埼玉県は女子トイレなくすな、LGBT法は廃案。なぜトイレが男女別になったか改めて確認とGIDの立場からLGBとTは分けろと強く言いたい話。

埼玉県は女子トイレなくすな、LGBT法は廃案。なぜトイレが男女別になったか改めて確認とGIDの立場からLGBとTは分けろと強く言いたい話。



なぜ私はトランスジェンダリズムとトランス運動に疑問を持ったか
・まず私がトランスジェンダリズムないし TG 派に疑問を持った理由を簡単に説明する。私も、(おそらく)すべての左派と同じく、最初は「トランス女性は女性」(あるいはそのように社会的に扱うべき)と思っていた。マイノリティへの共感は左翼的心情の根幹にあるメンタリティであるから、左翼がトランスジェンダリズムに持っていかれるのは、ある意味で避けがたいことだった。しかし、私はいくつかのことをきっかけに、トランスジェンダリズムに根本的な疑問を持った。
・まず、主として海外の情報から、TG 派の男たちが GC 派の女性たち、とりわけラディカ
ル・フェミニスト(TG 派は「TERF(Trans Exclusionary Radical Feminist)」という蔑称で呼ぶ)に対してひどい攻撃や脅迫(その中には、レイプや殺害をほのめかすものも多い)と(文字通りの)暴力を振るっていることを知ったこと。意見の相違があっても、暴力に訴
えるのは一般に許しがたいことだが、それ以上に、女性に対してレイプや殺害をほのめかす
ような運動が左派の運動や人権運動であったりするはずがない。それは絶対にありえないはずだ。ところが、そういうことが実際にされているというだけでなく、どうやらほとんどの左翼がこのような暴力的攻撃に無関心で、あるいはむしろ積極的に加担していることを知ったこと。
・2つ目に、私は 1990 年代からずっと反売買春、反ポルノの運動をやってきたが、熱心な
TG 派ほど、売買春肯定、ポルノ肯定であることを知ったこと(これは実はけっして偶然ではなく、両者の間には深い内的つながりがあるが、これは「2歩目」の話)。
・3つ目に、後でも述べるように、トランスジェンダーとは性同一性障害(GID)の人のこ
1 この問題に関しては、すでに短い一文を書いているので、それを参照してほしい。斲田成也「トランス ジェンダリズムは究極のミソジニー――日本左翼への訴え」、Female Liberation Jp、2021 年 12 月 17
日。また、4団体主催のウェビナーでは、トランスジェンダリズムの政治的本質を女性に対する植民地主
義として規定しておいた。以下の私の発言部分を参照。https://note.com/sws_jp/n/n81618d8f4650。
2
とだと思っていたが、実際には後者はトランスジェンダーというアンブレラタームの中の
一部、しかもごく少数の一部にすぎないことを知ったこと。
・最後の一押しとなったのは、2020 年 6 月に J.K.ローリングさんが、トランス当事者に対して非常に配慮しつつも女性の sex-based rights(身体性別にもとづく権利)の重要性を訴えた声明文に対して、全世界のトランス活動家と左派、リベラル系メディアが、信じがたいほど暴力的で誹謗中傷的な攻撃をしているのを目の当たりにしたこと。
・世界中の左翼全体をむしばんでいるこの問題は、かつてスターリニズムが、そしてその後
は新左翼の極左暴力主義が、社会主義・共産主義の運動をむしばみ、最終的に破壊してしま ったのと同じ現象であり、それを放置すれば、左翼の運動、人権運動全体が崩壊することになり、自分の人生をかけて取り組まなければならない課題であることを悟った。
・ちなみに、これら過激なトランス活動家たちのこの暴力性こそが多くの人をトランスジェ
ンダリズム批判に向かわせているのだが、批判が広がっているのを見て、LGBT 活動家や
ジェンダー学者やリベラル派の新聞記者や政治家たちは、トランス差別がますます広がっ
ていると憂えて見せる。まさに典型的なマッチポンプである。これらの人たちがなすべきは、トランス活動家の暴力性やカルト性を徹底的に批判して、それと一線を画することだが、実際には両者はなれ合っており、持ちつ持たれつの関係になっているのである。
この1ヶ月間で起こったこと
・さて、私のコロナ陽性で流れた当初の学習会予定日(10 月末)からの1ヶ月間だけでも、 すでにさまざまなことが起きている。
① 欧米でますます暴力化しカルト化するトランス運動
・ニューヨークでの「女性に発言させろ(Let Women Speak)」ラリーをトランス活動
家たちが集団で暴力的に妨害し、中止に追いやった。彼らはこういうことを世界各地で女性に対して行なっている。
・2016 年に、レズビアン向けのイベントを行なっていた黒人レズビアンカップルとそ
の養子の息子を残忍に殺害した白人男性の「トランス女性」(このレズビアンのイベントをトランス差別だと攻撃していた活動家)に有罪の評決が下る。しかし、民主党の牙城であるカリフォルニア州の法律によれば、この男性は本人が望めば女性刑務所に収監される可能性がある。
② その暴力的スタイルがすでに日本にも浸透している(11 月 12 日の東京トランスマーチ
事件)
・「維新の会」を除くすべての野党が賛同と連帯のあいさつを送ったこの東京トランス
マーチを組織した中心団体の一つであるフリーター全般労組の公式 Twitter アカウントが「ターフや反売買春フェミを踏みしだく」と公言し、批判されても、何の問題もない
3
と開き直る。
・一参加者によって「Fuck the TERF」というプラカが掲げられ、それを主催者が「全く問題ありません」と公式に声明2……「TERF」というのは、過激なトランス思想に与しないすべての女性に貼られたレッテルであり3、それは基本的に暴力と虐殺の対象を特定するために TG 派によって用いられている侮蔑用語である。
・その後も、TG 派はあいついでこれらの表現を擁護する議論を展開しており(多少と
も諫める意見を言ったのは、三橋順子氏だけ)、これが偶発的な出来事ではなく、トランス活動家とそのアライたちに深く内面化され共有された暴力性であることがわかる。
③ 他にも、スポーツ部門で……高校のクロスカントリー部で、ワシントン州シアトルの男
子リーグで 72 位だった男子高校生が、「トランス女性」として女子リーグに参加し、5000 メートルで女子高校記録を塗り替えて1位になった。
④ しかし、こうした動きに対する反発や修正の動きも
・スコットランドでは現在セルフ ID 制の導入法案(トランスは病気ではないという理由から、性別変更に手術どころか医師の診断さえ必要なく、純粋に行政手続きだけでできるようにすること、性別変更の可能年齢を 18 歳以上から 16 歳以上に引き下げることなど)が成立確実な情勢になっているが、「女性と少女に対する暴力に関する国連特別報告者」であるリーム・アルサレムが同法案に対する強い懸念(とくに女性と女児に対する性被害の機会が騔す)を示す長文の手紙をイギリス政府に出した4(これまで国連はセルフ ID 制を推進してきたし、女性の性被害を懸念するのは右派の陰謀だと TG 派は主張してきた)。
・これまで完全な TG 派であったアメリカのリベラル新聞『ニューヨーク・タイムズ』
やイギリスの左派系新聞『ガーディアン』などがあいついで、子どもの拙速な性別移行
2 この東京トランスマーチ問題に関して、2つの女性団体がそれぞれ抗議書、公開質問状を各政党に出したが、回答をしたのは国民民主党と新社会党の2党だけだった。他の党は市民団体の質問に回答することさえしない反市民的立場であることを自ら暴露した。
3 最近では、自分たちに批判的な人間をそもそもフェミニストと認めない立場から、「トランスヘイタ
ー」と呼ぶ TG 派も多い。彼らは自分たちと意見の異なる者、批判的な者を片っ端から「ヘイター」と呼 んでいる。「TERF」にしろ、「ヘイター」にしろ、かつての「アカ」や「非国民」や「トロ」と同じ
で、自分たちのイデオロギーに与しない異論者を非人間化し暴力的に排除するためのレッテルである。か
つてそういう言葉で排除され弾圧され殺されさえした左派組織(共産党やトロツキスト)が今では嬉々として「TERF」や「トランスヘイター」という言葉を使っているのを見るのは実に痛々しい。彼らは被害
者の立場から加害者の立場に回ることで、自分たちの安全を保とうとしている。
4 同声明は「トランス女性は女性である」という建前を肯定した上で、それでもなおスコットランド政府の性別承認法の全面改正が、トランス女性を含む女性と女児の安全を脅かす可能性があることを指摘して
いる。
4
措置に対する強い懸念を示す記事を掲載……これまではトランスジェンダリズムを批判するのはすべて保守派や右派のメディアだけだと TG 派は自信満々に主張していたが、それがしだいに崩れてきている5。
Ⅱ.7つの初歩的だが重要な区別
この問題について語るとき、前提として理解しておくべきことがある。トランス活動家は、自分たちの異常な主張や運動を、他のより大きな、そしてより正統性を持った運動や概念のうちに紛れ込ませるという戦術を一貫してとっており、それが非常に大きな成功を収めているので、いくつかの初歩的だが重要な区別をしておく必要がある。
① 「LGB」と「T」は異なる
・昨今、性的指向と性自認とがいっしょくたにされ、「LGBT」と呼ばれるようになっ ているが(もともとは「LGB」と呼ばれていた)6、LGB は性的指向に基づくのに対して、「T」はジェンダー・アイデンティティ(日本ではやや不正確に「性自認」という訳語が定着しているが、もともとは「性同一性障害」という表現に見られるように、「性同一性」と訳されていた)にもとづく。同性愛者や両性愛者の権利保護は、他のマイノリティ・グループの権利と衝突することはないが、「T」は異なる。なぜならそれは、社会的ないし自然的な属性やそれにもとづくヒエラルキーを「トランス」することで成り立つものであり、トランス先の別のマイノリティ・グループ(ここでは主として女性)との権利や利益と衝突する可能性を常にはらんでいるからだ。
・しかしながら、そのような衝突、利益対立、権利対立の可能性を示唆するだけで「ト
ランス差別」というレッテルを貼られ糾弾されるので7、問題の解決は著しく困難になっており、トランス先のマイノリティ・グループである女性の一方的な譲歩と受容とが求められている。この権利衝突の可能性を否定しているかぎり、問題解決の入り口にさえ立つことはできない。
5 さらにその後、『ニューヨーク・タイムズ』はいっそう踏み込んだ記事を掲載し(2023 年 2 月 16
日)、J.K.ローリングを全面的に擁護するに至っている。かつて同紙がいかに J.K.ローリング攻撃に加担
してきたかを考えれば、この変化はまさに画期的である。
6 さらに今では「LGBTQ」とか「LGBTQI」などとどんどんアルファベットが騔えている。とくに
「Q」は問題だ。TG 派は当初、「Q」は「クエスチョニング」のことだと言ってごまかしていたが、今
では開き直って「クィア」のことだと言っている。しかし、「クィア」は性的なあらゆる規範を侵犯する
ことを是とするイデオロギーないし運動であり、その中には小児性愛も含まれている。国内外のハードな
TG 派の多くがしばしばネット上で小児性愛者を性的マイノリティとして擁護する発言をしていることか
らして、この運動の最終目的の一つが小児性愛の正当化であるとみなすことができるだろう。
7 武蔵大教授の千田有紀さんがまさにそういう目に遭った。以下の私の論稿を参照。斲田成也「学問の自
由の危機――日本版キャンセルカルチャーを許してはならない」、Female Liberation Jp、2022 年 2 月 9
日。
5
② トランスジェンダリズムとトランス当事者とは異なる
・「トランスジェンダリズム」とは、「ジェンダー・アイデンティティ/性自認」ないし
「性表現/女性(男性)として生きていること」などを性別決定の最も重要な要素と考えるイデオロギー、思想、教義のこと。
・トランスジェンダリズムにはソフトバージョンとハードバージョンがある……ソフト
バージョン(政党や自治体や国際機関などの公的機関や、穏健なトランス活動家、この問題に巻き込まれ始めた人々の大多数がおおむねこの立場)においては、「身体の性別」ないし「生物学的性別」の存在を認めつつ、それとは異なる「心の性別」ないし何らかの生得的な「性自認」が存在するものとみなし、後者を前者より優先させようとする(この考えからすると、性同一性障害(GID)特例法の性別変更要件として生殖器官の除去や性器の外観を反対の性別に近づけるという「手術要件」は撤廃の対象となる。すべての野党がこれを要求している)。
・トランスジェンダリズムのハードバージョン(ジェンダー学者、クィア理論家、ハード
なトランス活動家、などがこの立場)……「身体の性別」ないし生物学的性別の存在をそもそも認めず(したがって、後述するように、「心の性別」というフィクションも必要としない)、「性自認」ないし「性表現」、あるいは「女性として生きていること」のような曖昧模糊としたものが唯一絶対の性別決定要因であるとみなす。だから彼らは、「出生時に割り当てられた性別」という言い方を好む。まるで、医者が恣意的に赤ん坊の性別を決めているかのようだ。この言い方には、人間には生まれながら決まっている性別など存在しないという考えが表わされている。この言い方をすることで、事実上、客観的な意味での生物学的性別など存在しないというカルト思想に与することになるのだが、それを
使っている人は必ずしもそこまで意識していない。しかし、この言葉を使い続けることで、
しだいにハードバージョンのトランスジェンダリズムへと引きずり込まれていくのである。カルト宗教は自分たち独特の用語を人々に使用させることで、言葉から相手の思考を支配しようとするが、それと同じである。カルトが日常的に用いる特殊用語はすべて一定の教義に基づいており、安直に公党やメディア、公的機関などが用いるべきではない。それは教義の普及そのものに協力することを意味する。共産党や一部の公的機関やメディアも最近「出生時に割り当てられた性別」というカルト用語をすでに使いはじめており、危険水域にある8。同じく、ハード版のトランスジェンダリズムによれば、生物学的な男性器や女性器というものは存在せず、自認が女性ならばペニスは女性器(女根)となる。
8 最近、「NHK ハートネット」は 1 月9日の放送「LGBTQ+ をイチから学ぶ! フクチッチ」におい
て、「4つの性」の一番目として、「生まれたときに割り当てられた性別をもとに戸籍などに記載された
性別」というように説明している。公共放送がこのようなカルト用語を平然と用いているのは大きな問題
である。NHK が普通に「ポアする」とか、「アダム国家」「エバ国家」などと使っていたら異様なのと
同じである。
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・TG 派は、まずは、ソフトバージョンを通じて世間やメディアや公的機関をトランスジ
ェンダリズムに引き込み、しだいにハードバージョンへと誘導する。あらゆるカルト思想と同じで、誰もがいきなりハードなカルト思想を受け入れたりはしない。ソフトバージョンから入り、そこに十分に慣れ親しませた上で、しだいにハードバージョンへと誘導するのである。
・カルト思想のもう一つの特徴は、自分たちへの異論をいっさい認めず、異論を「悪魔」
の誘惑として信者からシャットアウトしようとすることだが、トランス活動家も、トランスジェンダリズムへの異論を「差別者」の誘惑として、読むな、見るな、議論するなと主張する(「No Debate」)。
・以上がトランスジェンダリズムとそれを信奉する活動家たちの特徴である。それに対し
て、トランスジェンダー当事者とは、自分が現実の性別とは反対の性別であると考えて(あるいはそう自称して)、そう生きようとしている人々で、後述するいわゆる性同一性障害(GID)も含むが、それよりもずっと広い概念である。
・われわれが主として批判するのはトランスジェンダリズムであり、それにもとづいたト
ランス運動である。トランス当事者に対しては、TG 派としてトランスジェンダリズムを推進しているかぎりで批判する。
・トランス当事者(とくに以下に見る GID 当事者)の中にもトランスジェンダリズム(と
りわけそのハードバージョン)に批判的な人はいくらでもいる。「性別不合当事者の会」、「GID の人権と女性の安全を守る会」、など。これらの当事者団体は TG 派によって猛烈に攻撃され、「トランスヘイター」とさえ呼ばれている。非当事者がトランス当事者を「トランスヘイター」と呼ぶ異常さがおわかりだろうか。したがって、TG 派はトランス当事者のために運動しているのではなく、トランスジェンダリズムというイデオロギーのために運動しているイデオロギー集団とみなすべきである。
③ トランスジェンダーと性同一性障害(GID)とは異なる
・この問題に詳しくない多くの人々が漠然と抱く「トランス女性」のイメージは、「心 が女性」(後述)で、見た目も華奢で、限りなく女性に近く、幼いころから男性の身体や振る舞いに強い違和感を持ち、仕草や話し方も女の子っぽく、女の子ないし女性が好むような遊びや格好が好きで、男の子を好きになるというものだろう。これは、メディアや運動側がそういうイメージを前面に押し出してきたからだが9、実際には、これらの
9 たとえば、最初に性転換手術を受けたと言われているデンマーク人男性を主人公にした 2015 年の映画『リリーのすべて』(原題は「デンマークの少女」)では、主厅は、男性としては華奢な体で、できるだけ控えめに振る舞い、ささやくように話し、男の人を好きになろうと努力する存在として描かれている。ちなみに、リリー・エルヴェに性転換手術を施したドイツの医者は後にナチスに協力して、強制収容所でさまざまな残酷な人体実験を施したことでも有名。戦後、訴追を免れてアメリカに逃れ、この技術が後に
米国での性転換手術に用いられるようになった。
7
イメージは現実の多様な「トランス女性」と大きくかけ離れている。
・1世紀ほど前から、小さい頃から「自分は本当は女なのに、男という間違った体に生 まれた」と強く思い込み、その思い込みを成人になっても維持し、自己の身体をできるだけ異性に近づけようとする人はごく例外的にいた(長いあいだ人口の 0.01%程度と推定されていた)。これは後に、「性同一性障害(GID: Gender Identity Disorder)」という公式の病名が与えられた。そういう人に外科手術を施して、女性的な外観を作る試みは戦前から存在したが、医療技術が低く、安全性に問題があったために、ごくごく一部の例外として行なわれていた。
・しかし、戦後、医療技術が急速に発達し、異性ホルモンの摂取やいわゆる思春期ブロ
ッカーと呼ばれる第二次性徴抑制剤(もともとは、通常より早く思春期を迎えた子供に対する治療薬、あるいは前立腺がんの治療薬として開発されたものであり、性別違和に用いるのは適応外)などが利用できるようになり、飛躍的に医療的手段を求める人が騔えた。これは医療業界や製薬業界にとっても「金のなる木」だったので、精力的に推進された。
・その一方で、女性を自認しつつペニスは保持したい人々や、単に女装を愛好する人々
が、GID 中心の運動や法制化に反発して、自分たちは病気扱いされたくないとして、それまでの「トランスセクシュアル」という言葉に代えて「トランスジェンダー」という言葉をつくり出し、やがてこれが GID の人々の運動をも飲み込んで、唯一のアンブレラタームとしてグローバルスタンダードになってしまった。トランスジェンダーの運動がトランスセクシュアルの運動を併呑したのである。
・おかげで、かつては「女装家」と称していた人々も今では「トランスジェンダー」と
称して、トランス活動家となっている。これらの人々にとっては「性自認」よりも「女性としての自己表現」や「女性として生きていること(1日 24 時間、1年 365 日、女装して生活していること)」が女性であるかどうかの決定的な基準となる。
・このように単なる「性自認」や「女性として生きていること」などにもとづくトラン
スジェンダーは、手術やホルモン治療は言うまでもなく、医師の診断も必要なく、純粋に「自称」だけで成り立つ。英語圏では、「I am who I say I am」あるいは「They are who they say they are」が主要なスローガンになっており(国連や国際人権団体も推進)、これは要するに、「私(ないし彼ら)は自称通りの存在である」ということだ(つまり、「私が自分は女だと言えば女だ」ということ)。このようなものを、法律上の性別変更や女性スペースへの参入資格にしていいのか?
・その一方で、トランス活動家たちは世間の同情を引きやすい「間違った体に生まれた
可哀想な GID」(この問題については後述)というイメージを利用しつづけており、メディアの側もこれらの人々を頻繁に取り上げ、世論を誤誘導している。
・最近では、「性同一性障害」という言い方自体が忌避されるようになり(ソフトバー
ジョンからハードバージョンへの進展の中で)、WHO の精神疾患の分類からも外され
8
て、「性別不合」のような言い方に変えられている。
・その流れの中で、「病理モデル」(「性同一性障害」という名称にあるように、障害
の一つと見る見方)から「人権モデル」(「性自認」はそれ自体として社会的に承認されるべき人権であり、外科手術も医師の診断も必要ないという主張)へという言い方がよくされており、言葉だけを聞くと進歩的でリベラルに聞こえるが(共産党も完全にこれを採用)、実際には根本的に間違っている。まず、GID 当事者は自分たちが「精神障害」ではないにせよ、「障害」であることを社会的に認められたがっており(そうでないと公的医療保険が使えない)、「人権モデル」はトランス当事者全体の総意ではない(GID 当事者の多くがトランスジェンダリズムに反発する理由でもある)。しかし、TG 派は GID のイメージを利用しながら、「病理モデル」に依拠する GID 当事者や当事者団体に対して「くたばれ GID」とか「くたばれ GID 学会」と言って罵倒しており、両者のあいだには対立や反発がある。
・GID の人々の場合、自分のことを身体性別とは別の性別であると本気で思い込むの
は、複雑な理由がある複雑な現象なのであり(後述)、それに対しては、ちゃんとしたエビデンスにもとづいた医療的・臨床的、ないし社会的・心理学的なアプローチが必要である。それを全面否定する「人権モデル」は、GID 当事者の利益にもならない。当事者を差別しているのは、安直に「人権モデル」を口にする TG 派である。
④ 「性別適合手術(SRS)」を受ける人と性同一性障害(GID)当事者とは同じではない
・一般に、「性別適合手術」(かつては「性転換手術」と呼ばれた)10を受ける人はみな GID 当事者だと思われているが、そうではない。「性別適合手術」を受ける人の一 部は実は「オートガイネフィリア(自己女性化性愛)」であり、また、GID ではない「トランス女性」(男性トランスジェンダー)の多くもそうだ。オートガイネフィリアとは、自分が女性だと思い込むこと、あるいは、女性たちから「女性」のように扱われること、「女性的」な服装や化粧や振る舞いを(しばしば大げさに)すること、さらには身体を改造してまで「女性」に近づけることで、性的興奮や満足感を得る症状のことである。
・先に少し触れた人類史上初めて性転換手術(当時はそう呼ばれた)を受けたデンマー
クの男性も、自分が女性だと思い込むようになった原因は、遅刻した女性モデルの代わりに自分がモデルになってストッキングや女性服を着た時に感じた強い興奮が原因だ
10 「性別適合手術」という言い方もトランス・イデオロギーにもとづくものである。これは、性自認に
よる「性別」こそが真の性別であるという考えに基づいており、その「真の性別」に適合するように身体や外性器を手術するということを意味しているからである(彼らは「元の身体に戻る」というカルト的ニ ュアンスを持った言い方さえする。よくカルト宗教で、入信者に「おかえりなさい」と言ったり、「真の親(教祖)の元に戻った」などと言うのと非常によく似ている)。正しくは「性自認適合手術」と呼ぶべきだろう。なぜならそれは、自分が自認する性別に似せた身体を外科的に形成する手術にすぎないから
だ。
9
った。その他、実際に「女性」にトランスした男性たち(いわゆる MtF)の手記などがたくさん出版されているが、それらを見ても、子どもの頃に女性の服を着ることやマニキュアをすること、口紅を塗ることなどで興奮したことが語られている。
・彼らにとって女性とは、長い髪、赤い唇、豊かな乳房、細くてすべすべの足、スカー
ト、ひらひらの服、ストッキング、ブラジャー、パンティ、ハイヒール、マニキュアの塗られた爪、等々であり、女性という存在をこれらのフェティッシュに還元した上で(フ ェティシズム)、それを自己の身体に再現することで興奮と満足感を得る。彼らは自撮りが大好きで、SNS にやたら写真をアップする。
・このように女性化した男性を題材にしたポルノも大量に存在し(「シシーポルノ」と
言う)、これらのポルノを見て「女性化」に目覚めた男性も非常に多い(これはトランス活動家も認めている)。
・オートガイネフィリアがいっそう昂進すると、実際に外科手術まで受けて(リリーの
ように)、女性の身体にできるだけ近づこうとする。たかだか性癖でそこまでする人はいないだろうと思うのは、甘い考えである。彼らの性愛対象は女性(というか女性の身体)でもあるので、身体を改造することで現実の女性に接近しやすくなるし11、また自分の女性化した身体を鏡に映していつでも「女性身体」を堪能することができ、さらにいつでも自由に触ることさえできる。また、女性用の風呂や女性トイレなどの女性専用スペースに入ることで、強い興奮と満足感を得ることができる(Twitter などで多くの事例を見ることができる)。
・こういう人々を GID 当事者と同じ「トランス女性」というカテゴリーに入れて、同
じように「性的マイノリティ」として扱っていいのかという問題がある。
⑤ 同性愛者とトランスジェンダーとは異なる。むしろ、いわゆる「トランス女性」の多く
は女性を性的対象にしている
・いまだに、「トランス女性」の大多数は男性を性愛の対象としているので、女性スペ ースに入っても問題を起こさないと信じている人が大勢いる。しかし、実際にはそうではない。
・多くの「トランス女性」(男性トランスジェンダー)、とりわけ先に見たオートガイ
ネフィリアは、女性を性愛の対象としており、身体性別に即せば、多くは単なる異性愛者の男性である。かつては、男性同性愛者の中で女性的なタイプのゲイ(フェム)の中
11 たとえば、著名な You Tuber でオペ済みで戸籍変更者でもある「トランス女性」は、ツイッター上で「女の子大好き、おっぱい大好き性欲の塊で性格めちゃくちゃ男で考え方も発言も男でも、性転換して豊胸してて、服装・髪型・声・メイク頑張って女性の体型と見た目になってれば女性として認められるので大丈夫です」と述べており、自ら女風呂に入ってそこで見た光景を興奮気味に動画投稿している。「『ハミ出てるわけです、天国が』女湯レポが物議の“元男性”YouTuber に弁護士『法律上問題になる場合
も』」『週刊女性 Prime』2022 年 12 月 13 日。
10
に、「自分は本当は女性だったのに間違って男性の身体で生まれた」と考える人々が少なからずいた(逆に、女性の同性愛者で「男性的タイプ」が「男性」になろうとする場合もある)。これは、男性なら女性を愛するのが自然であるという支配的観念の産物であると同時に、男性同性愛(ゲイ)に対する強力な差別意識(ホモフォビア)の産物でもあった。
・しかし、アンブレラターム化した「トランスジェンダー」の枠内にある「トランス女
性」(男性トランスジェンダー)の多くは女性を性的対象とする異性愛者であり、さらにそのかなりの部分はペニスを維持し、それを性交で機能させることができる。しかし、自分を「女性」だと主張しているので、「レズビアン」(あるいはトランスレズビアン)を名乗っているが、実際には異性愛の男性にすぎない。
・もともと、一般女性のあいだでのレズビアンの割合はきわめて低い。国や調査時期に
もよるが、日本の調査では 1%程度と見られ、バイセクシュアルを入れても 3%弱である12。にもかかわらず、「トランス女性」に占める「トランスレズビアン」(つまり女性を性愛の対象とする人)の割合は異常に高い。MtF 当事者自身の証言では、「大半」とか「6割」だという。2015 年のアメリカの調査でも、女性人口のうちレズビアンとバイセクシュアルが合計で 3.4%であるのに対し、「トランス女性」の場合、その数値は47%に跳ね上がる。つまり通常の十数倍から数十倍もの割合で、女性を性愛対象とする「トランス女性」がいることになる。彼らが本当に生得的な「女性の心」を持っているのなら、この面に関して女性一般と同様の(あるいはそれにきわめて近い)統計的結果が出るはずだが、なぜこれほどまでに大きな乖離があるのかを考えなければならない。
⑥ 「トランス女性」と「トランス男性」とは異なる
・上のオートガイネフィリアに見られるように、現在、多くの問題を引き起こしている のは実は「トランス女性」である。「トランス女性」(男性トランスジェンダー)と「トランス男性」(女性トランスジェンダー)とがまとめられて「トランスジェンダー」というカテゴリーに入れられているが、生物学的に男性である人と生物学的に女性である人とでは多くの点で大きな違いがあり、いっしょくたにすることはできない。
・かつてトランスしたがる性別は圧倒的に男性であったが(MtF)、トランスジェンダ
ーが社会的にブームになった 2010 年代以降、トランスしようとする性別の多くは女性になった(FtM)。イギリスでは 10 年間で 4400%も騔大したと言われており、全体の70%以上を占めるに至っている。アメリカでもこの数年間に急騔している。最近行なわれたカリフォルニア大学の調査だと、ティーンエイジャー(12~18 歳)の少女が乳房の
12 2015 年に電通ダイバーシティ・ラボが、全国の 20~59 歳の历 7 万人を対象に行なったアンケートで
はレズビアンの割合は人口全体の 0.5%で、女性の人口比で言うと倍の 1%になる。この調査ではバイセ
クシュアルの割合が 1.7%だから、合計しても 2.7%である。
11
切除手術を受ける割合は、2013 年から 2020 年までに 13 倍も騔大している。
・これらの「トランス男性」(女性トランスジェンダー)は自分の乳房を切除してギザ
ギザの縫合跡のある写真を自慢げに SNS にアップしている。そして人口ペニスを作るために、腕や太ももの皮膚と肉の一部をはがしている。それは一生残る傷となる。
・しかし、これら「トランス男性」の多くは、生物学的に女性であるがゆえに受けてき
たさまざまな被害(性被害を含む)や抑圧や偏見から逃れようとした人々であったり、同性(女性)を愛するレズビアンであったり、思春期における身体の大きな変化に戸惑いを覚える少女だったり、発達障害やうつや自閉症や ADHD などの他の精神疾患の持ち主だったり、学校でのいじめや機能不全家庭が原因で自己嫌悪に陥った人だったりする。つまり、その多くは性差別社会の被害者であったり、あるいは別の理由で精神的に不安定な状態にあった人たちである13。しかし、これらの人々は、SNS でのブームや、トランスジェンダリズムの影響を受けた医者やセラピストや活動家、さらには親自身によって安易に「性別移行(トランジション)」へと誘導され、不可逆的なホルモン治療や外科手術を施されている。これらの少女、女性たちこそまさに、このトランス運動の最大の被害者でもあるが(そしてしばしばその親たちも14)、TG 派はまったく意に介さない。「トランス差別」をしているのはまさにこのようなトランス活動家ではないのか?15
・それに対して、「トランス女性」の多く(もちろんすべてではない)は、この社会で
男性として生きてきたがゆえに深く内面化した男性的な嗜好や性的フェティシズムを騔長させた人々でもあり、その典型が先に見たオートガイネフィリアである。
・ただし男性の中にも、子どものころに同性から性的被害を受けたり、ゲイであること
で差別されたりして、自分を女性にアイデンティファイするようになった人もおり、その場合は性差別・同性愛差別の被害者でもあるが、トランス運動のヘゲモニーを握っているのは、オートガイネフィリア系の「トランス女性」(男性トランスジェンダー)とそのアライである。
13 精神的に不安定な少女や若年女性たちの場合、リストカットなどの自傷行為の延長上に乳房切除をし
ている場合がしばしば見られる。手術で儲ける医者たちやトランス活動家たちは若年者のこうした脆弱さに付け込んでいるのである。
14 親自身が TG 派やリベラル派の場合、自分の子供を積極的にトランスさせようとするが、そうでない
かぎり、ほとんどの親は当然にもそれに反対する。それゆえ、TG 派の教師や医者は親に知らせずに、あ
るいは訴えると脅して未成年を性別移行させようとする。以下は、親に黙って娘が乳房を切り落としてしまったつらい経験を語る母親の手記。「母の手記:娘の乳房が切り落とされるとき」。
15 セックスワーク派は売買春廃絶論者(アボリショニスト)を「セックスワーカーを差別している」と
言うが、実際には、セックスワーク派は「セックスワーカー」を性的搾取と性暴力のもとに置きつづけているのだから、「セックスワーカー差別」をしているのはセックスワーク派の方なのである。それと同じで、TG 派は、不安定な若年者(とくに少女)を不可逆的で危険なホルモン摂取や外科手術に安直に誘導
しているのだから、トランス差別をしているのは、まさに TG 派なのである。
12
⑦ セックスとジェンダーとを明確に区別する必要がある
・以上のさまざまな混同や誤解のもとになっているのは、生物学的な性別を意味する「セ
ックス」と、「男らしさ」や「女らしさ」といった社会的・文化的な規範を意味する「ジ ェンダー」との(意識的ないし無意識的な)混同である。「ジェンダー」にはさまざまな意味があり、単に「セックス」の言い換えの場合もあるが、主たる用法は、この社会的・文化的な性差のことである16。
・生物学的性別としてのセックスは根本的にバイナリー(二元的)であり、人間を含む
一定の高等生物にあっては、それはメス(大きい配偶子=卵子を生産する性別)とオス(小さい配偶子=精子を生産する性別)とに2分され、この特徴は受精卵のかなり初期の段階で決定され、生涯変わらない。男女の身体的区別は「個性」の範疇を根本的に超えており、DNA レベルで大きな違いがある(いわゆる DSD については後述)。いったん男ないし女として生まれれば、その性別は一生変わらないし、死んでからも変わらない。1000 年前の骨からそれが男か女かを区別することができる。
・それに対して、特定の時代と地域によって異なる「ジェンダー」は社会的・文化的に
形成されたものにすぎず、セックスとの本質的・内在的つながりはない。この規範としてのジェンダーへの個々人の好みは二元的ではなく、文字通りの意味でスペクトラムであり、グラデーションであるが、それは誰かを「男性」や「女性」にするものではない。長い髪が好きなことはその人を女性にはしない。長髪の金八先生は男であって女ではないし、1970 年代の男性アイドルはみな髪が長かった。
・女性に生まれたから長い髪やひらひらした薄くカラフルな服装、スカートやハイヒー
ルやストッキング、化粧を好むということはない。かつて貴族の男性は、ひらひらしたカラフルな服装を好み、髪の毛を伸ばし、化粧をし(日本の貴族もみな髪を伸ばし、化粧をしていた)、スカートのようなものを履き、ストッキングを履き、ハイヒールを履いていた(肖験画に残っている)。もし女性であることとこのような服装とに何らかの内在的な関連があるなら、貴族の男はすべて「心が女性」ないし「トランス女性」であ ったことになる。そんな馬鹿な話はない。長い髪やスカートやひらひらした服装を好む男の子がいたとしたら、それはそういうものが好きであるという個性を持った男の子にすぎない。
・貴族がそうした服装を好んだのは、労働から完全に切り離されていたからである。そ
うした格好は「有閑」や「非労働」を象徴するものだった。近代社会になってから、男性の多くが労働者階級として配置され、労働者にふさわしい(動きやすく丈夫で体にフ ィットした)服装が強制され、女性には、彼女らを家庭に閉じ込めるべく(実際には家
16 私は自分の最初の著作である『資本主義と性差別』(青木書店)の冒頭で、「ジェンダー」の4つの 意味について簡単に説明しておいた。
13
庭内でも家庭外でも働かされていたのだが)、かつて貴族が愛好したような「非労働的」服装がしだいに強制されるようになった。われわれが「普通」とみなしているジェンダ ー化された服装は基本的には近代資本主義がつくり出した性別厅割(ジェンダー)分業の産物である。
・1960 年代や 70 年代における反逆と革命の時代になって、このようなジェンダー規範
があちこちで否定され、男も髪を伸ばし、女はジーパンを履くようになった。しかし、1980 年代になって先進資本主義国において革命の波が引き、新自由主義の時代になると、以前以上にジェンダー化が進み(美容・ファッション・メディア・医療・製薬産業複合体と結合しつつ)、「美しく」なるため、「若さ」を保つためのさまざまな美容技術や医療整形技術などが女性の身体に施されるようになった。
・こうした過度にジェンダー化された文化(再ジェンダー化)が支配的になる中で、一
方では、自己の性別に課せられた過剰なジェンダー規範に反発する多くの男女(とくに女性)が生み出されるとともに、他方では、異性の過剰なジェンダー規範に強い憧れや性的フェチを抱く男女(とくに男性)が大量に生み出された。こうした文化的背景に、医療技術やホルモン剤の発達とが結びつき、さらに、階級政治の敗北によるアイデンテ ィティ政治の隆盛、学問の世界におけるポストモダニズムの流行、個人の自己決定を絶対的なものとするネオリベ的な人権規範、等々が結びついて、現在のトランス運動が形成されていったのである(トランス運動の繁栄についてのより突っ込んだ階級的・社会的分析は「2歩目」の課題)。
・いずれにせよ、セックスとジェンダーとを厳密に区分することが必要であり、どれほ
ど「女性ジェンダー」をまとい、それを過度に強調する男性がいたとしても、その人の
性別が男性であることには何の変わりもない。社会制度は基本的に客観的なセックスを基盤にして構築されて来たし、より脆弱な性別集団(女性)の権利と安全のためには、今後ともそうでなければならない。
・誰でもジェンダー(文化的規範としてのそれ)はトランスできるし、社会的良識と自
由権の範囲内でそうしてもいいが(その意味で、われわれは「トランスジェンダー」を何ら否定しない)、人類であるかぎり、セックス(性別)はトランスできないのであり、女性的ジェンダー規範を愛好する(あるいは男性的ジェンダー規範を拒否する)男性と、男性的ジェンダー規範を好む(あるいは女性的ジェンダー規範を拒否する)女性が存在するだけであり、そうした多様性を承認することこそが本来の意味での「多様性」の承認なのである。
・問題は、単に文化的な意味でのジェンダーをトランスしているに過ぎない男たちが、
自分は「女性」であり、したがって他人も社会も法制度も自分を「女性」と扱うべきであると主張していることにある。それはまったくナンセンスである。貴族の格好をしたからと言って、その人は貴族にならないし、ドレッドヘアーにしてストリートファッシ
14
ョンを決め、ラップを愛しているからといって、白人は黒人にならない17。
・むしろ、人種は、性別と違って実際にスペクトラムでありグラデーションだが(白人と黒人のカップルから子供が生まれれば、人種的に子どもは両方の特徴を持っている)、それでも自認によって人種を変えることはできないし、顔を黒く塗ったり、整形手術をして黒人そっくりの外見になることもできるが、そのことはその人を黒人にはしない。
・進歩派の学者やメディアなどがよく口にする「性別二元論に反対」という決まり文句
は、ジェンダーに関しては正しいが、セックスに関してはまったく間違いである。

https://www.academia.edu/93894328/%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%82%92%E3%81%A9%E3%81%AE%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AB%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B%E3%81%B9%E3%81%8D%E3%81%8B_%E3%83%AC%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%A1_How_should_we_think_about_transgenderism_?email_work_card=title
トランス問題をどのように考えるべきか(レジュメ)(How should we think about transgenderism)



Seiya Morita

Published 2022

https://femalelibjp.org/nf/?p=479



 トランスジェンダリズムの問題はこれだけにとどまりません。世界中のトランス活動家(TRA)たちは、自分たちの主張に従わない女性たち(と一部の男性)に対して、「TERF(Trans Exclusionary Radical Feminist)」とか「トランスフォーブ」「トランスヘイター」とレッテルを貼って攻撃し、暴力で脅し、「俺のペニスを舐めろ(suck my dick)」とか「ターフを犯せ(fuck TERFs)」「ターフを殴れ(punch TERFs)」「ターフを殺せ(kill TERFs)」などと公然と性暴力や殺害を扇動しているのです。保守派や右翼の女性たちに対してさえ、「ペニスを舐めろ」とか「犯せ」などと左翼の側の人間が呼号したとしたら、そのような人物は左翼陣営からいっせいに非難され、ただちに追放されるでしょう。ところが、このような性暴力的攻撃がトランス活動家によって他ならぬフェミニストや左翼の女性たちに向けられると、ほとんどの左翼やリベラル派は見て見ぬふりをするか、それに積極的に加担するのです。

 イギリスの著名な作家J.K.ローリングさんが2020年6月にリベラル・左翼陣営のトランス活動家たちやそのアライたちからいっせいにこのような性暴力的攻撃を受けたとき(攻撃者の中には、J.K.ローリングさんとTERFをグラーグに送れとかガス室に送れと扇動した連中さえいた!)、トロツキストを含め、彼女を擁護した左翼はほとんど皆無でした。一人の勇気ある進歩派の女性が全世界の何千・何万というミソジニストから攻撃されているとき、新旧左翼は彼女を擁護する勇気をひとかけらも持ちあわせていなかったのです。何と恥ずべきことでしょうか。
 トロツキストはかつて、スターリニストによる世界的な弾圧と迫害のもとでもその正義の旗を降ろしませんでした。その偉大な伝統を復活させる必要があります。たとえ、既存の左翼陣営から「TERF」や「トランスフォーブ」とののしられても、女性の人権と安全を断固として守り抜くことが必要であり、「TERF」とか「ヘイター」と攻撃されているフェミニストや市井の女性たちと断固連帯することが必要です。どうか勇気を奮い起こし、正義を貫いてください。

2021年2月10日(8月修正)

『トランスジェンダリズムは究極のミソジニー ――日本左翼への訴え――』

2021年12月17日




短いメールですが某党には、このメールでまさにタビストック以後である事をお伝えしました。これで彼らはこの悲劇を知ったはずなんです。今後は絶対に知らないとは言わせません、しかも書記局長は医師なんですから。
 ところで、……。

 ここFLJは三ヵ月ぶり位ですかね?連載が遅れていてごめんなさい。でも皆さんは怒ってはいないですよね? 前回、私が黙っている時は、必ず何かしら用をしていると申し上げました。
 ご存じない方も多いようですが、新刊「事故もなく」印刷出来ました。無事刊行です。
 前作の『発禁小説集』は小説が主体だったせいか(怖い事もいろいろありましたが)、命の危険は感じないで済んでいました。でも今回はちょっと予想が付きません。
 なおかつ今までで一番きつい出版でした。校了中から渋谷トイレツイートに対応したのです(版元は休みなしで働いてちゃんと図を入れました)。ただし、……。
 発売が選挙中なのでご迷惑になるといけないと思い、声を挙げてくれた勇気ある議員さんのお名前を出す事はしませんでした。富士見市等、地名だけを最後のページにやっと入れました。無償で校閲してくれた某会も寿命が縮む程頑張ってくれました。
 途中別件で印刷所を一回変更したため、ムック予定のはずが帯・カバー付きの薄い単行本に仕上がりました。安く出そうと頑張って版元も協力してくれました。
 なお、この新刊は、ネットを見ない同世代や忙しい方々に向けたつもりです。皆さんには物足りない部分があるかもしれません。
 「高くてもいいから分厚いのを出してくれ」とお思いの文学読者の方は、書き下ろし私小説を大半仕上げましたので、もう少しお待ちくださいませ。でもその前にこれもぜひともお読みください。FLJ読者の皆さんも実はここに新情報があると思いますので。
というと?
 今回の本は「タビストック以後」の本、という意味です。
 女性スペース問題と別の意味で、これもまた異様に深刻な悲劇ですね。海外だと子供の健康を守る政治家がこの悲劇を止める立法をしたために、無辜の子供や無関係な年寄りまでがTRAに銃で殺戮されたり子供を思って演説するおとながTRAから暴力をふるわれたりしています。

 さて、この新刊、書店に並べようと言うときにナッシュビル事件が起こってしまいました。またしても記念日(トランスジェンダー可視化の日)近くですね。そう言えば昨年はトランスジェンダー追悼の日の準備をしている、性的少数者のための店においてノンバイナリーを自称する男が五人を射殺しました。というわけで、・・・・・・。
 四月一日、私は久しぶりの外出を取り止めて家にいました。というのもこの四月一日をトランスジェンダー復讐の日にしようと言う海外のある組織の書き込みを見たからです。日本でも用心するに越した事はないと思ったので。
 私は女性スペースを死守したいと訴えるとともに、かつての性別違和当事者として、子供への医療虐待に反対しています。ナッシュビル事件はまさに子供を心配し見守る親たちへの「復讐」になってしまいました。でも彼らが何をしたの?残酷すぎます。
 でもそれで外出しないなんて心配しすぎですか?いいえ!

 日本でさえ、銃はなくとも、理由は別としても池田小学校事件は起こっています。そのうえ昨年からはもう立派に狙撃社会です。
 そもそも、罪もない小学生三人や関係のない年寄り三人を、つまり合計六人も一瞬に殺してしまうだなんて、……。

 当局はまだ狙撃犯の動機を四月四日現在で未公表ですが、一説に、この犯行以前すでに「自分たちはジェノサイドされそうだ(=テネシー州において今後、子供が胸切除等の手術を受けられなくなると決まった事に関して、これで子供は自分が望む性別になれない=存在を消される=トランスジェノサイドだ、と解釈した上での)」というTRAサイドの抗議があり、またそれ故に「トランスジェンダーの人権を守るため武器を取って実力行使をしよう」という一派もありました。しかしこれ本当に人権なんでしょうか。今はタビストック以後だというのに。

 「心の性別(この観点、イギリスの慈善団体マーメイドはまっだ使っています)」を理由とする子供の身体への不可逆手術なんて、これ、下手すると児童虐待ですよ。世界はすでにこのトランス肯定治療の危険性に気付き始めています。親が心配するの当然でしょう。


 それなのにこんな事件の後も、殺人者が警察に銃で撃たれたから、この小学生と「同じ」被害者だと言うTRAがいたり、その主張のもとに集会をする人までいるのは一体どういう認識なんでしょうか???
 それで子供を殺された側は「ヘイター」なんですか、子供を殺した方は被害者で弱者なんですか。こういう事を書くと「ヘイト」なんですか?ああ、そうそう、「ヘイト」呼ばわりといえば。
 滝本さんが勝訴されました。
 ついで、この一月に私も(別件ですが)最高裁勝っています。

 もう少ししたら、これに追記して『トランスジェンダー問題』と杉並条例のその後を補足します。でももしそう言っていてここに来ていなかったら、無論……。
 私は、必ず何かしていますのでどうかご心配なく。
 というわけで皆様、どうか選挙にはお出掛けください。私はもう県議投票を済ませてきました。ひとりでも反ジェンダー地方議員を増やさないと、地方こそ危険な事になっていますから。

 最後になりましたが「一市民」様の御本、電子版の復活をお祈りしお待ち申し上げています。

四月四日、薔薇の節句に 笙野頼子

「人権モデル」=ウーマンウィズペニス、を肯定する某党へ、最後のメール

2023年4月5日















「LGBT理解増進法案」 拙速な議論、結論には疑問 岸田首相が政権延命のため誤ったリーダーシップを発揮しているなら問題だ(夕刊フジ) – Yahoo!ニュース

岸田文雄首相が、性的少数者(LGBT)や同性婚をめぐる発言で秘書官を更迭したことを機に、「LGBT理解増進法案」が一気に国会の焦点に急浮上している。

背景に、秘書官発言で疑問符がつけられた「多様性を尊重し、包摂的な社会を実現していく」との政府方針のアリバイとして、同法案を使おうという、岸田首相の思惑があるのではないか。

自民党の茂木敏充幹事長は6日、「今後、多様性という考え方はより重要になってきている。わが党においても、引き続き提出に向けた準備を進めていきたい」と述べ、同法案の提出準備を進める考えを表明した。

また、超党派の「LGBTに関する課題を考える議員連盟」(超党派議連)も、にわかに活動を活発化させ、「5月に広島で開催されるG7(先進7カ国)首脳会議までに法案成立を目指す」と意気込む。

しかし、この法案はそれほど軽いものではない。

同法案は一昨年、議員立法として各党の党内手続きが進められていたが、自民党内から強い反対論が出され、最終的に、国会提出が見送られた経緯がある。

法案中の「性的指向および性自認を理由とする差別は許されない」という文言に対して、「差別の対象が明確でなく、訴訟の多発を招きかねない」「内心にかかわる」などの疑問が多数出されたことが大きな要因だ。

性的少数者が人前で侮辱されたり、不当な扱いを受けることがあってはならないのは当然である。法律とは時代に合わせて変わるものである。ただ、法的な問題をきちんと整理しておかなければ、かえって混乱を招くことになりかねない。特に「性自認」の問題は、医師らの意見を聞くことも重要ではないか。

政局的な思惑で拙速に議論することは、最も避けなければならないことだ。そのうえで、「差別の対象」を明確にするなど、反対派を説得する作業も丁寧に行うべきだ。

同法案が成立すると、「夫婦別姓」「同性婚」の問題にも踏み込まざるを得ないとの懸念する向きも多い。これらの問題は、まだまだ国民に多くの議論が残っていることを岸田首相は自覚すべきである。なし崩し的に結論を出すべきでないことは明らかである。

岸田首相は8日の衆院予算委員会の答弁で、「自民党でも提出に向けた準備を進めていくことを確認しており、こうした動きを尊重しつつ、見守りたい」と述べ、一歩引いた態度を示している。だが、同法案への姿勢が「前のめり」であることは否めない。

想定外の秘書官発言に動揺しているのかもしれないが、万が一、政権延命のために、社会の根本を揺るがしかねない法案をてんびんにかけるとすれば問題だ。誤ったリーダーシップを発揮して、議論をせかすことがないように強く要望したい。 

関連記事:差別的発言、国会に波及 LGBT法求める声拡大 – What is transgender? (what-is-trans.hacca.jp)

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「LGBT理解増進法案」 拙速な議論、結論には疑問 岸田首相が政権延命のため誤ったリーダーシップを発揮しているなら問題だ

2023-02-18



LGBTなど性的少数者への理解増進を図る法案を巡り、女性の権利保護を目指す「女性スペースを守る会」の滝本太郎弁護士が産経新聞の取材に応じ、性犯罪目的の男が悪用する懸念などを訴えた。



理解増進法は理念法なので直接的な強制力はないが、他の法律を解釈する上で影響を与える。トランスジェンダー女性(生まれつきの性別は男性、性自認は女性)のトイレや更衣室など「女性専用スペース」の利用に関し「女性として遇しなければ、差別になる」との趣旨と読めるため、もちろん訴訟に活用される。

性犯罪目的の男が女性専用スペースに入りやすくなってしまうことが懸念される。女性のふりではなく、トランス女性のふりで足りる恐れがある。通報しにくくなったり、警察も及び腰になったりしかねない。

自民党で新たな修正案が示されたというが、「性同一性」に置き換えれば、安心できるという話ではない。「性同一性」も「性自認」も、ともに「gender identity」の訳語だからだ。

理解増進法案を推進するならば、トランス女性を女性専用スペースでも「女性として遇せよ」という趣旨ではないとの解釈規定を法案に入れるか、法案とは別に女性専用スペースに関する法律をつくるべきだ。女子トイレの中では女性・女児こそが、トランス女性よりも弱い立場にあるという事実を忘れてはならない。

英国は学校の女性専用トイレを無くしていたが、昨年から再び作るようになった。女性に性的暴行を働いた男が、トランスジェンダー女性であることを訴え、女性刑務所に収容されるなど多くの混乱を招いたからだ。先行する諸外国の法制度と運用実態を調査すべきだ。

LGBT法案

性犯罪目的の男が悪用の懸念 滝本太郎弁護士

2023/5/10 23:45









未オペのGIDMTFとトランス女性は、生得的生物学的男性の状態だから女性スペースを守る会さんの男子トイレ共用スペース化で対応できますね。
MTFSRS手術済みGIDMTFはMTFSRS手術で身体女性化したGIDのMTFの性同一性障害者だから現状、身障者用女子トイレ又は性別関係なし身障者用トイレだけど生得的生物学的女性の懸念考えてスペース分け考えたらMTFSRS手術済みGIDMTF専用戸籍の戸籍の性別秀吉法的承認して、MTFSRS手術済みGIDMTF専用(性別秀吉専用)トイレ等MTFSRS手術済みGIDMTF(性別秀吉)専用スペース設置して頂きたいですよね。



 トランス女性の問題は、"女性"とついているが故に、女性の問題と思われがちです。しかし実は男性の体に生まれついた人の男性問題だと思います。その意識が男性の間であまりに欠けているように思います。



 なぜトランス女性の中で、女性スペースを使用したいと願う方が相当にいるのか。大きな理由の一つは、男性スペースが安心して使えないということです。変な目で見られる、揶揄される、時には暴行を受けたりすると、交流ある人から聞きました。



 これは男性の問題です。トランス女性が公共の男子トイレに違和感なく入れる。特に個室まで気軽に入れれば、この問題は解決します。男性が、いわゆる女性装をする自由を認めて、偏見をなくせば解決するのです。トイレ問題は「男性の理解と協力さえあれば」解決するのです。



 もちろん共用トイレや多目的トイレの方が気が楽というトランス女性は、そちらを使えばいい。けれど、トランス女性が安心して男子トイレを使用できないのはおかしな話です。性別適合手術をしていない方であれば尚更です。「反差別・リベラル」の立場から、女性に向かって「トランス女性を女性スペースから排除するな」と叱る男性たち。彼らは「自分たちこそが身体男性であるトランス女性を男性スペースから排除している」のだと自覚すべきです。



 トランス女性を女性スペースに招き入れる、その利用を公認しようとする女性もいます。学者・研究者や「意識高い系」の女性を中心に。彼女たちは、女性らしい優しさと正義感、自己犠牲の精神なのでしょう。「トランス女性は女性」というのは、外観的には女性装をし、自身を女性と認識する信頼あるトランス女性を、マイノリティとして守ってあげたいからでしょう。しかし、多くの女性は男性に恐怖感を持っています。時に事件も起きています。トランス女性であってもなくても、身体が男性の人の中には怪しげな人もいるのです。性犯罪は圧倒的に男性によるものです。でも、今でも女性スペースの中で女性装をしている男性を見つけて恐怖を感じても、普通は何も言えないです。トイレの中では、トランス女性はマイノリティではありません。少女や知的障害ある女性も、公衆の女子トイレを利用します。同じ属性の女性に苦痛を強いて、危険に晒してどうするのでしょうか。一刻も早くこの欺瞞に気づいて欲しい。



 男性の中から、女性トイレはそのままに、男性トイレの構造を変えつつ元々の「共用トイレ」にするのが現実的だという声も出ています。小用トイレの間の仕切りをしっかりつける、なるべく個室に行く人が小用トイレの前を通らないで済む形にしつつ、共用トイレと表示したらどうか、という事です。確かにそうすればトランス女性もとても入り易くなると思います。男性はトランス女性に対して違和感はあっても、恐怖感はないはずです。



そうできればと願います。



2022年12月9日

女性スペースを守る会 一スタッフより

トランス女性のトイレは男性の問題

53



女性スペースを守る会

2022年12月9日 17:18





トイレが男女別になった理由ー文京区小2女児殺害事件

2021-11-13

文京区小2女児殺害事件(鏡子ちゃん事件)とは (sharetube.jp)

昨今、「シスジェンダーの特権をわからせるためにトイレを男女共用にする」「シスジェンダーの特権」を分からせるための共用トイレー関西クィア映画祭 – What is transgender? (hacca.jp)などという主張もあるようだが、トイレが男女別になった理由として、このような痛ましい事件があったことをご存知だろうか。

文京区小2女児殺害事件(ぶんきょうくしょうにじょじさつがいじけん)とは、1954年(昭和29年)に東京都文京区の小学校内で起こった殺人事件である。
この事件を機に、全国の学校の安全対策が見直されるようになった。

1954年4月19日昼頃、東京文京区本郷の区立元町小学校2年A組では2時間目に国語の授業が行なわれていた。絵日記を早々と書き上げたこのクラスの細田鏡子ちゃん(7歳)は、他の児童らよりも早く校庭に出ていたが、まもなく遊び時間になり、友達に「お便所に行ってくるわ」とトイレに行った。


3時間目の理科の授業が始まったが、鏡子ちゃんはいつまでたっても教室に帰ってこない。当初、担任の女性教師(当時40歳)はさほど気に留めていなかった。鏡子ちゃんの家は学校のすぐ前にあったので、「忘れ物でも家に取りに行ったのだろう」と思っていた。だが2時間が経ち、あまりに遅いことから教職員と級友らが校内を探す。偶然学校の前を通りかかった母親も騒ぎを知り、捜索に加わっていた。するとまもなく正面ホールの横にあるトイレ内で、閉まりきっている個室があり、すりガラスごしに鏡子ちゃんが着ていたカーディガンの色が映っていた。いくら呼びかけても返事はない。鍵も内側からかけられていた。なんとか鍵を壊してドアは開いたが、母親らが見たのは鏡子ちゃんが強姦されたうえ首を絞められ殺されている姿だった。

その後の捜査で、掘り起こした便所の土管からイニシャル入りのハンカチを発見。
また、小学校の近くに住む男性から情報があった。なんでも友人の坂巻脩吉(当時20歳)という男が事件のあった日に家に訪ねてきたらしいのだが、たまたま不在だったため帰っていった。坂巻は別の友人宅を訪れたが、様子がおかしく、手洗いでしきりに手を洗っていたという。

事件当時、坂巻は入所していた静岡県の結核療養所を抜け出して、東京に戻っていた。この日、坂巻は友人のところに金の無心に行ったが、不在だったためぶらぶらしていたところ、元町小学校の前を通り、尿意をもよおしたため学校のトイレを使った。この辺りは以前に住んでいたことがあり、よく利用していたためトイレの位置も知っていた。


用を足した坂巻がなにげなく横を見てみると、反対側の便所に戸を少し開けてお尻を出している鏡子ちゃんが見えた。これに欲情し、近づいていたずらしたところ、鏡子ちゃんは泣き出した。坂巻は剥ぎ取った下着を鏡子ちゃんの口に詰め、首を絞めた。

小学校で授業中、児童が殺された。しかも、犯人はトイレを使いに来た外来者だった。このことは衝撃を与えた。当時、学校のトイレが公衆便所の代用になっているところもあり、部外者がいきなり現れることがよくあった。

5月6日、東京都教育庁は都内の小・中・高の校長宛てに「新管理方針」を通達する旨を公表した。


・学校長は男女のトイレは別にすること
・トイレに入った時は必ず戸をしめるように学童に注意する。
・来賓と学童のトイレは別にすること。
・授業のない教職員は小使とともに校内を巡視すること。
・外来者の出入りは必ず教職員、小使が見られる通路を通るようにすること。
・学校の垣根や柵を厳重にし、無闇に外来者が出入りできないようにすること。

男女別のトイレは、誰かの特権のためにそうなったわけではない。

このような事件を防ぎ、安全を守るためにあるのである。
そのことを決して忘れてはいけない。

https://what-is-trans.hacca.jp/1852/
What is transgender?

トランスジェンダーってなんだろう?




イギリス政府は公共施設のトイレを男女別にすることの義務付けを計画

2021-05-17

Public Buildings Must Have Separate Gender Toilets Under New Government Plans – UNILAD

Return of ladies and gents lavatories, as ministers tell architects all new buildings must have separate facilities The Telegraph 15.05.21 | Peak Trans

Sex Matters influences toilets policy — Sex Matters (sex-matters.org)

英国政府の新しい計画により、英国の公共施設では性別に関係なく使用できるトイレが過去のものとなり、将来的に「女性用」と「男性用」の化粧室を別々に設置しなければならなくなる見通しです。

ロバート・ジェンリック(Robert Jenrick)地域社会長官は、建築規制と計画指針を改正し、新しい建物や開発中の建物には、「女性用」と「男性用」のトイレを別々に設置するようにする方針であることを、テレグラフ紙が明らかにした。

関係者によると、すでに男女共用のトイレが設置されている建物でも、居住者のプライバシーを「完全に尊重」するために、仕切りを設置しなければならないという。

ジェンリック氏の部署は昨年11月、「女性と男性のためのトイレのより良い提供を保証する」ための見直しを開始した。

これは、企業や当局が男性用と女性用のトイレを取り払い、性別を問わないトイレに変更したことに対する反発を受けてのことだった。

多くのトイレが「男女兼用」に変更されたため、女性がトイレを利用することが困難になっているという証拠があります。

内務省は2018年にジェンダーニュートラルな便所を設置しました。

BBCは、男女兼用の化粧室に加えて、すべての建物にジェンダー・ニュートラルな化粧室を設置しています。チャンネル4は、2017年にジェンダー・ニュートラルな設備を導入しました。

この変更は、新しい建物や、オフィス、店舗、娯楽施設などの既存の建物、さらには病院などの公的資金で運営されている建物で、大規模な改装を行う際に、その工事に建築規制の同意が必要な場合に適用されます。

ジェンリック氏に近い関係者は次のように語っています。「しかし、あまりにも頻繁に男女別トイレがこっそりと撤去されており、非常に困っています。私たちは、女性や高齢者の方々から寄せられた安心感や尊厳、安全性に関する懸念に耳を傾け、地域社会の誰もが必要とする男女別トイレが常に用意されるよう、規制を更新することで安全対策を維持・改善していきます。

ジェンリック氏の「技術的検討」では、「女性が常に個室を使用する必要があることは明らかである」ことから、男性用化粧室に対する女性用化粧室の割合を検討したとのことです。

政府の対応は、「男女別のトイレをなくすことが平等法の要件であるという誤解を解く」ものであると関係者は語っている。

ロンドン中心部にあるオールド・ヴィック・シアターは、2019年に男性用・女性用のトイレをすべて性別に関係なく使えるトイレに改装した際に批判されました。

ある利用者は、改装後に不満を漏らしました。”パトロンは理論上、ストールオンリーと表示されたブロックと、小便器を含むブロックから自由に自己選択できるようになっています。問題は明らかで、女性は小便器を使うことができません」。

昨年の2月には、英国の貴族が、性別に関係のない便所は女性に不快感を与えるので、男女別の施設に変更すべきだと警告しました。

ルーカス卿は、貴族院の討論会で、公共の建物にあるトイレや更衣室の半分は女性専用にすべきだと述べた。

ルーカス卿は次のように述べています。「いくつかの施設では、男女共用のトイレ施設をジェンダーニュートラルに変えています。また、更衣室も同様に変更しているところもあります。」

「これは望ましいことなのか、正当化されることなのか。これは望ましいことなのでしょうか?誰か(特に女性)に相談したのでしょうか?」

「この変更によって不利益を被るのは誰か?それは不快感や宗教上の理由から、閉ざされた空間で男性と一緒にいることを望まない女性たちです。」

一方、LGBTQ+の運動家たちは、性別に関係のないトイレを増やし、よりインクルーシブ(包括的)な空間を求めて戦ってきました。また、2010年の平等法では、「性別の変更」は公的機関による差別から保護されており、トランスの男性と女性がそれぞれのトイレを利用する権利が与えられています。

トランス系団体「We Exist」の広報担当者は、「トイレに関する協議は、現政府がトランスやノンバイナリーの人々を排除し、疎外し、差別しようとする新たな試みだと考えています」と述べています。


さて、男女別のトイレはトランスジェンダーへの差別であり排除であり疎外なのでしょうか?
イギリスのトイレ政策について、今後も目が離せません。

https://what-is-trans.hacca.jp/270/
What is transgender?

トランスジェンダーってなんだろう?










みず
@mizutayou1
·
5月11日
誤情報だ、と強く否定している。女性用をなくし、性区分がないトイレや更衣室などの設置はまちがいだ、と。それならばそうなってしまった施設には誤情報だと伝えて戻す措置を取らせるべきでは?

“女性用なくし性区分ないトイレ設置”は誤情報 埼玉 大野知事 | NHK https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230502/k10014056341000.html
みず
@mizutayou1
·
5月11日
こうして実際に埼玉県の介護施設では、男女別のトイレやロッカー(更衣室)が廃止、共同になってしまった。
誤情報ですと主張した大野知事。
これは元に戻して、女性用、男性用のトイレやロッカールームにしなければならないと通達を出すんですよね?
みず
@mizutayou1
·
5月12日
これは、『「県の事業」県の施設などでは、オールジェンダートイレなど性に関わらず使える施設を作るという方針であって、一般の施設はその限りではない。』という事なのですよね。
ただしそうやって理解増進してゆくということなのだから、県の動きをお手本としてついてゆく一般施設は出てくるワケで.
みず
@mizutayou1
·
5月12日
これは誤情報でもなんでもない。
一般の施設に、そうしてほしいとお勧めするものではないが、そのように県が推進、理解増進の動きはしてゆく。

でも”虹色チャレンジ“でいくつ虹色の取り組みができたかをカウントして多いところはお褒めに預かるわけです。トイレの共用化もその一つ。実質勧めている。
みず
@mizutayou1
女性用トイレをなくすとは書いていない。
けれど、女性用、男性用、共用と3つを作るのは予算がかかる。結果的に男性用と共用の二つになっている=女性用が消えた。 全国的にこのケースは増えている。
「女性用トイレを必ず設置する」としないと結果的に消されると実証されているんだよ。デマじゃない
午後1:17 · 2023年5月12日

https://twitter.com/mizutayou1/status/1656876155964882944



あなたはどう考える?

性的少数者(LGBT)への理解増進を図る法案を巡り賛否が渦巻いている。今年2月の世論調査では、推進すべきだとの回答が過半数となり、多様性を重視する潮流の中で、LGBT法案が必要と考える人は若者を中心に多いようだ。だが、当事者から疑問視する声が上がり始めるなど、慎重論も根強い。

慎重論の背景にあるのは、主にLGBTの中でも、生まれたときの性別と異なる性を生きたいとの「性自認」を抱くトランスジェンダー(T)への対応だ。公衆トイレや公衆浴場でトランスジェンダー女性(生まれつきの性別は男性、性自認は女性)の利用が日常的になれば、多くの女性に不安を与えかねない。

また、性自認を偽り悪用した犯罪行為を誘発するとの指摘があり、トイレや浴場の利用時にトラブルが生じ、訴訟リスクが高まる懸念も広がっている。

さらに、子供たちにとっても悪影響を及ぼしかねない。福井県立大名誉教授の島田洋一氏は、幼少期に偏ったLGBTへの問題点を教わることで、性観念が不安定な子供を混乱させるデメリットを指摘する。

このような不安が広がれば、性自認や性同一性障害に悩み、真に保護や権利を尊重すべき人たちにとっても望ましい社会とはいえないだろう。実際、LGBTの当事者団体などが拙速な法案審議を避けるよう、岸田文雄首相に要請している。

差別意識や嫌悪感少ない日本

一方、令和3年に超党派議員連盟で合意した法案の文言については、自民党内で反対論が相次いだため、18日に与党の修正案が国会に提出された。ただ、主な修正点は「性自認」を「性同一性」に、「差別は許されない」を「不当な差別はあってはならない」とした程度。前者はいずれも英訳すると「gender identity(ジェンダーアイデンティティー)」であり、後者についても大きく改善されたとは思えず、根本的な懸念払拭になっていない。

推進派は、LGBTの権利保障は人権問題で、法案で差別意識をなくさなければならないと主張。先進7カ国首脳会議(G7)の参加国で、LGBTの権利保護に関する法整備において日本が遅れていることを強調している。当然ながら差別をなくすことは重要であり、LGBTについては欧米が先進的であるのは確かだ。

だが欧米では過去にキリスト教の一部宗派の教義で同性愛を禁じていたことで、「不当」な差別を受けてきた歴史を踏まえているからであり、日本ではこのような過去や現状が問題視されたことはない。

むしろ古くから文学作品にLGBTが描かれるなど、ある程度社会に受け入れられてきた。近年、テレビ番組で日常的にLGBTのタレントが多数登場していることを鑑みれば、差別意識や嫌悪感を抱く人が極めて少ないことの表れだろう。

持論や本音が言えない風潮

LGBT問題をテーマに記者同士でも議論したが、他にもさまざまな課題が内包されていることに気が付く。

問題を複雑化させている要因として「LGBTに関して持論を展開すると、すぐに炎上してしまうことが多く、本音で議論できない」と、現状に疑問を抱く記者がいた。

また、メディアの報じ方について指摘した記者もいる。「当事者の苦悩に偏っている感がある」とし、懸念を抱く人たちの思いも同等に報じることで「世論は変化していくのではないか」との提案もあった。

議論を通じて思うことがもう1つある。LGBTに差別意識がなく、受け入れてきた人たちが法案の議論によって「日本は差別が横行する法整備が必要な社会」や「日本でも差別されてきた人々」などとの誤認が広がれば、それこそ本末転倒だ。

そもそも日本は憲法14条で「人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」としている。その中で、LGBTに特化した法整備が本当に必要だろうか。

LGBT(性的少数者) 女性の同性愛者であるレズビアン(L)▽男性の同性愛者であるゲイ(G)▽両性愛者であるバイセクシュアル(B)▽生まれたときの性別とは異なる性を生きたいと願うトランスジェンダー(T)―のこと。英語の頭文字をつないでLGBTといわれる。LGBTのいずれにもあてはまらない人をクィア、クエスチョニング(Q)に分類することもある。支援団体や民間調査機関などによると、国内でLGBTなどに該当する人は3~8%とされる。



今回のテーマを担当するのは…大阪社会部次長 津田大資(つだ・だいすけ) SNSなどのネットコンテンツよりテレビが好きな入社25年目の49歳。好きな番組は「月曜から夜ふかし」。座右の銘は「滅私奉公」。

意見を募集します

「世論(せろん)」と「輿論(よろん)」は近年同一の意味とされています。しかし、かつて、世論は世間の空気的な意見、輿論は議論を踏まえた人々の公的意見として使い分けられていました。本コーナーは、記者と読者のみなさんが賛否あるテーマについて紙上とサイトで議論を交わし、世論を輿論に昇華させていく場にしたいと思います。広く意見を募集します。意見はメールなどでお寄せください。

メール seronyoron@sankei.co.jp

ツイッター @SankeiNews_WEST

ファクス 06・6633・9740

①トランスジェンダー女性の女子トイレ使用に異論渦巻く 迷走続くLGBT法案

2023/5/22 17:45津田 大資産経WEST
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‘My exhausting smear test battle’ – BBC News

多くの人が子宮頸部の塗抹標本検査を受けることを恐れていますが、ローリー・ホディアーヌさんは、何度も予約をお願いしたり、結果を追いかけたりすることに疲れてしまいました。

彼女は、子宮頸部がまだあるにもかかわらず、病院で女性として登録されていない数多くのトランスジェンダー男性の一人です。ローリーは希望しないまま男性として登録されてしまったそうです。

これでは、命を救う可能性のある子宮頸部の塗抹標本検査を受けられなくなってしまいます。


医師であるローリーさんは、医療制度をうまく利用できない人たちが、子宮頸部がん検診を受けることを諦めてしまうのではないかと心配しています。

女性として登録されている人は、25歳から50歳までの間は3年ごとに、その後65歳までは5年ごとに、子宮頸がん検診を受けることになっています。

しかし、子宮頸がんは、子宮頸部を持っている人なら誰でも発症する可能性があります。この病気は、初期段階では自覚症状がないことが多く、死に至ることもあります。

28歳のトランス男性のセブは、移行しても病院では女性として登録されていたため、塗抹標本検査を受けるように言われていました。

彼女のパートナーは、その数日前に同じ病院で検査を受けた際、セブがトランスジェンダーであることを看護師に伝え、看護師は彼女が来院する前に準備をしてくれていたそうです。

「思っていたよりも怖くなかったよ」と彼女は言います。

「前日までの数分間はとても緊張していましたが、直前には落ち着いた感じになりました。
「対応してくれた看護師さんの存在が大きかったですね。彼女はとても親切で、適切な処置をしてくれたように思います。」

しかし、この経験は彼のトランスの友人たちの間では珍しいことだったそうです。

「性別を間違われたり、無視されたりして辛い思いをする人もいます。多くの人から怖い話を聞きます」とセブは言います。

ロンドンにあるタビストック・ジェンダー・アイデンティティ・クリニックの登録者であるアリソン・バーナー博士は、2019年、クリニックにかかっている137人のトランスジェンダーと非バイナリーの人々にインタビューを行いました。

塗抹標本検査の対象となる半数の人のうち、40%以上が一度も検査を受けたことがないと答えました。

多くの人が、自分の性別を明かすことや他人の反応を恐れて、予約を逃していました。

中には、かかりつけの医師に男性として認めてもらうのが難しいと感じていたり、子宮頸がん検診の話が出てこなかったりする人もいました。

参加者の半数は、検査プロセスに関する情報が少なすぎると答えました。

また、同程度の割合の人が、家庭用検査キットを希望していました。これは、NHS(※イギリスの国営医療サービス事業のこと。患者の医療ニーズに対して公平なサービスを提供することを目的に1948年に設立された。)が試験的に導入しているもので、Jo’s Cervical Cancer Trustは、トランス男性にとって「非常に価値のある選択肢」であると述べています。

バーナー博士と共同で研究を行ったこの団体の最高責任者代理であるレベッカ・ショースミスは、「サンプル採取者と受付スタッフは、子宮頸部を持つトランス男性および/または非バイナリーの人々にとって、安全で協力的な環境を作る上で、実に重要な役割を担っています」と述べています。

NHSの関係者は次のように述べています。「子宮頸がん検診は命を救うものであり、NHSでは毎年数百万件の検診を実施しています。このような検診が医学的に有益であると思われる人は、検診を受けるべきです」。

保健省は、「LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)コミュニティの人々には、まだ招待状を受け取っていない場合は、かかりつけ医に連絡して子宮頸部検診の予約を取るように促した」と述べています。


希望していないのに男性と登録されたのはなぜだったのでしょうか。
一方では移行していても女性と登録されている人がいるようなので、まずそのあたりを見直した方がいいような気もしますが…。

https://what-is-trans.hacca.jp/283/
男として登録されたために子宮癌テストを受けられなかったトランス男性男として登録されたために子宮癌テストを受けられなかったトランス男性



https://www.town.ami.lg.jp/cmsfiles/contents/0000010/10304/tinjyo.pdf