見出し画像

9.最後の日々 その11

岐阜に帰ってしばらく安定していたなかやま。
6月に帰り、7月がすぎ、8月も中盤になる頃、俺は岐阜に行けなかった。金がないのだ。

なかやまはまた不安定になっていった。
地元で楽しくやってるはずでは。と思ったのだが、まだ問題の核心がわからない俺は、不思議に思っていた。

なかやまは、おそらく寂しかったのだろう。LINEが来た。
なかやま「話したいことがある」と。


電話をしてみると、なかやまはこう話した。
なかやま「友達の子供をみていると、やっぱり子供がほしい」と、泣いていた。

俺は「いわんこっちゃない。」と思った。
はよ、子供産んで、車で遊びにいきまくれ。
と思った。

俺「子供産みな〜」
と世間話かのように言った。
だって今に始まった話ではないし、
早く子供産まないと、5人はもう無理なんじゃないかと思ったからだ。

俺のたんたんとした感じとはだいぶ違い、なかやまは「ごべんねぇ〜!!」とむせび泣いていた。

俺はなんだかこの子、今自分に酔ってない?と思ってしまった。

前のドラマチックな別れ話をもう1回やりたかったようで、俺はなんだか冷めた気分になってしまった。

俺「うーん…もう別れよう。」

なかやま「うん。うん。」と、泣いていた。

こんなにあっさり別れるもんなんだなと思った。


しかし、次の日もその次の日も連絡がきた。
俺「なんだよ笑」
なかやま「今日、友達家で…」

こどもと関わったはなしを嬉しそうにしている。
なかやま自身も、悩みを間違えていたからな。

俺「よかったな笑 それより荷物どうする?全部置いてあんだけど笑 送ると高いと思う。」

なかやま「えー、どうしよう?」

俺「届けに行こうか?Oとレンタカー借りて届けにいくよ。」

というのなら、車で行ってあげれば良かったのだが、「遊べない」という理由で断られていたのだ。

しかし、高速道路代を忘れていた俺。車なら2人で割れば3000円くらいで往復できると思っていた。

1人でなかやまの荷造りし、Oと、その彼女のCちゃんと岐阜へ出発した。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?