塾とヴァカンス

今日、友達が塾に行くのについて行ってみた。実は私は中学生以降塾に行った事がない。逆に幼稚園と小学校の時に行っていた(幼稚園の塾といっても、所謂小学校受験の為の教養を学ぶ場である)。そして今日、大学受験の為に勉強する高校生がひしめく某塾に行って何を思ったか。

何と日本の社会は世知辛く、難しく、楽しめないのであろうか、という事である。

主にフランスから帰ってきて間もないからこう感じたのだろう。何故ならフランスの高校生は勿論塾など行かない。少なくとも私の知っている友人達の中で大学受験などの為に放課後に何処かへお金を払って勉強をしに行くという人はいなかった。長期休暇中も、夏期講習などに行くなど聞いた事がない。代わりに彼らがヴァカンスの間に何をするかというと、家族や友人と時間を過ごすのである。Côté d’azurのCannesやNice、Monacoをヨットで回ったり、人によってはフランスの海外県であるカリブの島であるMartiniqueに行ったりする。冬であっても、皆アルプスの方へ行き、スキーに興じる。たとえどこかへ遠出をしない人でも、フランスでは至って普通である、自宅のプールに友人を呼んで大きなSoirée、パーティーを開いたり、友人と乗馬に興じたりする。

こんなフランスの世界を見た後で、夏休みにお金を払って密室で十何時間も勉強する日本の高校生達を見ると、やはり考えることは多くある。何しろどちらも皆16歳から18歳の同じ年代なのである。ただ国が違うだけである。

しかし日本に生まれ、もし日本の大学を受験しようと考えているのであれば、塾というのはかなりの大多数が経験する場である。

やはり甘んじて勉強するしかないのだろうか。


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