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第1回 明太子一武道会

さて。復帰初回の記事は、「福岡名産の辛子明太子でどのメーカーが一番美味しいのだろう?」という素朴な疑問を私なりに分析、雑感をただただ紹介する企画。「博多の辛子明太子」といえば有名なれど、販売メーカーは大小問わず多く存在している為、今回は「明太子御三家(かねふく・ふくや・やまや)」を除いた「福岡空港・博多駅で販売されている」辛子明太子を中心に調べてみようと思います。

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試食比較したのは「五口福」、「椒房庵」、「稚加榮」、「鳴海屋」、「ひろしょう」の有名メーカーたち。今回の食べ比べでは、「粒子感」、「清酒の香り」、「旨味」、「辛味」に重視、それぞれに合った食シーンをイメージしながらコメントしてきます。

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まずは五口福。こちらは御三家のひとつ「ふくや」と、老舗百貨店「岩田屋」(親会社の三越含む)がコラボしたオリジナルブランドで、ふくやは「柚子ベース」の調味方法なのに対して、こちらは「飛魚・鰹節・鯖節・昆布・椎茸」など旨味の強い5つのダシをベースにした調味液を使用しているのが大きな特長。ダシにこだわっているだけあり、素材本来の旨味が凝縮された比較的甘めの味付けで、白米と一緒に食べると美味しい明太子でした。ただ、海外たらこの原料を使用していることもあり、明太子の美味しさのひとつであるプチプチとした食感が弱めだったことが残念。私がこの商品を贈るとしたら、「母方の祖父母」へ「福岡での生活」を報告しながら渡すのが、とてもらしいんじゃないかなと思います。

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次は椒房庵(しょぼうあん)。こちらは高級だしつゆで有名な「久原本家」の明太子ブランドで、調味料メーカーの強みである「旨味」と、「国産たらこ」にこだわった商品づくりが特長です。五口福と同様に、甘めな味付けと程よいプチプチ感が癖になる白米にピッタリな明太子で、個人的にはこちらのほうが好みでした。こちらは五口福よりも対象年齢を下げて、「同僚の女の子」に送りたい辛子明太子だなと思いました。

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続いては稚加榮(ちかえ)。天神駅から徒歩圏内にある老舗料亭が仕込んだ明太子ブランドで、国産明太子に料亭で培った味付けで仕上げるのが大きな特長です。比較ポイントである4項目どれも平均以上で、どのような方々にも安心して贈答できる万能タイプの辛子明太子でした。

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そして鳴海屋。芸能リポーターでおなじみ井上公造氏がかつて働いていたとされる明太子ブランド。ここは清酒の香りが最も強くて、ツンとした味付けが特長でした。私自身が清酒を飲めないこともあり比較できませんが、「日本酒を好んで飲まれる友人の肴」として贈り物されるにはオススメです。

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最後にひろしょう。こちらは国産明太子と辛口が特長とされる明太子ブランドで、とにかく辛くてプチプチとした食感だったのが印象的でした。白米と一緒に食べるよりは焼酎やビールなどの肴に合う辛子明太子なので、「晩酌で軽く一杯飲まれる年長者の肴」として贈り物されるにはオススメです。

食べ比べの翌日。まだ冷蔵庫に明太子が残っていて、どういう風に食べ切るか悩んでいたのですが、そういう状況でも私が最初に取り出したのは「稚加榮」の辛子明太子でした。おそらくバランス良く高レベルに仕上げていたので、無意識に口飽きしない味付けや食感を選んだのでしょう。つまり、第1回明太子一武道会は「稚加榮」に決まりました。(異論は認めます)

という下書きを書いているうちに、私の手元には「はせがわの明太子がいない武道会なんて真の王者ではない」、「御三家を忘れては困る」など、幾つか声が聞こえてきましたので、遠くない日に第2回明太子一武道会を開催できればと考えております。おしまいっ。

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