韓国での結婚式②

 こんにちは。キウイです。また間が空いてしまいましたが、韓国での結婚式の様子について少しずつ書いていきたいと思います。今回は結婚式の事前準備であるモバイル招待状づくりについてお話します。

結婚式準備:モバイル招待状づくり

 詳しくは前回の記事「韓国での結婚式①」を見ていただきたいのですが、韓国での結婚式は伝統式で行うことに決めていました。そして主催者はワイプのご両親でしたので、式場(郷校)との契約や韓服の手配などはすべて韓国現地にいるご両親が進めてくださいました。
 日本で結婚式の準備というと、「ドレス選びが大変だった」「何度もプランナーさんのところに通い、決めることが多かった」「誰を呼ぶか迷った」などの苦労を聞くことが多い印象でが、私たちの結婚式はこの部分をご両親に丸投げでしたので、そういった大変さはありませんでした。逆に、「何を着るのか」「どういった段取りなのか」「誰が来るのか」が全く分からず、自分たちの結婚式なのに何もしらないという不安な状態でした。(これは私たちが無関心だったわけではなく、「着るもの(韓服)の種類が非常に多く、直前に自分たちで決める」「招待者のメインはご両親の友人知人およそ200名で、ほぼ誰も知らない」「伝統式(郷校)での結婚式の例が少なくイメージを持ちきれない」という背景からのことでした。)
 そんななかで唯一私たちに課された準備は、「モバイル招待状」に載せる写真撮影でした。これは何かというと、韓国では紙の招待状を送るのではなく、カトク(カカオトーク。LINE的なもの)で「モバイル招待状」を招待者に送ることが一般的であり、そこに前撮りの写真を載せねばならない、というミッションでした。この「モバイル招待状」はなかなか便利で、新婚新婦の前撮り写真、連絡先が閲覧できるほか、結婚式場へのアクセスなど必要情報が記載されており、参加不参加の連絡ができることはもちろん、ご祝儀を送金することもできるというものでした。(便利と言えば非常に便利なのですが、ご祝儀をペイペイでもらうと考えるとなかなか味気ない気がします。)
 モバイル招待状に載せる前撮りなのですが、なんでもよいわけではなく、「こういうものを載せる」という型のようなものがあります。うまく言い表せないのですが、「韓国人が取る結婚式の写真」っぽいやつです。幻想的な背景に、光に包まれた新婚新婦が、つるっとした顔で映っているやつです。「韓国 結婚式 写真」とかで検索いただくとイメージできるかと思います。つまり、韓国の前撮りのフォーマット通りの写真を撮らないといけないわけです。とはいえ韓国で撮影すれば大体このような仕上がりになるので、特に何かを意識する必要はないのですが、日本でこういった写真を撮ろうとすると、非常にハードルが高いということがわかりました。やはり日本の前撮りとは、写真の仕上りが少し違うからです。端的に言うと、韓国の写真のほうがデザインや構図が洗練されており、また、人物に関してレタッチがかけれるという点に特徴があります(つまり加工されます)。
 日本でこうした雰囲気の写真を撮れるところがないか探したのですが、フォトスタジオの写真は仕上がりのイメージが合わず、「韓国風」と謳うスタジオや個人のカメラマンの方も探してみたのですが、条件等々が合わず、なにより万一イメージ通りとならなかった時のことが懸念されました。日本風の前撮り写真でもよいのではと思いはしたのですが、韓国での結婚式のオーナーはワイプのご両親なので、最大限合わせたいと思い、結局は渡韓して撮影をすることに決めました。

モバイル招待状のための前撮りで顎が尖る

 結婚式までの日にちがあまりない中で、日本での撮影が難しいことがわかり、急遽週末に前撮りのための渡韓をしました。ワイプの実家のある街のスタジオで予約をし、タキシードとドレスでの写真を撮ることにしました。
 当日、スタジオに到着すると、まずはメイクが始まります。女性はもちろん、男性も当然のようにメイクをされます。バタバタとファンデーションを塗られ、そのあまりの勢いに「これであっているのか」という思いになりましたが、隣のワイプのほうからもバタバタという音がするのでそういうものなのだと思いました。髪のセット、衣装選び等、非常に手際よく進み、フルメイク・タキシード&ドレスの二人が仕上がりました。
 いよいよ撮影かと思われたのですが、しばらく待っても何も始まりません。聞くと、「カメラマンがロケーション撮影に行っているのだが、前の現場が押していて到着が遅れている」ということでした。準備の手際が良すぎたこともあるのかと思うですが、ここでしばらく待つことになりました。
 カメラマンが到着すると、ここでも非常に段取りよく、「韓国風ポーズ」(私の語彙力がないだけです)を指定していただき、サクサクと撮影を終えることができました。ワイプはドレスのまま長時間待たされたことから、ドレスの締め付けに苦しそうでした。笑顔で頑張って撮影を終えると、どっと疲れた表情を浮かべていました。急遽の渡韓で非常にハードなスケジュールだったと思います。
 2週間後、イメージ通りの素敵な「韓国の前撮り写真」が完成しました。10枚ほどの写真が出来上がったのですが、その中でも向かい合う2人の写真がお気に入りで、モバイル招待状に載せる写真としては満足するものが取れました。予想通り、人物にはなかなかの補正がされており、上手に補正がかかっているものもあれば、「やりすぎ」とも思われるものもありました。2人が正面を向いてほほえんでいる写真があるのですが、顔の補正をやりすぎて2人の顎が剣先のように尖りきっており、「全部これにされなくてよかった」と笑いながら安心したのが良い思い出となっています。
 



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