私の音楽遍歴 Tahiti80

昨日今日、たぶん明日も仕事がうまくいかないので、現実逃避にSpotifyでフランスインディーポップのプレイリストを作っている。

私のフレンチポップとの出会いは高1のときだ。夏休みに、部活をしながらある進学雑誌の高校生リポーターみたいなことをしていて、ものすごく充実したひと月を過ごした。大人と混ざって、厳密には仕事ではないのだけれど、多少の謝礼ももらって、普段会えない職業の人にも会えた。少し背伸びした2001年の夏休み。その空気にぴったりのアルバムがTahiti80の「Puzzle」。


1曲目の「Yellow Butterfly」、ボーカル・グザヴィエの高音ウィスパーボイス。女子校通いで男子の声などあまり聞き慣れない私は、こんな声の男性がいることに興奮した(文字通り、心身熱くなったと思う)。5年後くらいに歌詞にある「When I look into your eyes, I see a yellow butterfly 」って、レオス・カラックスの「汚れた血」でジュリー・デルピーが言ってたセリフだとわかって、さらに興奮した。

そして3曲目に標題作の「Heartbeat」ではボーカルとギターのみではじまり、そこからドラム、シンセと増えていって盛り上がる。でもボーカルはもともとのウィスパーボイスだから張り上げることがなくて、そこが私には合っていた。あの声で「Can you feel my heartbeat?」リフレインは、ずるい。キュンとしてしまう。

このアルバム、ほんと捨て曲なしで、1年間はほんとにこればっかり聴いてたなぁ。今でも、このアルバムがかかると高1の夏休みの、白いセーラー服と少し汗くさい感じ、ポニーテールの自分、部活で疲れて電車でのまどろみ、全部思い出す。

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