谷根千散歩

エクアドルはインスタントコーヒーがインスタントじゃなかった

2019年4月28日、不忍ブックストリートの一箱古本市に遊びにいき、谷根千を仲間とプラプラ散策していた。

同じ週末の4月28日~29日、谷中キッテ通りは、水玉市というスタンプラリーを開催していた。

ある店の前で「ここ2つスタンプおせるから、今からでもやって来なよー」と気さくに声がかかり、立ち寄ったら、コーヒーの出店なのにコーヒーの準備ができていない。店主が「全然準備できてねーの」とコーヒーの袋と、雑多に積み上がったコーヒーを入れる用具と、湯沸しポットを指差す。

店外の椅子に陣取ったおじちゃんが、「10時から待ってんのにまだコーヒーが出てこないんだよ」とぼやくし(そもそもイベントは11時開始だからおじさん早すぎなんだけど)、なんだここ、面白すぎるぞ。

店主が電気ポッドをさして「お湯が沸いてる感じがしないから電気通ってないんじゃねーかなあ」とのんびり言う。

天気も良かったので「太陽光で温まるの待てばいいんじゃないですか?」と答えておいた。

「あ、じゃあこれあげる。これはタダ。エクアドルの飴!」と飴をもらう。一個だけとって食べてたら「エクアドルの人は、まとめてがばっと口に入れるの」という。

そこでふと「エクアドルの人って、普段は何を飲むんですか?」と聞いてみる。「ブラジルだったらマテ茶とか、あるじゃないですか?」

店主、普通にコーヒーも飲むし、紅茶も飲むし…としばらく考えた後、「やっぱりコーヒーかなあ。インスタントコーヒー」と言った後、インスタントコーヒーのエクアドル流の飲み方を教えてくれる。

カップにインスタントコーヒーの粉を入れた後、水一滴くらいをいれて、練るんだそうだ。「ココアみたいですね」「そうそう!で真っ白になるまで練るの」「えー、水飴だ。それやるとどうなるんですか?」「まろやかになって美味しくなるんだって。大の男が真っ赤な顔して力入れて10分くらいかけて練るからさ、インスタントコーヒーがぜんぜんインスタントじゃねえ!」

エクアドルはインスタントコーヒーがインスタントじゃなかった、を知る谷中の休日。

インスタントじゃないコーヒー、一回飲んでみようかな?力無いから、真っ赤な顔した大の男を発注しないと。