見出し画像

好きなアニメの話No.8「やがて君になる」

仲谷鳰先生による連載漫画「神さまがまちガえる」の単行本第1巻が発売されました。私も早速買って今読んでいます。

・・・という下書きを書いてから1か月近く経っている上にもう読み終わっているのですが・・・。

仲谷鳰先生はこれまで「やがて君になる」を連載し、2018年にはアニメも放送されました。私もこのアニメは好きで、見終わった後原作も買って読みましたし、今日までにアニメもほぼ1年に1回のペースで見ているので3周はしました。

今回は「神さまがまちガえる」の単行本発売を記念して(便乗ともいう)、「やがて君になる」について書きます。



・あらすじ
人を好きになる、誰かを特別に思う気持ちが分からないという悩みを抱える高校1年生の小糸侑は、偶然にも1つ上の先輩である七海燈子が男子生徒から告白を受けている場面を目撃してしまいます。男女問わず告白をされる燈子ですが、誰に告白されても相手の事を好きになれないと侑に話します。それを知った侑は、自分も特別という気持ちが分からないという悩みを打ち明けるのですが、突然、燈子は侑に「好きになりそう」と告白をします。
燈子は「私の事は好きにならないで欲しい」という条件の下で侑と行動を共にし、侑に対して一方的な愛情を向けます。侑も戸惑いはありながらも、燈子からの好意を受け入れますが、燈子の事を知っていくうちに、侑にも少しずつ心情の変化が表れてきます。


今作はカテゴリとしては「百合」に分類されるわけですが、人を好きになる気持ちが分からない子と一方的に好意を向けてくる子というこの関係性は、本当に恋愛に発展していくのか、どうなるのか予測しにくい設定です。仲谷先生がインタビューで話した言葉を借りると、この2人は「こじらせている」わけで、単に女の子同士の恋愛を描くだけではなく、このこじらせた2人の人間模様、心情的変化を追っていく作品であると思います。
「神さまがまちガえる」仲谷鳰が今、日常ものに挑む理由。自分が読みたいものを描く楽しさと難しさ - コミックナタリー 特集・インタビュー (natalie.mu)

だからといって百合作品らしい絡みが無いかというとそういうわけでもなく、ちゃんとイチャイチャしている所はしています。しかし、侑は燈子から何かされて戸惑う事はあっても急にデレたりはしないので、見ている側としてはくっつきそうでくっつかないもどかしさがたまらないのです。
「安達としまむら」もそういう感じでしたよね。安達は先走って空回るけどしまむらは冷静、みたいな。私はそういう関係性に弱いのです・・・。


アニメでは、文化祭で生徒会メンバーによる劇をやる事が決まり、台本を決めたり稽古をしたりするところまでは描かれているのですが、実際に劇を披露する所までは描かれていません。つまり話半ばで終わっているわけですが、それにも関わらず終わり方が綺麗です。アニメのオチになるので具体的に何がどうなるとは言えませんが、構図やセリフが良いんですよね。アニメの内容を超えて原作の話を書いてしまいそうになるのでこれ以上は書きませんが・・・。

あとヘッダーのキービジュアルを見てもらえれればお分かりの通り作画も本当に綺麗です。花を基調としたOPから既に美しいですが、本編でもキャラクターも美術も綺麗です。生徒会室のちょっとくたびれた感じの机も質感が伝わって来るようです。
ストーリーも良いですが、それを更に引き立てる作画や構図も要チェックです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?