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小泉純一郎 元内閣総理大臣 講演 日本の歩むべき道(文字起こし)

昨日の小泉さんの講演
面白かったので文字起こししてみました。まだ途中ですが。。
録音はYOUTUBEにもアップしてあります。
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小泉純一郎 元内閣総理大臣 講演
日本の歩むべき道

全国の原発を廃炉にしたいと思っている。
「総理の時は原発推進していた」と言われる。総理の時は推進論者の意見を信じていた。「安全、コストが一番安い、クリーンエネルギー、CO2削減、未来に欠かせないエネルギー」自分は原子力技術に疎かったので、専門家の意見を鵜呑みにしていた。2011年3月11日の事故の状況を見て「本当に原発は安全なのか?」と自分で勉強し始めた。勉強をすればするほど、全部嘘だった。嘘を信じこんだ自分が悔しい。過ちを認めて、過去の事を詫びながら。自然エネルギーで充分、日本の経済は回せると核心を持っている。事故以前から原発の廃止を訴えてきた人たちに敬意を持ちながら一緒に活動している。

スリーマイル事故、チェルノブイリ事故が起こった。
「スリーマイルやチェルノブイリと日本は違う」
「日本の原子力技術は非常に高い」
「原爆を経験した日本人は安全に非常に敏感」
「多重防護体制を講じている」
だが、それは違っていた。大きな事故は数えるほどだが、それ以外に小さな事故を数えきれないほど起こしている。
当時の推進者達の意見
「多重防護のためトラブルや事故を起こしたとしても放射性物質を外に漏らさない」(専門家)
「地元の住民が県外に避難しなければならない事態は絶対に起こらない。それを起こさないのが多重防護です」(専門家)
「原子炉が安全に出来ているかどうかは本質的なことではない。原子炉は何があっても安全というものの考え方が重要である。」(大手新聞社 科学部)
後で勉強して安全でないと気付いた。

アメリカやインドや中国は広大な土地がある。日本は狭い土地に1億人住んている。地震、火山、津波がある。大きな事故が起これば逃げ場所がない。

1Fの事故の前、当時の原子力安全委員会の委員長は、原発の安全対策を指摘されて「充分に安全対策をやっている。深刻な大事故が起こるとしてもその確率は無視してもいいほどに小さい。」と答えていた。あの時により安全な対策を取っていたら、あのメルトダウンは起こらなかった可能性がある。
私は日本は原発をやってはいけない国だと思っている。

最近、推進論者の人に「原発を直ちに辞めるなんて無理だ。絶対に安全な産業などない。」と言われるがそんな事はわかっている。大切なのはどれだけのリスクがあるかではないか。その上この意見は「原発にリスクがある」ことを認めてしまっている。だから原発は要らない。原発は一度事故を起こしたら多くの人が住めなくなる。故郷を失う。取り返しのつかない事故に繋がるから原発は要らない。他の産業の事故なら何年かで取り返しがつく。あの事故の時に最悪なことが起こった場合、250Km圏内は避難しなければならない。5000万人の人が避難しなければならない。賠償も一電力会社で負担できない。絶対に事故を起こしてはいけない産業が原発。だから日本の原発はゼロにしなければならない。

コストが安いというのもウソだ。ウランを燃やして電気を作るコストでしか語っていない。原発を受け入れてもらうためにどれだけの税金を地方に使っているのか。廃炉についてもお金がかかる。
さらに安全対策をしていたら採算が取れなくなってしまう。
今までの日本の原発は、安全第一ではなかった。収益第一だった。

今度の4月から電力自由化になる。いままでは電力会社が独占していたので、絶対に赤字にならなかった。ところが推進論者は「これからは価格競争になる。今後は電力会社がほかの産業に負けるかもしれない。政府は支援してもらわなくては困る。」と言い出した。一番コストがかからないはずではなかったのか。
そうではなかった。今や原発はあらゆる面で一番コストがかかる高い電力になった。
太陽光や風力など自然エネルギーを使った発電にも弱点があったが、今後は蓄電池の開発や競争が起こってコストは安くなっていくだろう。それに対して原子力発電は安全対策を取るためにますます高くなっていく。原発はこれから金食い虫になる。

私が問題にしているのは「核のゴミ」。核のゴミを処分する場所が世界を探してもほとんどない。フィンランドの最終処分場に視察に行った。何万年も管理しなければならない。あのような地質の場所が日本にはない。まして日本は地震火山がある地域。日本だと温泉が出てしまうんではないか。いま原発をやめても既にいままで核のゴミは処分しなければならない。捨てる場所がないので原発はやめたほうがいい。
ドイツは原発をやめる。オーストラリアもそうだ。デンマークは100%自然エネルギーを目指している。
日本も2、30年すれば原発で発電していた分を自然エネルギーで充分まかなえるようになると思う。そんな困難なことではない。
ドイツはまだ原発が動いている。日本は実際に原発事故後、丸2年間は原発発電した電気無しで乗り切ってしまった。
事故後5年間でいえば、5年間たった3機の原発しか動いてこなかった。その間電力不足などの混乱は起こらず、「やれば出来る日本」を事実が示してしまった。

「原油の輸入量が上がって貿易赤字が広がった。3兆円以上の国家の損失を出している」という人がいた。
食料品は毎年輸入量が輸出量を上回っている。それを見て「国家の損失」といえるのか。金があるから買えるというだけ。エネルギーもそうです。あるものは輸入が悪いとあるものは輸出が悪い。そういうバランスで成り立っている。なんで国家の損失などといえるのか。それ以来「貿易赤字が国家の損失」と言われなくなった。

もんじゅはもうダメになってしまった。もんじゅに投じた金、1兆2000万円。これからの維持費だけでも毎日5,000万円。政府の支援なくては事業が続けられない。政府の支援とは税金を使うということ。まだ生まれてこない子供にまで負担をかけることになる。
これほど金がかかる産業はない。

クリーンエネルギーでもない。普通の産廃業者は自分で処分する場所を見つけないと、都道府県知事から許可を得られない。電力会社は自分たちが出した核のゴミ、産業廃棄物を処分する場所も見つけられないでいる。国も見つけられないでいる。原発業者は将来にわたって危険をもたらす核のゴミを作っていながら、なんで再稼働できるのか。国も何で許可を出すのか。
こんなわかりやすいことをどうして政治家はわからないのか。こういう当たり前のことが分かったから、私は原発ゼロ運動をやっているのです。

クリーンなんてとんでもない。
九州の川内原発。核燃料を燃やすから熱が出る。熱を冷やすために大量の海水を使う。大量のプランクトンや魚介類はじめ微生物が含まれる海水を吸い込み、核燃料で熱くなった原子炉を冷やし、暖かくなった海水を排出する。微生物を含んだ大量の水を吸い取られるために周辺の生態系を狂わす。長年やっているとパイプの中が微生物の死骸で詰まってくる。死骸を溶かすために海水に薬を混ぜて流す。おそらく塩素系ではないか。当然それが暖かい水とともに排出される。排水された場所も生態系が狂う。
漁業関係者は大反対。海洋汚染産業のみならず風評被害で魚介類、農産物などが売れなくなる。クリーンエネルギーなんてとんでもない。環境汚染産業の最たるものが原発です。

私への批判の中で「小泉はゼロばっかりで、対案をださない」と言われる。しかし私は総理大臣を経験しているから解るんですが、おっきな問題に対して1人で対案なんて出せるわけないですよ。出しちゃいけないですよ。政党でも出来ない。総理が決断すれば全国の叡智を結集することが出来るんです。一部の専門家だけではない外国の専門家も呼んで、世界の叡智を集めて、原発ゼロにするんだったら。自然エネルギーも使いコストを抑えてそして環境を汚染しない物ができるかもしれない。そういう機関を作ってそこで決めてもらうのが一番だ。そうでしょう。総理が決断するから出来るんですよ。そういう機関を使ってゼロの方針を決めるのが総理。そしてそのゼロにするためには何をするかというのは専門家を集めて叡智を結集するわけ。自分一人で勉強してね、そうした意見なんて誰も信用してくれない。だから早めに総理が決断をして、こういう組織を作って、様々な自然エネルギーで日本は十分にやっていける。いくら「小泉さん対案出しなさい出しなさい」と言われても、そんな調子に乗る私じゃない。それよりもちゃんと政治がゼロを目指せば必ず叡智が集まる。それを早く総理が決断して欲しいと思う。

この運動はとてもやりがいがあり夢がある。


<45分経過>
(誤字脱字ありましたらご容赦下さい。まだ途中です。。)


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