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学校・施設が襲撃を受けた場合の防犯・対策方法。

1、池田小学校事件

 防犯理論上の学校や施設を守る方法は、池田小学校事件を基に考案されています。


「池田小学校事件で何が起きていたのか?」

を簡単に説明します。


<普段から防犯意識が高かった>

 池田小学校事件は普段から防犯意識が高かったために被害が拡大しました。

 普段から警察署に防犯指導を受けていました。


 そこで警察からは

「もしも不審者がいたら、怪我をしてしまうので自分達で何とかしようとしないで下さい。すぐ110番で警察に通報をして下さい。5分あれば警察が来ます」

と教えられていました。

 この防犯指導に忠実に従ったために被害が拡大したんです。


<事件直後の状況>

 事件発生直後、教師はみんな警察官の指導の通り110番通報するために電話に走りました。



 当然教室に電話はありませんので、職員室ですね。

 その結果、

 大人はみんな職員室に集合。

 生徒達は教室やグラウンドに放置。

と言う状況になりました。


 つまり、殺人犯にとっては生徒達を殺害し放題な状態になってしまいました。

 110番で通報さえしていれば警察官が来るのが遅くても5分は本当です。(通報内容の緊急性によって遅くなることはあります。)


 しかしナイフを一回振りおろすのに1秒も掛かりません。

 つまり、この状態では5分はとてつもなく長い時間なんですね。



2、役割分担をする

 さて、簡単に池田小学校事件の状況を確認したところで、ここからが重要で、どのように対策をすれば防げたのかを考えます。


 まずは役割分担をキチンとしておくことです。

 池田小学校事件では職員みんなが110番通報をするために職員室へ走ってしまい、数名の教師自己判断で犯人を無防備に止めに入っています。

 つまり、役割分担はされていなかったと推定されます。


 この場合に必要な役割は

◎、110番通報をする者  1名

◎、犯人の足止めをする者  できるだけ多く

(◎ 生徒等の避難誘導)  必要最小限


※()は施設形態や職員の人数等によって分担出来ない場合や分担する意味がない場合があるためです。



3、110番通報をする

 警察への通報は絶対にしなければなりません。

 その場合は絶対に

110番通報

をして下さい。


 最寄りの警察署や交番への通報はしないで下さい。

 通報先が物理的に近いとイコール警察官が到着する時間も早いと勘違いしている人が多くいます。


 しかしそれは誤りです。

 110番通報をすると警察本部の通信指令課に繋がります。

 そこでは警察官一人一人の稼働状況が把握されていますので、最寄りの警察官やパトカーに対して無線で直接指示が出せます。


 しかも受信者と指令者は別におり、リアルタイムで情報を共有しているため、通報している最中に警察官は既に向かい始めています。


 電話を切ってから指令を出すわけではありません。

 だから最速です。


 警察署や交番だと電話を切ってから、どこに誰がいるかな?を探して、連絡を取ってから向かうことになりますので、かなり遅くなります。


 110番時点でパトカー等が遠いところにいる場合があります。

 その場合は緊急走行でも5分は掛かります。

 だから

「5分以内には到着する」

としています。


 つまり、近くにいれば1分以内の到着も可能です。

 防犯を考える場合には、最悪のケース5分で考えます。



4、犯人を足止めする

 これがとても大事です。

 池田小学校事件ではここの配置がほぼなかったために被害が甚大なモノとなってしまいました。


<足止めの目的>

 まずは足止めの目的を明確にしておきます。

 それは

【警察官が到着する5分間犯人をその場に留めておくこと】

です。


 血気盛んだったり、腕に自信がある人だとつい

【犯人撃退】

を目的にしてしまいがちですが、それは自身の身の危険度を増します。


 そして、学校や施設の場合、足止め要員が怪我をする生徒やご利用者が殺害されるリスクが高まることを意味します。


 そのため、絶対に感情による自分勝手なことはしないで下さい。

 あくまでもその場に留め、誰も被害に遭わないように警察官を待つことが目的です。


 職員の感情や攻撃性、プライドなんて知ったことではありません。

 生徒やご利用者の命が第一です。



5、足止めの方法

<声による威嚇>

 大声で

「武器を捨てろ」

「止まれ」

等と大声を出し威嚇します。


 それにより犯人によっては一瞬怯みます。

 逮捕術熟練者にもなると声だけで本当に武器を落とさせることが可能な人もいます。


 それは訓練が必要ですが、声に本気の殺気を乗せるんです。


 通常

「本気で殺す」

と言う感情に触れる機会はありませんので、本気の殺気に触れると人は固まります。


 体に力が入らなくなって凶器を落としてしまうんですね。



<物を持って威嚇>

 これがメインの手段です。

 普段からかなりの訓練量を設けることができるなら、さすまた警杖等の防犯武器を使用するのも有りです。


 しかし、武器は使用に関して熟練するほどの訓練が必要です。

 熟練していないまま使用すると、下手をすると犯人に奪われて、余計に危険な状況にすら成り得ます。


 そのため、私がオススメする物は

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