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2022年の「もう一つの椅子」

いろいろな人と、話をしていく中で、

もう一つの椅子は「社会化されない、居場所の創出」が、一貫したテーマだと定まった。


「社会化されない」の定義は、
経済的に価値がある・ないとか、
正しい・正しくない、
を外から与えられた一つの物差しで自分を測らず、
自分の”ありのまま”を真ん中に、自分の内なる世界を捉えること。


それを軸に研究や表現を模索していく。


一度気がついてしまった自分の本質の道を行き出したら、

それ以前の自分に戻れないのが少し寂しい。


人生の不可逆において「そうであったかもしれない自分」の可能性にしがみついても仕方ないのに、しがみつこうとしていた。

過去に取りこぼし、置き去りにして引っ掛かっていた環境や思想に今の自分を落とし込むことは出来ない。

答えはもう見つかってたけど、手持ちの糸をバラしてほぐして結び直したりして、足掻いて、違和感を味わい、確かめなおす日々を過ごしていた。

そのせいで、久方ぶりに考えすぎの虫が沸いて、心と体の収まりの悪さに困っていた。


先日、図書館でふと手に取った和歌をテーマにしたエッセイ本に「心が家出」という表現があった。


ああ、このところ私は心が家出していたんだ。


状況が分かれば怖くない。


待て待て、このところ、どころじゃない。

私は、いつだって家出している。

だって、

物心ついたときからずっと

「人が「社会化されない」は可能か?」を思考しているんだもの。


人生のテーマを言い当てた言葉に、気持ちがすっきりした。


心よ、大いに家出をしましょう。

新しい風よ、吹いておいで。


*手にとった本:チョン・スユン『言の葉の森ー日本の恋の歌』