中国古代のお葬式Part2
中国古代のお葬式では
1. 初喪礼儀
2. 治喪礼儀
3. 出喪礼儀
4. 終喪礼儀
という段階を踏んで行われますが,前回ではその1.の段階についてご紹介しました。そこで今回は2の治喪礼儀についてご紹介したいと思います。
治喪礼儀とは,出棺前,家で行われる最後の行程です。
(1) 銘旌と魂帛を立てる
銘旌とは,官位と姓名を記し棺の前に立てた旗。
魂帛とは,死者の生年月日時,死亡した年月日時を書いた白絹の旗。
① 銘旌は,出棺時には棺の前に立て,会葬の時には位牌の右に立てかけ,埋葬時には棺の上に掛けます。
※漢代の天子の銘旌には,日,月と昇竜が描かれていました。霊魂が昇天するという意味です。
※一般の士人の銘旌には,日月と,本籍と姓名,あるいは「某氏某の柩」と書かれていました。
※唐代では,意外なことに銘旌は紅くなり,幅が広くなり長さが9尺になりました。そこには「某官封の柩」と書かれ,西側の廂の下の階段の上に置かれました。
さらにその幅には厳格な規定があり,官位が四,五品では8尺,六品以下では6尺と定められていました。
宋代の規定も唐代と大差はありません。
① 魂帛
宋代以前は「重」という木の枠があり,位牌ができる前に,その代わりとして中庭の南側に建てられていました。そこには甕が掛けられ,中には死者を沐浴させた水で煮た粥を入れ,粗布で封がされていました。
つづく
出典:「喪葬史」
上海文芸出版社
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