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THE GAME8 TEAM ~ゲームエイトCTOが最も大切にする法則とは~

ゲームエイトのCTOとして開発業務全般を統括しています。ちゃんさんと呼ばれています。

タイトルは話題の名著THE TEAM 5つの法則のオマージュです。組織運営において基礎的なことや何となく改善していることを捉え直して実践しやすいように説明している本だなと感じました。アタリマエのことをアタリマエにやるのは強い意志が必要で、それを「法則」でサポートするのは非常に効果的だと思うので、是非本を読み実践してみると良いと思います。


組織づくりにフルコミットした1年でした

さて、僕に関しては、ゲームエイトに入社して1年が経過しました。これまで片手間でやってきていたマネジメントが本業になり、どのようにマネジメントしてきたか振り返ろうかなという記事になります。
一言で言うと、今まで溜め込んでいたものを放出した結果うまくいった1年でした。マネジメントを楽しんでいる人、苦しんでいる人、進め方が分からない人色々居ると思いますが、うまくやれている一例としてご笑覧頂けたら幸いです。

想定読者
1.マネージャ並びにマネジメントに興味がある方
2.THE TEAMを読んでいて具体的事例に興味がある方


自分なりのマネジメントを見つけることが第一歩

まず一番大事なことは、マネジメントに於いて正解はないということ。
先日、「令和」発表の記者会見でも話題になった『世界に一つだけの花』の歌詞にもあるように、一人一人違うので必ずその人に合うようにカスタマイズする必要があるんですね。ある人にはダメなこともある人には最適なアプローチだったり、ブレンドしたり。

更に大事なのは、マネジャー自身も一人の人間なのでマネジメントのやり方も必ず自分なりに解釈して自分なりにカスタマイズして実行しなければならない。本に書いてあるとおりにやっても改善はするかもしれないけどやり続けるのが辛くなったり最適な効果を得ることは難しい。
マネジメントをすることが楽しく、かつ自分も成長できるようなマネジメント方針を見つける必要があります。

僕自身の例で言うと、型に嵌められるのが本当に苦手でやれと言われても出来ないしメンバーを型に嵌めようとも思わないので、とにかくメンバーが成長するにはどうしたら良いのか、成長の本質はどこにあるのか、それを探ることをひたすらやっていました。
そうしていくと型の方が寄ってくるタイミングがあるので、その際は型を適用する。型にメンバーを嵌めるのではなく、メンバーに型を嵌めることを強く意識していました。


相手を知りたいならまずは自分を晒す

マネジャーや部長ともなると完璧超人のように見られがちですが、あくまでもロールなので、「ロール」であるということ、「ロール」としか捉えていないことをメンバーと握ることが最重要です。
人は完璧超人(でありたいように見える人)に対しては、自分のことをわかってもらえない気がして全てを話さなかったり身構えてしまったりしがちなので、まずは自分の弱点を晒して、「同じ人間なんだ」「ロールの違いこそあれど人間としては変わらないんだ」ということを強くメッセージングするのが近道です。そうすると相手も晒してくれるようになる。自己開示の返報性効果ですね。
更に大事なのは、「実はこれ返報性という性質を利用してみたんだよね」という感じで手の内を晒すことで、ブラックボックスになりがちなマネジメントがオープンになり、相手も心の内を明かしてくれる確率が高まります。


ムダなコミュニケーションがあっても良いじゃないか

僕の場合は、むしろ推奨しています。
普段から気軽に話していることで、業務上困った時に声をかけやすい。逆だと、いつ声をかけていいか分からず時間だけが過ぎることはありがちだなと思っていて、その観点からコミュニケーションを推奨しています。

ゲームエイト社は全社的にコミュニケーションが活発で執務スペースがガヤガヤしているのが特徴です。会社というよりサークルに近いような雰囲気が出ており、もちろんそういうのが苦手な方はいると思いますが、僕は大変気に入っています。(もちろん集中したいときはヘッドホンを付けたり静かなスペースでやったりなどはできます)
幸いなことに右肩上がりの成長を続けておりますが、従業員が100人を超えても組織の垣根がほぼなく、コラボレーションが自然に生まれたり気軽に相談出来る環境が成長を支えているのかなと思います。


意思を持つこと

マネジメントに於いて重要なことはまだまだあるのですが、最も重要なことは意思があることだと思っています。
法則はあくまでもサポートなので、強い意思がなければ、現状維持バイアスがかかり次第に形骸化していってしまいます。

僕の思いはただ一つ。

試行錯誤を楽しんで欲しい

この一言に尽きます。


最高の空間を作ろう

これまでに書いている通り、僕が最も大切にしている法則がCommunicationの法則です。最高の仕事は最高の意思疎通空間から生まれるといっても過言ではないという思いからマネジメントを実施しています。

僕が最高の空間を作るにあたり最も大切でありベースとなるキーワードが「心理的安全性」です。
心理的安全性が低い状態では「無知だと思われる」「邪魔だと思われる」などのネガティブな感情が先行してしまい、とても発言が出来る雰囲気ではなくなり、活発な議論が出来ず無関心になったり、不安に苛まれて成長意欲を失ってしまう(防衛反応)というように悪影響が図り知れません。
一方、高い状態では、試行錯誤した結果を共有したり、間違いを許容出来たり、過去の出来事を非難せずに未来に繋げる議論を出来る環境が生まれます。その環境から生まれる、挑戦意欲学習意欲他者へのリスペクトを非常に大事にしております。

成長 = 「心理的安全性の確保」×「大きな責任(裁量)」×「期待値調整」

それとセットで大事なのが成長の機会を潰さないこと。上に挙げた図で示されるように心理的安全性が高い状態で負荷がない状態はともすればぬるま湯になってしまい、大変快適で居心地が良いものの成長することなく日々なんとなく過ごしてしまい成長することなく気づいたときには手遅れ、なんて悲劇が起こってしまいます。
僕のマネジメントにおいてはそれを試行錯誤を推奨することで担保しています。どんどん失敗してくれて構わない。失敗を糧に成長してほしい。試行錯誤には自由度が大切なので裁量を大きくすることと、大きくしすぎて潰れないように都度「期待値調整」をすることを徹底しています。代表のインタビュー記事でも語られていますが、「期待値調整」は成長の観点で非常に重要なキーワードなので、全人類に意識してもらいたいぐらいですね。

「期待値調整」の重要性をよく認識している西尾氏は、Gunosyグループに入って約3年経った現在でも、毎週欠かさず担当役員とのコミュニケーションを行なっているという。

このように、試行錯誤を楽しみ成長出来る空間を提供し続け、長期的に強い組織にしていくのが僕のミッションです。
※試行錯誤に関しては、こちらでも取り上げてもらっているのでお時間ありましたら是非ご笑覧ください。→失敗を恐れないエンジニアの育て方


これからもぐんぐん成長してほしい

振り返ってみるとメンバーがぐんぐん成長していく様子を見るのが非常に楽しかった1年でした。自分なりのマネジメント方針を決めるべきという話を冒頭で書きましたが、自分の興味とリンクさせることで法則と並ぶ強いサポートになると感じました。また1年引き続きぐんぐん成長させていきたいと思います。ゲームエイトのみんな頑張ろうな!


付録:僕が考えるマネジメントの法則

意思がベースとして方針を決め、興味や法則といったサポートを受けながらアクションを実行する

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