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【全文無料】1/2公認ベスト4のモルト王の全て(構築編)

明けましておめでとうございます。今年からデュエプレチームABYSSに仮所属させていただいております、きいちと申します。

今回の記事では、僕がND最高レート1630、瞬間23位、そして、1/2に行われた440人規模の公認大会、MAGICA杯にてベスト4を達成した構築を共有したいと思います。全文無料ですので、是非最後までお付き合いください。この記事を最後まで読めば、モルト王を握らない人も、多くの学びを得る事が出来ると思います。普段モルト王を握っている人は尚更です。では、よろしくお願いいたします。


デッキリスト

何はともあれ、まずはデッキリストを見て頂きましょう。超次元ゾーン含め、この48枚が自分の中では現環境の結論構築となっており、1週間以上構築が変わっていません。

1枚ずつ採用理由とデッキ内での役割を考えていきたいと思いますが、その前に「モルト王」というデッキの長所と短所を考えていきましょう。せっかちな方は読み飛ばして頂いても構いませんが、このデッキ、ひいては環境の全ての「モルト王」に通ずる話ですので、是非お読みいただければ幸いです。

モルト王の強み

モルト王というデッキの強み、それは「モルト王のカードパワーを5ターン目に安定して押し付けることが出来る」という点です。環境に存在するモルト王のデッキのほとんどは、《怒英雄 ガイムソウ》から《二刀龍覇 グレンモルト「王」》を踏み倒し、ワンショットを狙ったり盤面を形成したりする事を一つの着地点にしています。

つまり、モルト王はこの二枚によるコンボデッキなのです。そして、必要パーツが二枚だけ、しかも揃えば7割方勝てる、という押し付け性能の高さこそ、モルト王の強みであると考えています。そして、この長所を最大限生かす形で、僕はデッキを組みました。

モルト王の弱点

では反対に、モルト王の弱点は一体どこにあるのでしょうか。それは「モルト王を出しても勝てない試合がかなりの数存在する」という事です。モルト王のカードパワーはすさまじいですが、VANやウェディング、刃鬼といったカードには劣ります。吸い込む1枚踏むだけで簡単に返されてしまいます。環境に天門や祝門が増え、モルト王自身も盾を厚くする構築が流行りだしている現環境では、実はモルト王1枚だけでは勝てない試合、というのが一定数存在します。

皆さんには、この点を念頭に置いて記事を読み進めて頂ければと思います。つまり、「モルト王は5ターン目に安定して一定のパワーを出力できるけど、フィニッシュ力はちょっと足りない」という事です。

それでは、採用カードを見ていきましょう。

初動枠

このデッキは357のマナカーブで5ターン目にガイムソウを召喚したいので、ブーストは厚めに採っておられる方が多いと思います。僕もその一人です。デッキ内の色バランスを注視しながら、枚数を調整しました。

フェアリーの火の子祭

確定枠です。初手にあればとりあえず安心できるカードなので、僕はキーカードに設定しています。このカードの強みは「確実に火文明をマナにおける点」「単色である点」「手札が減らない点」です。実質的なリソース源として、手札枚数の維持に貢献してくれます。5ターン目にこのカード自身をマナゾーンに置くことで、単色をしっかり埋める事ができる、というメリットもあります。

手札にガイムソウとモルト王が揃っている場合、3ターン目までに自然単色1枚と火文明二枚をチャージし、火の子をプレイ。4ターン目に火文明(多色可)をチャージし2度目の火の子をプレイ、5ターン目に火の子自身をチャージすることでピッタリマナ武装が達成できる、というのはモルト王を使う上での必須知識です。

また、ゲームが長引いた際、とりあえず連打してマナを伸ばし、トップ解決に賭ける、といった使い方もあります。後述しますが、このデッキは11マナ、12マナ、13マナ、14マナ、15マナにそれぞれ強い動きがある(後日記事を書きます)ので、継続的にマナを伸ばせるこのカードは4枚確定で採用しましょう。

爆砕面 ジョニーウォーカー

多くの場合、フェアリー・ライフと選択になるかと思いますが、僕はジョニーウォーカーを4枚採用しています。

ジョニーの強みは、火文明を持っている2コスブーストでありながら、モード選択が出来るクリーチャーである、という点です。一つずつ見ていきましょう。

まず、文明についてです。このデッキは、マナ武装と火の子の関係上、デッキ内の火文明の枚数を極限まで増やすことが求められます。具体的には、27枚でギリギリ、安定を求めるなら32枚欲しい、といった感じです。僕のリストでは31枚が火文明です。これでも、たまに火の子は失敗します。

つまり、非火文明のカードは8~10枚しか採用したくありません。そして、火の子を採用しないのはあり得ないので、残りの枠は4~6枚です。ここをライフにしてしまうと、後述する《ライフプラン・チャージャー》を採用できなくなります。ライプラはデッキの強みを最大限生かすためのカードですので、ここではライフを非採用にしました。

また、2コストである点も非常に強力です。紙のデュエマと違い、デュエプレのマナは一度チャージした文明が使い放題です。そのため、1、2ターン目に火単色しかチャージできなかった場合でも、3ターン目にヴィルや二枚目のジョニーをチャージすることでブーストが間に合います。多色を逃がせるという意味でも、このカードは強いです。

ブーストではなく小型除去としての役割もある、というのも採用理由の一つです。赤単速攻、サザンルネッサンス、リキピなどのデッキに対して、もう1枚ブーストが手札にある状況であれば、除去としてこのカードを使えます。(ただし、これらの対面は速度勝負になる事が多く、自分のブーストを急いだほうが強い場合も多いため、使いどころには注意が必要です)

また、呪文メタに引っかからない点も強力です。《爆鏡 ヒビキ》や《剛厳の使徒 シュライバー》を相手の先攻3ターン目に建てられた場合、ジョニーでないとブーストが成功しません。これらのカードが環境に一定数存在している点を考慮し、ジョニーを4枚採用しました。

翔天と天恵の声援

初動枠の最適な枚数についてですが、僕は10枚だと考えています。(あくまでこのデッキについてです)

その最も大きな理由が、モルト王というデッキの色バランスの難しさ、です。先述の通り、このデッキは火文明ではないカードを最大10枚しか採用できません。しかし、安定して3ターン目にブーストを成功させるためには、自然文明のカードも18枚、19枚程度採用したいです。つまり、火自然の多色カードは、何枚あっても良いのです。初手で二枚きて、丁度いいくらいです。そして、火自然の多色のカードに、ロクなカードはありません。後述する《偽りの王 ヴィルヘルム》と、ジョニー、そして声援くらいです。悠久とかカツキングとかもいますが、ここでは不採用です。ということで、初動兼色枠として、声援を二枚採用しました。ブーストを計12枚採用しているリストも多くみられますが、デッキパワーの関係から10枚、が最適な枚数だと考えています。

ということで、声援を採用しました。リキピに強かったりMASを焼けたりするのが強いですね。青白天門のロードリエスを破壊するのに一役買ってくれたこともあります。良いカードです。ただ、ジョニーや火の子にとって代わるほどではないかなと思います。

まとめ

以上、3種類10枚のカードを初動として採用していますが、これらのカードには自然文明の確保という役割もあります。3ターン目で間に合うとはいえ、10枚から12枚採用するのが丸いでしょう。僕は10枚です。12枚はデッキパワーが落ちます。

中継ぎ枠

3ターン目に火の子以外のブーストを打った場合や火の子を打ったけどパーツが足りていない場合、4ターン目に打ちたいカードです。ブーストしながらガイムソウとモルト王を探しましょう。この枠を取るか取らないかで大きくデッキの再現性が変わりますが、モルト王は安定して早出しして漸く意味のあるカードです。しっかり枠を割きましょう。

爆剣・チャージャー

絶対に4枚採用したいカードです。何度も言いますが、このデッキは如何にガイムソウとモルト王を早いタイミングで安定して揃えられるかにかかっています。再現性の無いモルト王は他のデッキの劣化になってしまいます。自分の引きに自信がある人は結構ですが、そうでない人は4枚採用し、とにかく安定してモルト王を早出しすることに注力しましょう。

ライフプラン・チャージャー

爆剣の5,6枚目として採用しています。「安定して勝てるモルト王」と「勝率に波があるモルト王」の差は、勇気を持ってこのカードを採用できるかどうかだと思っています。モルト王は、とにかく出力が安定していなければなりません。7ターン目に出てくるモルト王なら刃鬼の方が強いです。5ターン目に出せるから強いのがモルト王です。再現性、速度、両方を安定させるために、しっかり枠を取りましょう。自然単色は弱いですが、それを差し引いても採用する価値のあるカードです。

デッキコンセプト枠

怒英雄 ガイムソウ

確定枠です。何度だって言います。モルト王のフィニッシュ力は、意外と中途半端です。早出ししなければ弱いカードです。ガイムソウを抜くのであればデッキコンセプトが崩壊します。

二刀龍覇 グレンモルト「王」

デッキ名です。実は調整段階で3枚に減ったことがあったのですが、デッキの方向性を見直す中で、4枚確定になりました。とにかく安定して5ターン目にこのカードを出す事を序盤は意識しましょう。なお、対面によってはモルト王よりヴィルやガイグレンを優先することがありますが、プレイについてはまた後日書きます。

偽りの王 ヴィルヘルム

サブプランその1ですが、初手に来たらマナに埋めてください。357でヴィルを出した時、マナに既に黒が点いていないと、その次のターンにヴィルが出ません。それなら、ヴィルを出さずにサーチやブーストに時間を割いた方が強い場合が多いです。なお、後述する《龍覇 グレンリベット》が手札にある場合は、357でヴィルを出し、そのまま三点行ってください。(詳しくは後程)

初動枠を考える際にもお話ししましたが、火文明と自然文明を両方持っているカードで、デッキにかみ合うカードがこのカード以外にありません。色枠としての意味合いが大きいですが、カードパワーも高く、プレイ次第では相手をコントロールできるので、4枚確定で採用していいでしょう。

トリガー枠

モルト王というデッキを組む上で、人によって大きく採用が分かれるのが、シールドトリガーの枠だと思います。

モルト王によく採用されるトリガーを、一度全て挙げてしまいましょう。

この四枚が、環境でよく採用がみられるトリガーだと思います。他にも《スーパー炎獄スクラッパー》や《天守閣 竜王武陣》《モエル 鬼スナイパー》《ドンドン吸い込むナウ》《無双龍聖イージスブースト》などの採用も検討されますが、ここでは割愛します。

上の二枚(ホワイトフレアとレイジクリスタル)と、下の二枚(バーニング銀河とグローバル)は、性質が真逆です。つまり、前者は多色だが受け札としての性能が高く、手打ちが弱い。後者は単色で受け札としての性能はやや低いが、手打ちが強い。と、いうことです。

ここは、どちらを採用しても正直問題ないと思います。好みで選んでいただいて構いません。しかし、僕個人としてはバーニング銀河とグローバルを3枚ずつ採用する形が最も強いと感じています。

何度も申し上げている通り、このデッキは5ターン目にモルト王を出す事にかなりの枠を割いています。ホワイトフレアとレイジクリスタルは、手札に来た時がマジで困ります。火の子が絡まないと手札がカツカツになりやすいこのデッキに、火でも自然でもない色を含んだ多色カードを入れる余裕は無いです。また、ZweiLanceさんが提唱されているフルパワー理論に則っても、受け札は最低限、かつ自分の動きの邪魔にならない程度、が鉄則だと感じています。再現性を重視したデッキですので、尚更です。

以上の理由からバーニング銀河とグローバルナビゲーションを3枚ずつ採用していますが、バーニング銀河は相手のドラグハートフォートレスを破壊する役割がありますし、グローバルナビゲーションはゲーム終盤に効いてきます(後述します、と思ったけど記事を分けます。この記事は構築のみ解説します)

ガイグレン

暴龍事変 ガイグレン

ガイグレンです。サブフィニッシャーですが、相手のデッキの性質によってはモルト王より優先してプレイする事もあります。ブロッカーの数を問題にせず、相手の面を一掃できるのが強みですね。二枚採用しましょう。1枚だと少ないですし、三枚だと多いです。

最強の1枚

龍覇 グレンリベット

さあ、ここからがこの記事、このデッキの本番です。ここまでは一般的なモルト王に採用されているカードばかりでしたが《龍覇 グレンリベット》を4枚採用している構築は、僕の知る限りでは存在しません。僕が起源主張してます。

ですが、このカードこそ、モルト王を真の環境トップに押し上げる最後のパーツであると僕は確信しています。

何故なら、このカードこそ、モルト王の弱点をカバーし、フィニッシュ力を底上げするカードだからです。モルト王の弱点として、若干ではあるが押し付け性能が足りない事を先述しました。吸い込む1枚やブロッカー二枚でリーサルが組めなくなり、その後再度攻撃に行くまで時間がかかるのが、モルト王の弱点でした。

しかし、357モルト王の次のターンにこのカードをプレイし、ガイハートを装備すれば、横にいるガイムソウと共に相手の盾が4枚あろうとリーサルを狙えます。実際には、相手の盾が1枚だけ残っている状況が多いため、そこでトリガーを踏まなければ勝ちです。

また、357でヴィルを出した時の中途半端さも、このカードで解消することが出来ます。ほとんどのモルト王は黒が4枚しか入っていない為、ヴィルを連打するためにはヴィルが二枚以上見えている必要があります。しかし、グレンリベットを採用していれば、357ヴィル3点の次のターンにガイハート装備でリーサルです。このプランの強みは、最初の3点でスパークやクロックを踏んでも大丈夫、という点です。

以上の例のように、意外と足りないモルト王のフィニッシュ力を、2ターンに渡る多段攻撃を可能にすることで解決するのが《龍覇 グレンリベット》なのです。

更に、このカードは、ドラゴンではないのでVANで詰みません。VANを出して安心している相手に投げつけると気持ちよくなれます。また、相手のVANが出る1ターン前にプレイし、プロトギガハートを装備しておけば、相手のVANの効果で龍解し、4打点が生成できます。二枚目のグレンリベットを投げ、リーサルを狙いに行きましょう。

また、単純にマッドネス枠としての役割もあります。このカードの採用で、黒単が不利から五分になりました。4cヴィルのジョーカーにはガン刺さりします。このデッキ、4cヴィルに勝率75%あります。(先攻5-1 後攻7-3)

効果自体《龍覇 グレンモルト》と同じで、そこに素でWブレイカーを持っているので、単体カードスペックも十分です。騙されたと思って是非四枚採用してみてください。

メインデッキのまとめ

ということで、メインデッキ40枚の採用理由を解説しました。再現性をギリギリまで高めたリストになっており、火文明31枚、自然文明19枚、多色10枚というかなり安定感のある色配分になっているかと思います。この40枚でなければ、モルト王である意味は薄くなってしまう、とまで僕は考えています。何度も言いますが、モルト王は5ターン目に出せてなんぼです。遅れれば遅れるほど、モルト王でやる意味がなくなります。

超次元ゾーン

グレンリベットを採用している関係上、リストの八枚で確定です。ザウルピオの事を僕は信用してないので彼は非採用です。トリガーケアは、基本的にガイギンガとガイギンガソウルの選択でなんとかなるので、この八枚で問題ないかと思います。記事を書くのに疲れてきたので、この辺で終わりたいです。質問があればXの方にお願いします。

終わりに

プレイについては後日また記事を書きます。一日ほど待ってください。

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございます。記事について疑問点等ありましたら、僕のXのDMにくださればお答えします。

では、皆さん、今年も良い一年にしましょう。この記事が役に立ったと思った方は、是非お金を落として行ってください。売り上げの三分の二を能登に寄付します。

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