きたがわみさと

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好きをするために嫌なことをする

「自分の好きなことが仕事になるように、チャレンジの場ができたらいいな」と話したら、Aちゃんが「好きなことをするためには、まず嫌な仕事をしないといけない」と言った。 「好きなことをするための下積みや勉強や努力はもちろん必要だけど、そのために嫌な仕事をする必要ないやん」と返したら、「えっえっそんなんええのん!」とびっくりしたようだった。 そこに居合わせたほとんどの少女たちは、好きなことを仕事にするという発想自体が、とても悪いことのように思っていて、仕事=我慢しなければならないこ

    • 絶対的な孤独を私は知らない

      晦日の晩、バス停でバスを待ちながら、お正月のことを話していた。 お金がないから実家に帰るのだと大きなバッグを抱えて話す少女に、 もうひとりが虐待の親の元に帰るのは危険だから、何とか帰らなくて済むようにしなくっちゃ、また余計にしんどくなるよと諭している。 そういう彼女も身寄りはなくて、夜行バスに乗って東京に遊びに行くつもりが、 コロナの影響で外泊禁止となり、がらんとした寮でひとり生活するという。 お正月をひとりで過ごす人は、今年は結構多いのだろうなあと。 そういえば、関わっ

      • 2020年おめでとう

        明けましておめでとう。 22年京都に住んでいながら、3回目の年越し。耳を澄ませば4種類ほどの鐘の音が響く、厳かに過ぎていく令和元年。 旧年に大層お世話になった上京区にある興聖寺に煩悩を払いに伺う。55番目の鐘をつく。受付でもらった紙の裏に書かれていた文。 我昔所造諸悪業(この一年また他人へも自分へもまずいことをやりました) 皆由無始貪瞋痴(貪り憎しみて忌み妬み怒り愚痴わがままの結果です) 従身口意之所生(これらはみんな心と言葉と行いから出たものばかりです) 一切我今

        • 自由という無限の大海にいること

          高校生の授業で話した時のスケッチが気に入っていて、何人かに話したらイイね!もらって、図に乗ってパワポで作ってみたのだけど、まだ公開していない件。 みんなと一緒のスピード、みんなと一緒の方向、おんなじ顔の色をして、生きていくの。それは、ついこの前までの私。ちょっと気を許すと速く走りすぎたり、曲がってしまったりで、あーだめだだめだ、周囲から浮かないようにしなくっちゃと頑張って泳合わせていた。そんなんだから、自分のことなんかみてなくて、他人のことばかり気にしていた。自己肯定感なん

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        • 京都わかくさねっと
          1本
        • kitagawa
          5本

        記事

          生きづらさのなかの清涼水

          「英語圏の「幸福」は、不幸を消したところから幸せが生まれる。 日本語圏の「幸福」は、つねに苦と楽を行き来している」 少し前にロバートキャンベルさんが、話していた。 私たちが関わっている生きづらさも、同じこと。 ずっと生きづらいわけではなくて、あるときは生きづらいけれど、でも次の瞬間は生きづらくなかったり、行ったり来たりしているよねって、若草のシンポジウムで志藤先生が話してて、なるほどと思った。 生きづらさの芽をプチプチと潰していくー生きづらさの原因を解消することばかり

          生きづらさのなかの清涼水

          福祉と教育

          児童相談所のパートのおばちゃんを始めて4ヶ月が過ぎた。来る前は虐待親を監視するコワいところかと思ったら、全然違った。 ひとりの子どもに対して、たくさんの大人たちが集まって、あれやこれやと話し合う。おかあちゃんやおとうさん、家族のことも話し合う。これだけのひとがその家族のことを真剣に考えているのだ。これにはびっくり。 その視線が優しい。「おかあさん、どうしてイライラしているのかなあ」「おとうさんもたぶんシンドイんだよね」「おかあさん、この能力でよく頑張っているよ」「どうしたら

          いまの活動をやっている理由

          one day cafe ,kyotoの対話カフェに参加した。わかくさねっとの活動についてスピーチした。大好きなみーにゃんが対談相手だし、安心して気負わず話すことができたかな。いやいやそんなことはなくて、発達凸凹のメンバーの前で、少女の生きづらさを話す上で、どこかで自分の生きづらさをさらけ出さなければいけなくて、それはとても勇気がいった。 最後にみーにゃんが「いつも逆風ばかりの状況なのにどうして活動をやめないのですか」との問いに、ちょっと困ったな、それは逆に私が知りたい今一

          いまの活動をやっている理由