裂けるの切符 18 カンテラ。 2023年1月13日 09:33 「裂けるの切符」裂けるくんは日毎自分を裂いたり裂かれたりしながら暮らしていて怒りの導火線に火をつけられた最後の日とうとう自らの全てを裂き切って消えた裂けるくんには女の日と男の日があって女の日に産んだ赤ん坊は穢れた子だと連れ去られた裂けるくんの切符はいつも弾かれて乗り遅れた弾かれた切符はドボドボとファンタオレンジで水浸しにされた満員でもない列車で裂けるくんの場所はないと太ったおばさんに言われた謎と心の中裂けるくんがとうの昔に裂いた自らの唇は訓読みにしか興味を示さずガムを噛んでクチャクチャと体操をしなければ柔らかく開かない音読みであった和式の汲み取りトイレの底には裂けるくんがポトポト落とし重ねた裂けるくんの悔しさや恥じらいがあった裂けるくんの切符は他の人が家族を持ち幸福で温かな旅を続けているあいだ中ずっとそれは本当にずっと最後まで弾かれ続けた怒りの導火線に火をつけられた日裂けるくんは自らの全てを裂いた裂かれる前に裂き切って自分だけの切符で何処かへ消えたのだ探したってもう何処にもいない ダウンロード copy #詩 #切符 18 この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか? 記事をサポート