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#04 「未練の幽霊と怪物」にありがとう のnote

 岡田利規さんの舞台って、私にとってはただ舞台というより、現代アートと呼ばれるものみたく接している気がしますし、神聖な経典や予言の書のような存在に近いものを感じています。見る側が誠実さを持って読む姿勢でないとなかなか読めない、自分を試されるように読んだり、少し遠くの、けれどきっと大切な警鐘のような、その簡単でなさも含めて、とても好きなんですよね。

 当然、全てを理解しているつもりも毛頭なく、何を言っても恐れ多く、おこがましく、果たして「ありがとう」の言葉以上に何が言えるのか。否、言えぬ。とかく冷静に今作の紹介すべし。私にできることは只それのみ。いざ行かん。とPodcast収録に挑みましたが、聞き返すとただの「気持ちが溢れ出して早口で饒舌になるオタク」で、えええこれ誰?いつ酒飲んだっけ。こうやって人は意図しないうちに意図しない自分になってしまうのだなと。怖いですね。

 それにしても「未練の幽霊と怪物」、まさか文字通りの舞台(ステージ)と幽霊をこの目で見られると思ってませんでした。すごいなあ、すごいよなぁ。演劇ってすごくないですか?オンライン幽霊。オンライン呪い。KAATでどんな表現になるか楽しみでしたし、今だって楽しみですが、Youtubeのなかで幾重にもまどろむレイヤーと光、現れては消える亡霊たちに、もう十分すぎるほど打ちのめされています。装置について懸命に説明したつもりでしたが、探してもアンオフィシャルしか見つからなかったので、気になる方はご自身で検索ください。

 あと大事なことをPodcastで言いそびれていました。七尾旅人さん、すごかったですね。語りべでもあり、ダンスと寄り添うリズムと旋律でもあり、幽霊が発する呪詛のようでもあり、地中からうごめくゾンビのうめき声のようでもあり。ほぼイタコ。ストーリーと、音楽と、未練の。

 Podcast中で言っている「公園の公演」はこれですね。

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 当時の写真です。トランシーバー片手に屋外からカフェを眺める演目。いけないことをしているみたいで、そして寒かったです。

 金氏徹平さんとの共作、とても好きです。「消しゴム」シリーズは京都ロームシアター「消しゴム森」拝見しました。レイヤーが重層化しまくってて手も足もでなかったけど、儚かった。

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 私は常々、フタしてる間しか働かない洗濯機や食洗器は人間をなめてて、公然とサボってるんじゃないか、と疑っているのですが、この演目「家電のように解り合えない」はそんな私に大変フィットしました。

 そういえばダーマツさんとは、いつぞや六本木アートナイトで金氏さん作品「tower」に行きました。contact Gonzoをウッカリ最前列で見て、この写真の数分後に私のコンバースが彼らに持ち去られます。

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 大好きな高嶺格さん「God bless America」は、「God Bless Baseball」のアフタートークに竹橋の東京国立近代美術館の関係者の方がいらしていたことから好きになりました。アフタートーク回はなるべく行ってみるものです。「God Bless America」は竹橋の近代美術館所蔵の作品なので、数年に1度くらい見ることができます。

 塩田千春さんとの共作は映像作品でしか見ていなくて、実際に見たかったと悔やまれることの一つですね。昨年の六本木ヒルズの回顧展も素晴らしかったですね。こんなに血と不安と女をぽとぽとダラダラと滴らせていいんだと驚いたのですが、父は「手間がかかって凄いなと思った」とあっけらかんと言っていて、受け取り方って色々だなと思いました。

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  観劇かじりたての頃に見たこの作品で、風通しよくなっちゃったと思うんですよね、頭の。

 好きな作家さんというのは何人もいますが、岡田利規さんは私にとって"影響を受けた人”です。以上、私と岡田利規さんのnote、でした(違)。

 私のグフグフが充実のPodcastはこちらになります。ZOOM会議で自分のしゃべっている顔を直視することが増えて、整形や歯の強制をする人が急増しているらしいですね。私はPodcastを経て、ドゥフドゥフしゃべりと、語彙力がなさすぎるが故の口癖「いや、ほんとに」を矯正しようと決めました。

 過去と未来のPodcastはこちらです。大事なことなので毎度のことでも言いますが、フォローください。


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