今回のクルマ選びは難儀だった。

嫁さん用のポルシェはモチベーションが明確だったのですぐに決まったが（まだ買ってないけど）自分用のクルマは失敗したくない気持ちが強すぎてなかなか絞り込めなかった。

前車ニュービートルで知ってしまったシートヒーターはマストだし、サンルーフもマスト。なんならシートエアコンも欲しいし、レザーシートは必須。壊れなくて燃費が良くてリセールバリューも高い目立ちそうで案外目立たないクルマ。

そんなものはないのである。
夢のクルマなんである。

何台問い合わせをしたか？何台現車を見に行ったか？もう思い出せない。

昨夜もルーチンとなった現車確認に行った帰り道、カーセンサーの新着で出てきて三日ほど経った気になっていたクルマをショップは閉店してるけど展示場は開いてるだろうと遠回りして寄り道して見に行ってみた。

すると、閉店時間から1時間も過ぎているのにショップの中にはまだ明かりが灯っていた。

「すみませーん。クルマを見せてくださーい」と奥に声をかけると街の番長のような風貌のしかし愛想が良さそうな店の人が出てきた。後に社長だと判明。

カーセンサーに乗ってたクルマを見にきたんですが‥。無理なら出直します。

あー、大丈夫ですよ！今店の前の明るいところに移動しますんで、待っててください！

と色良い返事。

コレはなにやらご縁があるのかな？そんな気配。

明るいところに現れたそのクルマはカーセンサーの画像通りではあるが、かなり綺麗ですごくカッコよかった。ヤバい。欲しい。

今回のクルマ探しでそれまではこの「ヤバい。欲しい」と言う感覚が無かったのだ。

目の前に現れたこのクルマにはサンルーフも無ければシートエアコンもシートヒーターも無ければもちろんレザーシートでも無い。

でも欲しいのだ。

若い頃に半年毎にクルマを買い替えていた時の衝動を久しぶりに味わったクリステルいや、野田、いや、のだ。

「コレたぶん買います。明日明るい時間にまた見にきて決めます。営業時間外にありがとうございました！」と言いショップを後にした。

久しぶりに味わう高揚感。

当初決めてた条件を何一つ満たしていないが良かったのか？いや、良いんだ。条件ではなく心が動くクルマが欲しいんだ。

翌日すなわち今日、購入してきた。厳密にはローンの審査待ちなんだが、もう買った気持ちでおる。

わーい！