子ども寄席(2018/6/16於信毎メディアガーデン)

今年のまつもと大歌舞伎は関連公演が大充実。なかでも寄席があるという。
今をときめく成金メンバーに独楽回し。
これ!大人も子どもも絶対楽しいヤツじゃない?!

神田松之丞「浪花侠客伝 違袖の音吉」
三増紋之助 曲独楽
桂宮治「お菊の皿」
子ども大喜利

開口一番は松之丞さんの講談。どうやって子ども向けにと思ってたいたら、少年がやくざの親分相手にケンカをする話、加えて話に沿ってスライドで絵が映し出される紙芝居方式、なるほど!語りも易しい言葉になっていてわかりやすく、笑いどころも多く、でも立ちまわりのスピード感はさすがの迫力でした。今日は皮肉も不敵な笑みも抑えめに、目を細めニコニコな松之丞さん、こんなのなかなか観られないかもしれません。子ども向けの会なんてそんなに多くないだろうに、しっかりと子ども用に練られている演目。プロってこういうことだよなぁ。

独楽回しは明るい覇気が元気になれる、もんちゃん(だって自分でそう呼んでなさったから)師匠。綱渡りや風車など古典的な技も、トトロのぬいぐるみ乗せて回したり、独楽を回しながら客席に下りてきたりとがっちり観客の心をつかんでくる!刃の切っ先や細い糸を渡って回る独楽を固唾をのんで見守り、技が終わると「すごかったね~!」と親子で言いあっての拍手喝采でした。

トリは落語の宮治さん。学校寄席などの場数で培った?落語の仕組みや小噺をぽんぽんとエネルギッシュに仕掛けてからのネタは、お菊の皿。季節外れではあるけれど、子どもってお化け好きだもんね。歌舞伎の関連企画なので、芝居噺をやる必要もあったのでしょう。くすぐりたっぷり、なかなか暑苦しいお菊さんでした(笑

正直最後の子ども大喜利は誰得なのか良くわからず。無くても良かったような気もするけど、司会の宮治さんのあしらいの上手さは楽しかったし、市や教育委員会が絡んでいるようだからそういうのやらないわけにもいかないのかしら。
余談になるけど、大喜利のネタで『成田山新勝寺』のような“山号寺号”を作ってくださいというお題がありまして、「バレンシア産オレンジ」とかそういううまいことを言って競うわけ。で、子ども寄席のあとでうちの3歳児が「おおかみさんおおかみさんいまなんじ?」と言っていて、天才か!!と思いました(おやばか)。ちなみに『オオカミさん今何時』は保育園でやっているバリエーション鬼ごっこの名称です。

子どもは、最後の落語になると少ーし集中が切れかけることもあったけど、またすぐ話に引き戻され、1.5時間の興行を最後まで完走。演者3人とも汗っかきということも手伝って(笑)、魂こめられた話や芸が伝わってくる迫力を味わえたみたい。午後の部の開場を通りがかった際には「もういっかいみたーい」と吸い込まれて行きそうになるのを止めました。

子どもの頭が柔らかいうちに、いろんな噺を聴かせたいなぁ。