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思い出の味はいつか偽物になる

タピオカティーが好きだ。

最近増えているタピオカティースタンド。台湾から上陸したものから、流行っているからとただメニューに載せてる感じの店(笑)から色々ある。

とりあえずチャレンジするが思ってたのと違う!と撃沈することもしばし。

タピオカティーのおいしさは、客の回転数がよくてタピオカが作りたてでプルプルであることとミルクティーの甘みのバランスが肝な気がする。

台湾に5回行ってるし、行くたびに美味しい美味しいと飲んでいる。だからいくつかの台湾からやってきたお店は好きだと思うのに、日本での私の中でベスト回答は、2019年現在のブームと関係なく、2003年オープンの日本生まれの老舗・パールレディがいちばん好み。

台湾のタピオカティーは、本場で飲むからのうまさがあるのかもしれない。

実は、一番好きなのは、ロサンゼルス(以下LAとのたまいます)のタピオカティーだ。ちなみにタピオカティーというよりは、アメリカだと”Baba Tea”という方が馴染み深い。(以下、Bobaとのたまいます)

2010年から11年の間の1年間、LAに住んでいた。帰国後、LAシックが激しかった私は、当時全盛だったLAに住むAsian AmericanたちのYoutubeに夢中になった。

そこで知ったのが、Factory Tea BarやHalf & Half Tea HouseというAsian American Cultureを代表するBobaの店。

恋い焦がれた私は、2016年、LA旅行に行ったとき、その比較的裕福な中国系アメリカ人が多く住む地域までUberで出向き、Half & HalfでBoba Tea(milk with pudding & honey boba)を食べてー食べてという方がふさわしいサイズであったー大満足して帰ってきた。

それが、人生ベストBOBAである。
*写真、不満そうな顔してるが、それはサイズに対してである。サイズアップキャンペーンで予想以上にデカくなったことを嘆いている。バケツか。

そんなわけでその思い出のベストアンサーを頭に、日本で最近よく目につくようになったタピオカティースタンドに「もしかしたら美味しいのかも」と今日もいそいそ並んでしまうのだ。で、しっくりこないのである。もちろん美味しいですよ、美味しいんだけど、思い出の味を超えてこない!

同じ現象は、ハンバーガーでも起きる。昨今、NYのShake Shack、LAのUmami BurgerやTHE COUNTERなど、アメリカで食べて美味しかったバーガーが日本上陸して増えている。同じお店なので、同じ味を期待するのだが、向こうで食べた味となんか違う。

体調とか気候の差とか、食材の調達が日本とか、色々環境の違いがあるのかもしれない。 

でも日本でも「あの時食べたあの味」を期待してしまう自分がいる。

そこが間違っているのだ。

思い出の味は、思い出の味だ。

その記憶は、今味わう味ときっと変わっている。

私、きっと街の雰囲気も一緒に食べている。

だから、思い出の味はいつか偽物になる。

「あの時食べたあの味」は諦めて、これからも、偽物をこよなく愛していこうと思う。

いつかまた、LAに戻る日まで。タピオカティーよ、さらば!