昭和の『3大・地ウイスキー』と、現存する『一升瓶ウイスキー銘柄』 《一升瓶ウイスキー②》
■昭和の地ウイスキー『3大ブランド』
前回、1970年代~80年代にかけて一世を風靡した「地ウイスキー」=「一升瓶ウイスキー」というものがあった、ということをご紹介しました。
この昭和の地ウイスキー(一升瓶ウイスキー)には、3大・有名ブランドがありました。
その3つはこのように、言われていました。
それぞれについて、なるべくサラっと解説したいと思います。
■北のチェリー
チェリーウイスキー 37%(1.8L) < 風の酒蔵 笹の川酒造 (sasanokawa-shop.com) ※2023年4月より瓶の形状が変更となったそうです。
元々は日本酒の酒蔵です。
現在は、ポットスチルによる本格モルトウイスキーを製造しています=安積蒸溜所。
すでにコンクールなどで大変高い評価を得ている本格派。
■東の東亜
酒の細井 / レアー物・東亜酒造 ゴールデンホース グランド 39%1800ml (sake-hosoi.co.jp)
元々は日本酒の酒蔵です。
イチローズモルトの秩父蒸溜所:肥土伊知郎社長の実家筋にあたる。(1625年:肥土酒造本家が創業=1959年:東亜酒造に社名変更)
ただし、2000年に民事再生。2004年、東亜酒造という会社自体は経営者変更。
肥土伊知郎氏は、自身で新たに2004年:ベンチャーウイスキー社を立ち上げ、2008年に開設した秩父蒸溜所つくられる本格モルトウイスキーは、カルト的とも言えるほど、世界で非常に高い評価を得ているのは周知の事実。
現在、経営者が変わった東亜酒造が一旦撤退してウイスキー設備も撤去した羽生の地に、新たに羽生蒸溜所を立ち上げポットスチルによるモルトウイスキーをつくっています。
現在はまだモルト原酒の熟成が3年に満たないので、輸入したスコッチ原酒で「ゴールデンホース武州」というウイスキーを販売しています。
羽生蒸溜所 - 株式会社東亜酒造 (toashuzo.com)
この経営者の変わった「新生:東亜酒造・羽生蒸溜所」と、2004年まであった「肥土酒造本家:東亜酒造・羽生蒸溜所」は別の蒸溜所ということになります。
2004年まであった「旧東亜酒造・羽生蒸溜所」の原酒は、現在は秩父蒸溜所で保管されているようです。
■西のマルス
マルス エクストラ | ブレンデッドウイスキー | 本坊酒造 公式サイト (hombo.co.jp)
本坊酒造には、マルスの他に「マルウ」のウイスキーという一升瓶ウイスキーもあります。
マルウのウイスキー 1800ml (yamatoya-e.com)
元々は焼酎の酒蔵です。
現在は長野県:マルス信州蒸溜所、鹿児島県:津貫蒸溜所の2ケ所で本格モルトウイスキーを製造。2つの蒸溜所のほかに、屋久島にウェアハウスを持つ、クラフト蒸溜所の大手。
ちなみに九州には、本坊というお名前の社長がいる焼酎やウイスキーのメーカーが多いですが、親戚筋のようです。
これら3大ブランドの他にも、かつて全国各地に「昭和の地ウイスキー」=一升瓶ウイスキーが誕生しました。
現在も入手できるものを、いくつかご案内します!
■現存銘柄①
サンシャインウイスキー | 三郎丸蒸留所 (wakatsuru.co.jp)
元々は日本酒の酒蔵です。
現在は三郎丸蒸溜所で、本格モルトウイスキーを製造。コンテストでの入賞も多数。
世界初の鋳造でのポットスチルZEMONを開発(普通は鍛造)。自社で使用するだけでなく、新規のクラフト蒸溜所をサポートする中でZEMONの提案もしています。(飛騨高山蒸溜所に導入)
また、ウイスキー専門酒販店のモルトヤマとのコラボで、ボトラービジネスにも参入(T&T TOYAMA)。すでに砺波にボトラービジネスのウェアハウスを立ち上げています。
T&T TOYAMA (tt-toyama.jp)
■現存銘柄②
本格焼酎 ウイスキー | 株式会社 宮﨑本店 (miyanoyuki.co.jp)
元々は日本酒・焼酎の酒蔵です。
東京・下町のホッピーのベース焼酎として超有名な亀甲宮焼酎(通称キンミヤ)が主力商品。
東京・下町でキンミヤが有名なのは、関東大震災での宮崎本店からの援助に東京の酒販店さんや居酒屋さんが恩義を感じてキンミヤを売った、という逸話があります!
お酒の話(7)「関東大震災とキンミヤ焼酎」 - satoyamanekokunのブログ (hatenablog.com)
■現存銘柄③
ピーク ウイスキー - 玉泉堂酒造株式会社 (minogiku.co.jp)
元々は日本酒の酒蔵です。
現在はその他に、みりん・焼酎・リキュールなども製造しています。
■なぜ日本酒の酒蔵が一升瓶ウイスキーをつくったのか?
次回に続きます!
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