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俺の心に鎧が走る

 会津、この街は出雲。と言う訳でサムライトルーパーの記事かと思いました?ごめんなさい、そこになければないでありますね。と言うかあちらは競合他社、というわけで、今回もまた聖闘士星矢のお話を、またもや徒然なるままに書き散らかしていこうと思う次第であります。
 聖闘士星矢の世界で象徴となるイコンとは何か、それは山なし落ちなし意味なしな同人誌、令和の言葉で言うところのウスイホン・・・・・・・・・ではなく、聖衣を始めとする、各陣営が誇る甲冑の数々でありましょう。
 まあ、ウスイホンの方にしても、聖闘士星矢が発表される以前、風魔の小次郎や、はてはリングにかけろ、といったまさに神話の時代から、彼らを題材に男達の熱い菊花をかけた戦いを描き続けてきた御姉様たち先人のパンドラばりの暗躍があればこそでありますゆえ、そうそう無碍にできないのもまた事実。
 とまあ、それは本当にどうでもよろしい。

 聖衣とはなんぞや?という方のためにざっくりご説明いたしますと、女神アテナ陣営の闘士たちが着装する金銀パールもとい青銅の階級をもつ多分金属製の甲冑であります。
 さてではなぜ聖衣が開発・実戦投入の運びになったのかと言えば、アテナの聖闘士達は武器で切った張ったをすることを嫌っていた模様。そのため、聖闘士たちは徒手空拳で戦うというドクトリンに落ち着いたと言われております。
 おそらくながら、無用な殺生、酸鼻な殺傷、そしてなによりも相手よりさらに上を行く武器のエスカレートを懸念したのではないかとも思われますがこれは根拠となる記述が無いのであくまで推測と言う事で。
 しかしながら、そうした女神アテナのお気持ちだけではどうにもならない事態が発生。それは神話の時代にさかのぼり、最初の海皇ポセイドンとの戦いの時の事、鱗衣(スケイル)と呼称される甲冑を着装した海闘士達にさんざボコられ、死傷者が続出するという事態が発生。
 雑兵、あまりこの言い方は好きではないのですが、ポセイドン陣営は一介の戦闘要員でさえ鱗衣を着装しているのに対し、アテナ陣営は、革鎧のみで戦っていたのでありましょう。まあ、普通に考えれば、装備資器材に明らかな格差があるため、申し訳ないと思いつつ、この結果は残当としか言えないと考える次第であります。
 さて、一方この事に対し、女神アテナはかつて存在したムー大陸の錬金術師や鍛冶師達に、鱗衣に対抗できる甲冑の製作を依頼。そして作り出されたのが、黄金、白銀、青銅の聖衣であり、着装する聖闘士の小宇宙に感応し、小宇宙を増幅させ聖闘士の能力を底上げするという、ブースターやアンプのような特性を持つもので、甲冑としての防御力も付与されたことにより、これで互角以上の戦いが可能となったアテナ陣営は、辛くも海皇ポセイドンに勝利をもたらした。とされております。
 話を戻しますと、聖衣、これは材料としてオリハルコン、ガマニオン、スターダストサンド(銀星砂)を用いるとされております。多分これらと素材となる金銀青銅の地金に配合し合金のようなものを錬成するのではないでしょうか、ここいらも自分の推察にすぎませんけれども。
 ただこの聖衣の製法およびメンテナンスの技術は、ムー大陸が海没し壊滅したことによりその技術は完全にロストテクノロジーと化してしまったのだとか。これ、もしかして、聖衣開発・製造に関与・協力した事に対するポセイドン陣営もしくは当人による報復措置なのでは?と疑ってしまいますが、根拠がない以上、これも推察。もしかしたら、戦神アレス等、アテナ陣営を快く思わない勢力の仕業かもしれないし、単なる地殻変動等の自然災害かもしれないので、あまり不用意にそれっぽくやらかしそうな陣営に無実の罪を着せることは控えようと思う次第。まあ、やったとしてもおかしくないような神様ばっかり品数豊富に取り揃えられているのが、我らがオリンポス12神な訳でありますけれど。
 それはともかくとして、アテナ陣営が聖衣と言う装備資器材を手にしたことで、オリンポスの神々によくありがちな「あいつムカつくからシメようぜ」的ムーヴがかなり抑制され、陸地が海に沈むこともなく、街が火の海に包まれることもなく、今日のまあそこそこ普通に生きていける地上世界の実現に寄与していているものと言えましょう。女神アテナ万歳、グラード財団万歳、一生崇め奉ります。
とまあ、閑話休題。

 前口上が随分長くなってしまいましたが、一言で言えば、聖衣とはアテナの聖闘士における攻防一体の武具であり防具である事。そして、聖闘士本人が小宇宙を燃やさなければ、タダの重たい鎧であると言う事が興味深い。つまり、聖闘士がやる気を出さなければ、聖衣は見た目にたがわぬ金属の塊だと言う事。
 これは、最初期のエピソードで、無自覚に星矢が放った正拳の一発が音速を超え、そのソニックブームで遠く離れた追跡者の肩を吹っ飛ばしかけたという、その尋常ならざる威力からして、聖闘士自身の能力を底上げするパワーアシスト的な、言うなればパワードスーツのような性質があるのではと小生が推察するのは、ここいら辺のくだりであるということと、大分昔にはなりますが、似たような考察をされていたSSを拝読し、なるほどと膝を叩いた経験によるものであります。
 それは、正確な刊行日、号数は失念してしまいましたが、大まかに絞るとすれば、1987年若しくは1988年時の知る人ぞ知るアニパロコミックに掲載されていた、読者投稿型SSコーナーの掲載作品であります。
 概要としては、
 聖衣は着装者の小宇宙を増幅させる
 聖衣は着装者の身体構造を強化させる
 聖衣はナノテクノロジー的な性質を持つ、いわゆるバイオメタル
 と言うものでありました。
 
 なるほど、それなら、青銅、白銀、黄金と位階が上がっていくに従い、投影面積が増えていくのも納得。そして、上記の考察に基づいて更なる推察をすれば、伝導率という物理法則の効率も、銅、銀、金と上がっていくわけで、聖闘士が小宇宙を燃やした際に発動させる力の増幅、出力等における反応速度は誰の目から見ても明らかなものとなるのでしょう。劇中の言葉を用いるなら、それこそ天と地の差があるほどに。
 それこそ、青銅はエントリークラス、白銀はハイエンドクラス、黄金はフォーミュラーマシンという隔たりがあると思われる次第。普通に考えれば、カローラでポルシェやランボルギーニに勝てる道理はないというもの。ましてや、F1カーに代表されるフォーミュラーマシンに戦いを挑むなど、狂気の沙汰としか言えないでありましょう。
 青銅、白銀、黄金、それぞれの位階の聖衣を与えられると言う事は、それにふさわしい技量、つまりは小宇宙の錬成・燃焼ができると言う事が必須条件なわけで、守護星座の関係性も勘案された上で、合格者に聖衣が与えられると言う事になるのでありましょう。
 さて、ここまで語ったところで、恒例のちゃぶ台返しのお時間であります。そうです、聖衣を着装しているより、まっさらでいる方が強いという、まっこと厄介なファイトスタイルを誇る御仁、龍座の青銅聖闘士、ドラゴン紫龍であります。
 本気を出すために自らの聖衣を吹っ飛ばすという暴挙は、既に序盤のギャラクシアンウォーズにおける星矢戦で披露し、その後も、キャンサーのデスマスク戦やカプリコーンのシュラ戦を経て、並み居る格上の強者たちに対し、概ね最後はドラゴンの聖衣を脱ぎ捨て、これらに勝利するという暴挙を繰り返す始末。
 否、それは紫龍に限った話ではなく、星矢、氷河、瞬、一輝といった青銅一軍メンバーも同様の暴挙を成すに至っております。まあ、他の四人の場合、脱ぎたくて脱いだのではなく、相手にさんざボコられた上で損壊しているのではありますけれども。
 さんざ聖衣は聖闘士の能力を底上げするもの、と一説ぶっておいてこれは何とした事かと訝しまれてもそれは当然でありますが、まずここでまた推察をひとつ。
 乱暴な事承知で言えば、聖衣も物体であり、人?の手によって作られたものである以上、『性能』と『限界』と言うものが存在するはず。例えば、豆電球。皆様、子供の頃豆電球に無茶な数の電池を繋いで光らせる遊びをした事はありませんか?まあ、もちろんなくても結構、ただ言いたいのは、その豆電球にそぐわないエネルギーを注ぎ込むと、豆電球は一瞬でフィラメントが焼き切れ、沈黙してしまうと言う事。
 これを聖闘士と聖衣に置き換えてみれば、聖衣が対応できる範疇にない小宇宙が出力された場合、聖衣は損壊又は機能停止することはなくとも、処理可能な範囲での増幅及び出力しかできないのではないでしょうか。
 これを紫龍のケースに当てはめてみると、もしかしたら紫龍も無意識化で気づいていたのかもしれません。
 聖衣を着装し続けていても、枷となっている気がする、と。
 天秤座ライブラの黄金聖闘士、童虎に師事し誰もが一目置く実力者の紫龍なら、コンスタンスには難しくても、瞬間最大風速的に一瞬でも青銅聖闘士のカテゴリーを突破する力を発揮しても不思議ではないでしょう。
 もっとも、彼の場合、小生の益体もない推察は兎も角、聖衣を外すのは相手と同じ条件にするため、や、背水の陣を敷き自らを極限まで追い込む、という、いかにも彼らしい、という理由があるので何ともでありますが、結果、それが大当たりし、並み居る強敵を打倒してきたことは紛れもない事実であります。
 他の四人についても、最終決戦で聖衣が損壊し、ボロボロになった状態で起死回生の一撃を見舞えたのは、青銅聖衣と言う枷から解き放たれ、自らの余りあるほどに高めた力を余すことなく相手に叩きつけることができたから、という考え方もできるのではないかと思って見たり見なかったり。
 だからと言って、聖衣が不要と言う訳ではなく、星矢の場合、よく射手座の黄金聖衣が飛んできては、彼を助けていた。そのことを覚えている方も多いと思われます。
 結論から言えば、コンマゼロゼロを争う闘士達の戦いにおいては、いうなれば薄皮一枚でも相手をしのぐ要素が必要になると思われます。特に、劇中では伺い知れませんが、星矢たちの負傷は、骨折、挫傷、挫滅、内臓破裂、ありとあらゆる傷病を追っていると考えるのが妥当。
 そんな状態で、幾らセブンセンシズに開眼したと言っても、後一撃喰らえばお終いも同然な状態では、刺し違えられれば御の字。そこで光るのが、勇者アイオロスの意思が宿った黄金聖衣。
 星矢の能力を妨げず、そして必要十分な防御を提供する。となればもはやそれは約束された勝利。当然の帰結、と言うものでありましょう。
 さっきから何が言いたいのかと言えば、聖衣とは、聖闘士自身の力を増幅させることもあれば、枷となることもある。しかし、能力に応じた聖衣をまとう事は決して無駄ではなく、むしろ、使命の遂行のためには必須。ということであります。

 ただ、ひとつだけ言えることは、紫龍はこの先、まとっているものが黄金聖衣であろうと神衣であろうと、必要とあれば迷いなく脱ぎ捨ててしまうでありましょう。と、いうことであります。


 
 
 
 

 

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