見出し画像

ページを開くと、70×100cmの大画面! 巨大な本の鑑賞会をしました

小学館では「SUMO本」という超巨大な書籍を刊行しています。
どれくらい巨大かというと、高さがカラーコーンくらいあります。これは、人間でいうと、寝返りできるようになるころの赤ちゃんの身長くらい(個人差かなりあり)。用紙でいうと、B2サイズです。ページを開くとB1サイズズ、駅などに貼ってあるポスターと同じと考えると、どれだけ大きいのか想像しやすいでしょうか。

SUMO本は2020年に誕生して以降、現在までに3冊が刊行されています。
第1弾『東大寺』は和樂Webの記事でも豊富な写真とともに紹介されています。


第2弾は日本を代表する世界的写真家、土門拳の仏像や古建築の写真216点を収録したその名も『土門拳』。

そしてこの度、SUMO本第3弾として、古代日本人の歴史の舞台を撮影し続けた写真家、入江泰𠮷の写真224作品を収録した『入江泰𠮷』が刊行されました!

入江泰吉(いりえたいきち)・・・1905(明治38)~1992(平成4)年。奈良市生まれ。第二次世界大戦後の失意の中、ふるさとの美しい風景、すぐれた仏像に目を開かれ、 古寺遍歴を思い立つ。以降半世紀近くに渡って、四季折々の 大和路の風景を撮影、叙情豊かな風景写真と深い精神性を示す 仏像写真で「大和の美」を表現した写真集を数多く刊行。

と、ここまで順調に刊行しておりますが、SUMO本の重さはなんと13kg。これはクロスバイク(自転車)の標準的な重さと同じらしいです。こんなに大きくて重いと、編集部内で気軽に手にとってめくってみる、ということができません。
そこで、出来たての『入江泰𠮷』と担当編集者を囲んで編集部員で鑑賞会を開催するということで、私いそ貝も参加して参りました!

あまりに大きいので、長机2台を並べて広げます。タイトルの文字は、本人の署名から。奈良大和路の夕焼けのような茜色の表紙をめくると・・・・・・(以下、いそ貝の感想が続きます)。

まさに夕焼けの景色! 奈良の山々が幾重にも重なり、奥にいくほど霞んでいきます。別のページでは、夕陽を反射し輝いているように見える棚田。パソコンやスマホのように、画面自体が発光しているかのようです。

白黒の写真は、グレーの階調がきれいに出ています。少しずつ濃度が異なるグレーが、こんなに繊細に表されているなんて。担当編集者の思い入れのあるページやそれにちなむエピソードを聞きながら、図々しくも一番近い場所に陣取って「ほぅ・・・・・・」と感嘆のため息をついて鑑賞しました。

奈良大和路の風景写真に引き続いて、奈良の古寺や仏像の写真も!見開きで見る阿修羅像(興福寺蔵)は、やはり迫力が違います!6本ある腕のうち3本の手首をわざとトリミングして見せない、という構図の妙も合わせて鑑賞します。

 白黒の写真。仏像の指先もアップも、お顔のアップも、A2サイズの大画面だと迫力が増します。

SUMO本を初めてみたとき、これは絵を見るように、ひとりでじっくり鑑賞したい本だな思いました。しかしながら、こうして鑑賞会に参加し、複数人でわいわい会話しながら見るのもすごく、すごい良いです!
担当編集者からはテクニカルな話が聞けるし、一緒に見ている人からは、思いがけない感想や、自分と同じ考えを違う言葉で聞くことができ、理解が深まります。

今回はSUMO本という大型本ゆえに開催された鑑賞会でしたが、今後、コンパクトな書籍でも興味のある人達で鑑賞会を開いてみたいと思いました。

なお、このSUMO本、第1弾『東大寺』刊行時は書店で実物を展示して実際に開いて見ることができたようです。 今後も実物を見られるキャンペーンがありましたらお知らせいたします。

和樂を応援してくださる方の投げ銭お待ちしております。