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【たわごと#109】令和のトイレットペーパー騒動

新型コロナウイルスでマスクが店頭から消えたと思ったら、ティッシュペーパーやトイレットペーパーといった紙製品が全体的に無くなってきて、最近はお米やインスタント食品といったものまで買い占められているらしい。ほぼ半世紀前の1973年にオイルショックでトイレットペーパーが買い占められて店から無くなるという騒動があった。私は教科書で勉強したけども、先生には「昔はこういう噂話で世の中が混乱する事があったんだよ」と教わった。それがまさか令和の今、50年前と同じようにトイレットペーパーを求めて多くの店を回って何時間もかけて手に入れる集団が現れるとは思ってもみなかった。

転売屋によるマスクの買い占めに始まり、紙製品が無くなるというデマ、そして不安が増加したのかお米や缶詰といった備蓄品までが加速的に売れている。最初は噂を信じた人も多かったと思うけど、今は噂であることは分かった上で物が無くなっていくことに不安を感じて買い占める人が多いようだ。

こういった行動を避難する声も多いけど、危機を感じるタイミングの違いだけのような気がしている。私みたいに何とかなるだろうとのんびりしている人でも、一ヶ月経ってお店は相変わらず商品が並ばず、家の在庫がほとんど無くなったらさすがに不安を感じ、お店を探し回るのではないか。ただ今の時代になって、ものが手に入らなくて困るなんて経験も無い人がほとんどなのに、昔と変わらず不安になってしまうのは何でだろう。

色々と理由があるんだと思うけど、単純に何も考えずに何かを信じられる人が減ったんだなと感じている。政治家や専門家が大丈夫だと言っても確証がないと信じられない。仮に細かく説明したとしても、ほとんどの人は専門的な知識も無いので理解出来ないし、それがまた不安を増加させてしまう。無知の知とは言ったもので、自分に判断できる知識が無いと理解していれば説明なんて求めても仕方が無いし、それなら誰に判断を委ねるか決めるしかない。テレビのコメンテーターに委ねる人が結構居そうだけどね。

そして何より、多くの人が他人を信じられなくなったような気がする。なんやかんや言っても国家レベルの危機の時は、みんなで頑張ろう、みんなで助かろう、なんて考えて協力するのが日本の美徳ではなかったか。それが自分が助からないとという焦りが先に来てしまっている。私ならマスクにしろティッシュペーパーにしろ、無くなったら誰か譲って貰えないか聞いてみようと思うし、逆にそういう声には出来るかどうか分からないけど、なるべく応えたいと思う。そうやって譲り合ってれば大丈夫だと思うんだけど、私の考えは甘いのかな。

正直なところ、町内会とか近場の人とのコミュニケーションは煩わしく感じていたし、そういうのが無くなってきた今の時代を良くなったと考えていたけど、必ずしもそういう訳ではないみたいだ。薬局の店員に「新型コロナウイルスより人間の方が怖い」なんて言われる世の中は最悪だ。何とかみんな冷静になって、まわりの人が大丈夫か心配出来る余裕を取り戻して欲しい。

#たわごと #日記 #トイレットペーパー騒動

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