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ご厚意

今朝土曜にしては少し早めに起きれたので近所にモーニングを食べに行った。

マスターと奥さん二人で切り盛りしている軽食ランチのほっこり家庭的なお店だ。
自宅の1階部分を改装したお店で、週に3日だけ営業している。

モーニングの時間に来るのは初めてだったが、店に入ると私が1番乗りだったらしく2人は客席で新聞を読んでいた。

「いらっしゃーい、今日は早いね」

月に1.2回ランチを食べに来ており、1ヶ月ほど前にモーニングが始まったと知ったので早く起きた日に是非来たいと思っていた。

ランチメニューは15種類位だが、カレーから上海焼きそばまでバラエティーに富んでおり、スパイシーカレーは本当にしっかりスパイシーだし上海焼きそばは太麺でちゃんと中国醤油で味付けられているのかしっかり異国の風味を感じられる。

えび高菜チャーハン

モーニングはシンプルな「トーストに目玉焼きとベーコン」か「ミックスサンド」の2択。

私はミックスサンドを頼んだ。

地元密着型のお店なので、お客さんも皆顔馴染でそこまで登場頻度が高くない私も有り難いことにマスターと奥さんに顔を覚えてもらっている。


ミックスサンドが出てきて本日の一食目を堪能していたら奥さんが「これ、どうぞ」と言って苺ムースを置いて行ってくれた。

ミックスサンド680円 ドリンク付き
ムースは撮り忘れた


マスターは元々ケーキ屋さんだったため、ケーキも常時3.4種類置かれており、ケーキとコーヒーを楽しみに来る近所の御婦人もよく見かける。


ミックスサンドを平らげ、いただいた苺ムースを食べながら至福のひとときを過ごしていた。

食べ進めていくと自然と次の動き、すなわち"お会計"の事を考え始めた。
1000円で足りるかな。680円だから足りるよね。でももしムース代がかかったらどうだろうか。でも「これどうぞ」と出てきたからなぁ。

今食べている苺ムースは本当にご厚意なのか と言う疑問がほんの少しだけ出てきた。

タダだったら食べたいし金かかるならいらん!とか言うような事ではなくて。

多分きっとサービスだろうけど、もし料金がかかったとしてもビックリするような金額ではないし、別料金だったとしても結局オーダーして食べたい位美味しい苺ムースなのだけれど。









3年ほど前に企業のYouTube撮影で地方へ行った時のこと。

大雨でその日は撮影は無くなり、かと言って外に出るのも億劫でホテルでダラダラしていた。

その頃私は数年に一度訪れる"タトゥー入れたい欲"が出てきている時期で、しかも今回は体に入れるタトゥーではなく顔面に入れるタトゥーに心から憧れていた。

ポストマローンになりたかった。


私は激飽き性なのでタトゥー入れても秒で飽きる超近未来が目に見えるので体にさえタトゥーは入ってないのだけれど、一度そうなったモノにあまり後悔しないタイプなのでまぁ顔面にタトゥー入れて飽きてもそれはそれで受け入れる気がするのだけど。

でも実際問題色々無理あるじゃないですか。



じゃあ消えるテンポラリータトゥーにしよ。
暇だし。

と、近くで検索したら徒歩7分の場所に発見し電話してすぐに向かった。


小さなお店の中に入ると電話に出たお兄さんが迎えてくれた。一人でお店をやっているようだった。

ノリが良いお兄さんで、話をしていると地元が同じで2.3歳しか変わらず、当時のヤンキーの名前が通じたりして大いに盛り上がった。

私は眉上と反対の目の端にワンポイトを入れるオーダーをした。

2週間で消えるというのにバチバチのポストマローンにする勇気はなく控え目なオーダー。


控え目故すぐに終わった。
すると、お兄さんが「ちょっとこれ首元かどこかに入れてもいい?」と、ローリング・ストーンズのロゴのベロを出してる口の絵を見せてきた。

正直好みではない。ダサい。

顔面タトゥーは充分に厨二だが、首元の唇タトゥーが入ることによって私が目指す厨二とはまた別の厨二っぽさが加わってしまう。
嫌だ。

でも散々地元の話で盛り上がったし、お兄さんのご厚意ありがたいし、まぁ首元なら髪をおろしてれば見えないし最悪お風呂で擦りまくれば早く消えるだろうしな、、と、今さっき出会ったばかりの相手に何故か義理を感じて「うーん」と悩みながらも「まぁ、首になら、、」と、しゃーなしの気持ちで承諾した。

NOと言えない日本人


こちらもすぐに入れ終った。

デカデカと入れられた首元のタトゥーは想像した通りで、これからどうやって隠そうか、、と入れた直後から思わせるものだった。


サイズで値段が決まるので、お兄さんが計算し始めた。
「1500円のワンポイトと2000円の眉上の」

よしよし、3500円か。と思っていると

「あと、首元の3500円で、7000円ね!」


うおおおおぉぉぉぉおおい!
それ料金発生してたんかい!
お兄さんがやりたいだけだと思ってボランティアの気持ちで首元のスペースを提供しただけだったのだが!
しかも1番高いじゃん!




地元話で散々盛り上がってしまったし
勝手に厚意だと思ったのは傲りだったか、、とか一瞬思い「え?これもお金かかるんですか?」とは言えず。

渋々7000円払いその後しばらく首元を隠して過ごす事となった。


注: 企業のYouTube撮影で来ている。









そんな一件から時を経て

美味しいモーニングからの苺ムースを食べ終わり会計中。

お釣りは320円だった。

次回苺ムースもオーダーしよう。





そして改めて思う事

あのタトゥーはお金取ったらダメでしょー!!!



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