あの日のこと

親愛なるうさぴーへ

大学の周り、自分の普段の生活圏が受験生で埋まるのを見て、1年前を懐かしく思い出した時のことを書きます。不思議と、不思議でもないのかな、試験勉強とか試験の中身についての記憶は急速に薄れつつありますが、当日の諸々は結構鮮やかに覚えています。

これが噂のここの冬か、と思った気温が、今日はなんか寒いな、となったりとか。いつかこれが、今年はよく雪が降るな、なんかになるんでしょうか。試験帰りにテイクアウトをした、ちょっと憧れていたお店は雰囲気がすごくよかったけれど、結局あれから足を踏み入れていないし。最近はコスパとか家で作れないものとか、はたまた新しいお店開拓に魅力を感じたり、誰と来たいな、とか思ったり、お店の選び方も一人暮らしの大学生然としています。少なくとも近づきました。この人たちはみんな大学生なのか、と憧れながら歩いていた構内を、今自分は昨日と同じように自転車に乗っているんだ。記憶の世界がぱあっと広がるだけの奥行きをもった、お気に入りの場所も思い出の場所もそこここに。地図を片手に随分と長く感じた川への道も、すっかり通い慣れてしまって、夕飯のおかずに頭を悩ませながらだって着いてしまうし。でも、橋で思わず立ち止まってしまったその美しさはずっと新鮮でいてくれて、本当に嬉しいな。これがなくなったら、引越し時かもしれません。そんなの来てほしくないですけど。試験の日に、ああ、この街に住みたい、と強く思って、俄然やる気が湧いたのはよく覚えています。そして今のところ、この街に住みつく理由が順調に増えてばかりおります。

2023.03.14

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