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毎週月曜日の密室での事情聴取「昨日、ナニされてましたか?」にボクは何度もフルボッコにされるのだ。

「昨日、ナニされてました?」

毎週、月曜日。
部下の担当するクライアントに同行する車内で、20秒でも沈黙があろうものなら即座にこの質問をされる。

ボクのnoteを読んでくれているみなさんは
まるで想像を絶して、のたうちまわるだろうが、意外にもボクはリアル社会では

しゃべる。

皆さんがイメージしてくれているほどに、
シャイで物静かで、かつクールビューティー男子ではない。

実際に会って話せば十中八九、
「あれ?意外とゆづおさんって話すんですね。やだ、ヴォイス素敵ですね」

って言うことになるであろう。

…と、まあ

冗談か、正気で言っているのか、
こいつこれだけウンチク語るくせに自覚がないのか。

読者の判断がつきづらくなる文章はこのへんにしといて、

基本的にボクは、自身のプライベートの話をオープンにしながら色んなヒトとワイワイガヤガヤと話して一緒の時間を過ごすのが好きだ。

だから沈黙なんてほとんどない。

しかし、一瞬のときを沈黙が支配しただけで、この味気あじけない質問を部下からされるたびに、

「あぁ、オレも苦手な上司であればあるほど沈黙がイヤで無理矢理、話題を探していたなぁ」

と若かりし日のことを回想し、

ということはつまるところ、オレって部下に少しの沈黙をも耐えがたいほどにプレッシャーを与えてしまっているキモおっさんなのだろうか、

と、自分の嫌われ度の高さになげき、そして絶望と悲しみに暮れてしまう。

沈黙を嫌った部下からのこの質問。

改めて考えてみると、

そんなに難しいことを聞かれているわけでもない。サラっと答えられるような気軽な質問。そう思わせてくるシンプルさが逆に、この質問の本質的な難しさであるとも言える。

ボクは週末にナニかをやっていなければならないのだ。特段なにもしていなくとも。

そして一見シンプルで簡単な質問に見えるために少しでも回答に詰まってしまうと、やたらと不気味なのだ。

「えええ、っとね。あの、あれや。あのぅ…あ、え〜っと... あのね...う〜んと、」

昨日のことだ。

回答に詰まっている時間が長ければ長いほどに、ようやく出てくる話の
胡散うさん臭さがプンプンとただよい、話の敷居しきいがグンとあがってしまうのだ。

かといって、むりやり探し出して答えれば良いのだろうか。

それも違う気がする。

だったらどうしよう。
いつでも、どの部下に対してでも対応可能な、デフォルトの回答を用意しておこうか。

はて。

毎週決まってすることはナニであろう。
定番の活動を考えてみると、

あ、あった。

睡眠と小便。

これだけは嘘ではない。
ど定番である。いつもする。

が、
さすがに42歳にもなって、精神的な距離感のある間柄あいだがらの部下に対し、

「まあ小便をしてたわ。最近は寒いからかな。それとも老化して膀胱がゆるんできたせいかな。なんか頻尿だわ。」

と発表してしまうこと。

それだけは良くないだろう。
その程度の常識くらいはある。

さすがにある。

ひんのないオレでも、一応ある。

そんなこんなで、毎週月曜日、この密室でなされる超難問は幾度となく目の前に現れてはボクをフルボッコし去って行くのだ。

「これくらいええやん」が通じない時代になった

ハラスメントが頭をよぎり、言葉を選ぶようになってからというもの、コミュニケーションのなめらかさが失われつつあるというのは、事実ある。

大いにある。

当たり前の話だが、何がハラスメントになるかがわからない風潮が強まってくると、誰も本音でモノを話さなくなる。
本音でズバっと何かを話すと人を不快にさせてしまう可能性が高くなるからだ。

セクハラ・パワハラ問題で厄介なのは、あくまで「相手が不快に思ったか」で判断されるところにある。

大半の人はナニも思わないかもしれないけれど、目の前にいるこいつはそう思うかもしれない。
そうなるといわゆる「気が緩んだときに出る本音」的なものは表に出せなくなってくるのだ。

気が緩んだら何がハラスメントになるかわからない。

普段から「人権」という言葉を
「ゲーマーが仲間内で使うスラング(ゲームが下手とか、ゲーム弱者)としての意味」

で使うのが日常で、
つい軽率にネット配信で

「身長170㎝無い男には人権がない」

と発言してしまおうものなら
なんと所属チームとスポンサーから、イメージ低下を懸念してクビにされちゃう、そんな滅相めっそうもない時代なのだ。

いまの世の中では各所で
「調子に乗せて暴言吐かせて、叩き落すまでがワンセットのエンターテインメント」
になっており、ここまでくるともはやコミュニケーションが障害だらけでぎこちないと言ったらありゃしない。

ボクの部下同行時の会話だってそうだ。
アラサー独身女性の部下から

「映画館に行ってきた」、
「スキーに行ってきた」、
「高級旅館に泊まってきた」

そんな‘’素敵な‘’休日の話を聞いて

「いいなぁ、羨ましいなぁ。しかしなあ、オレも行きたいけど、子供3人いるから無理やなぁ…」

とココロに思ったことを不意に口に出そうとする寸前で、
「いや、ちょっと待てよ、シングルハラスメントにならないか」
と、どうしてもブレーキがかかってしまう。

どう思われるか分からないことは、言わない方がいい。

言ってしまって、
摩擦というか険悪な空気というか、とにかく、そういうピリっと張り詰めたあの空気になることが、

ボクは死ぬ程苦手なのだ。

「何を言われたか」よりも、「何を言うか」のほうが重視される

「はいはい、そうっすね」
で終わらせてくれる許容範囲が極端に狭くなり、とにかく正義を行使しなければ気が済まない人々が増えた結果、社会全体に燃えやすい「空気」が出来上がってしまった。

だからと言って僕が大声で
「揚げ足取りのバカヤロー!」
「その程度ハラスメントじゃねーよ!」
と叫んだところで世界は1mmも変わらない。

他人への配慮がより求められると同時に、他人に心を開きづらくなる世の中の方向性は、もはやもう止められないところまできてしまった。

SNSではリアル社会に比べ、大げさに騒ぐ人が多いのでこの動きはより顕著になっていく。

「怒っている人」はフォロー&フォロワーという絆でつながり、大きな力を作り出す。
その結果、不用意な発言が大きな怒りを生み出し、人々を動かし、とんでもない炎上につながっていくのだ。

こうなるといかに自分で墓穴ぼけつを掘らないかが、とても大事になる。

そして墓穴ぼけつという表現で終わらせてしまうことよりも、もっともっと大事な観点がある。

ついついカーッとなると見失いがちになってしまうが、誰かの悪口を言っている時、それによって評価されているのは
「悪口の対象者」ではなく、
「悪口を言っている自分」

だってこと。

それを決して忘れてはならない。 

インフルエンサーYouTuberが
ある芸人さんから
「ユーチューバーは芸能人の真似事で落ちこぼれ」
「YouTubeなんて、もう2~3年で終わるからね。今のうちに稼いでいた方がいい」

と悪口を言われて頭に血がノボッても、実はその内容を気にする必要はあまりない。

それを聞いたフォロワーが
「たしかにそうだな」
鵜呑うのみにし、このインフルエンサーのことをあわれに思う可能性は限りなく低いからだ。

実際にそうだよね。

しかしこのインフルエンサーが同じ土俵に立って
「お前が30年かけて稼ぐ金をこっちは2~3年で稼いでるから」

と発信した瞬間に、あぁこの人、こんな風に世の中をみているのだ、とここで‘’評価‘’されてしまうのだ。

悪口を言ってしまった瞬間に、発信者の‘’性格‘’や‘’思想‘’、‘’人格‘’は厳しく問われてしまう。

コミュニケーションがリアルから不特定多数とつながるSNSへの移行は、

それはつまるところ

「何を言われたか」を気にする時代から、「何を言ったか」が比べものにならないくらいに圧倒的に重要な時代へ移行したってことである。

ネットの他人はリアルの知人ほど優しくない

でもボクのフォロワーさんは優しい笑

ボクの記事にもいろんな意見が寄せられることがある。賛成や賞賛のコメントもあるし反対のコメントもある。

健全な反対意見は否定されるべきものではないと僕は思っている。批判は自分の発信内容を改善するチャンスでもあるからだ。

しかしあおりは無価値である。

あおりは黙ってソッと削除が基本だが、そもそもでいうとその内容を気にする必要はあまり感じない。なぜならここまで書いてきたとおり、多くの場合、そのコメントで評価されるのは“コメントの書き手”であって、ボクではないからだ。

「久々に見たひどい記事」
「これで笑えるとかある意味すごい」

と明らかな煽りコメントを書かれたところで、ボクのフォロワーでこの煽りに影響を受ける人は少ない…、…、

いや、え、あ、えぇ?
ありゃ?たぶん。

いや、少なくとも全記事に毎日1つずつスキを押し続けた‘’ケムボおじさん‘’は、ボクへの 愛情に一転の曇りもないはずだ。

「何を言われたか」よりも
「何を言ったか」が圧倒的に重要な時代。

だからボクは、ブログにしてもnoteにしても
基本的には、何かの議論に対して
「自分はこう思う」と考察するに留め、誰かに対して「あなたは間違っている」などと断定するのはできる限り避けていきたいと思っている。

何がその人にとって幸せなのかは他人の目からは見えないし、

それよりもナニよりも言ってしまって
摩擦というか険悪な空気というか、とにかく、そういうピリっと張り詰めたあの空気になることが、

ボクは死ぬ程苦手だからだ。

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