装から基板を取り外すことができます。

カセットを挿す部分にあたる金属も外しました。カセットの取り外しがたくさん発生して負荷がかかる部分なのでここはあえて金属にしていると推測しています。後継機のゲームボーイポケットやカラー、ゲームボーイアドバンス に到るまでこの部分は全て金属が使われています。

電池ボックスの電池受けも取り外してみました。電池の液漏れが発生したのか腐食した跡があります。でもそのうちのひとつはなんか磨いたあとがありますね。

電池が接触するこのパーツは金属が錆びていると、電気を通さなくなってしまうので電源が入らない原因にもなります。電源が入らないとメルカリやヤフオクで売られている中古ゲームボーイのほとんどはここが錆びているのが原因です。

分解する際に注意して確認しましょう。錆びていたらついでに錆びも落としちゃいましょう。僕は雑にヤスリで削ってしまいますが、本当は錆び落としを使うのが良いのでしょうね。

液晶側の基板を分解する

こちらは液晶側の基板です。こちら側も電源側基板と同じくプラスドライバーのみで、外装から基板を取り外すことが可能です。

ネジを外してみました。

液晶にはカバーを固定するために使われたであろう瞬間接着剤の揮発跡が残っているようです。スピーカーが汚いのであとで掃除します。

ゲームボーイを分解できました

ようやく外装が取り外せましたね。

以上で初代ゲームボーイの分解方法の紹介は終了です。

電子部品・金属部品を取り除いたので、外装を洗うことができます。

あまり他人にはオススメできない技なのですが、このゲームボーイのように黄色く変色した外装はキッチンハイターなどの過酸化水素を含む漂白剤に漬け込み、太陽光などの紫外線に当てることで元の明るい灰色の色味に戻すことができます。玄人になると太陽光に当てるなどせずに、漂白剤に浸けて直接紫外線ライトを当ててしまうようです。

漂白剤を扱うのが面倒臭いという方は、中国やアメリカのゲームボーイカスタムサイトから外装を注文して取り替えるのもひとつの手ですね。500円〜2,000円で新品同様のゲームボーイに復活させることができます!

今後もnoteでゲームボーイやゲームボーイアドバンスの修理や改造情報を提供していくニッチな存在になれればと思います。これからもよろしくお願いいたします。

私のブログ「酢ろぐ!」には、この他にも「ゲームボーイの修理・レストア」に関するTipsを書いています。もしゲームボーイの修理や改造について興味のお持ちの方はブログの方もご覧ください!

ゲームボーイを修理・改造したり、ポケモンカードゲーム用のデッキ構築アプリ「ptcgnote」を作っています。