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イタリアのサイバーパンク映画"NIRVANA"

えとまず、「ブレードランナー」タグでこちらに来られた方には申し訳ないのですが、この作品はブレードランナーとは全く関連のない映画です。
が、あの雑多な世界観に非常によく似ている点で、その世界観好きにはたまらない作品ではないかなぁと言うことでタグ付けさせて頂いてます。

ですので、あの世界観が好きな方には興味を持って頂けるかもしれませんので、気になった方はぜひチェックして頂きたく思います:)

NIRVANA(ニルヴァーナ)、1997年、イタリア/フランス/イギリス

監督:ガブリエル・サルヴァトーレス
主演:クリストファー・ランバート

2つのストーリー

この作品には主人公と呼べる人物が二人いて、それぞれの思いでストーリーが展開していきます。冒頭のあらすじと共に紹介していきます。

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一人目の主人公は「ソロ」。彼は気づくと倉庫に突っ立っていて、何が何だか分からない状況。しばらくして彼は気づく。「自分はゲームの世界の人間で、限られた世界にいる」と。

二人目の、そしてメインの主役は「ジミー」。彼はゲームプログラマーで、新作「NIRVANA」を製作中。最終調整をしているとゲームの主人公ソロが操作できないどころか、ソロが自身の意思で行動している事に驚く。
どうやら不正なウィルスに感染した結果、ソロが自我を持ってしまったようだ。

そしてソロはジミーに懇願する。「こんな絶望的な世界では生きていけない。削除してくれ」と。心に傷を持つジミーはソロに同情し、削除する為行動を起こす。

しかしゲームプログラムは既に販売会社「オコサマ・スター」社のサーバーにアップロードされており、それを消すにはハッキングしてサーバーに侵入しなくてはならない。そのためにジミーは「エンジェル」と呼ばれる優秀なハッカーを探す旅に出る。

そしてその旅は、心の傷の原因である、1年前に自分の元から去った女性を追う旅でもあった。

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世界観

冒頭に書いた通り、この作品の世界観はブレードランナーに非常に似ているところがあります。レプリカントなどは出てきませんが。。w

街はクリスマスシーズンという事もあってかイルミネーションがきらめき、その他にも巨大スクリーン、お店のネオンが立ち並び、そのストリートを派手な格好をした若者や武装警官、日本の僧侶だけでなくラマもいたり、酸素マスクを付けたサンタの格好をした者、アラブの金持ちなどなど多国籍な雰囲気で色々な人々が行き交います。

また出て来る都市の名前が「マラケシュ」「ボンベイ・シティ」と中々良いチョイス。
マラケシュはアラブ人が多くいる街で、ドラッグは合法/非合法どちらも流通してたり、犯罪など不法行為も横行しています。
ボンベイ・シティはヒンドゥ教徒、主にインド人が多く住んでいて電脳世界と精神世界が融合しているような雰囲気です。

どの街にも言えることは電化技術が発達しており、色々なデバイスやサービスが日常に溶け込んでいる事です。義眼もこんなのがあったり。


しかし前述の通り街の雰囲気は雑多な雰囲気。飲み屋街の小さな路地のあんな感じです。昔の九龍城や新宿の思い出横丁がオンライン化してる様に思ってもらえればw。
映画の製作が1997年で、その当時世間では初代iMacが最新機種でした。なのでコンピュータなどは古めかしいんですが、だがそこが逆にマッチしてて良い感じ:)

かといえば、あまり映像には出てきませんが巨大企業などがある大都市も存在しているようで、何となくですが世界の広さを感じさせます。
「ブレードランナー」が巨大都市のロサンゼルスが舞台なら、「NIRVANA」は同じ世界の下町や地方都市が舞台の作品の様に思えなくもない雰囲気が大好きだったりします:)

Web/コンピュータの世界

クライマックスではオコサマ・スター社のサーバーに侵入するのですが、その電子世界の表現がなんか良いんですよね。電子世界だからといって何から何まで電子電子している訳ではなくて、現実と夢が混ざった様な表現です。まぁ見て頂ければ分かるかと。そしてこの世界での最後のシーンがとても素敵だと思っています:)

ネーミング

大した事じゃありませんが、上記の「オコサマ・スター」や都市の名前もそうですが、その他にも実際にある企業をもじった名前がいくつか出てきます。なんかセンスあるなぁとw。時代もあるでしょうがちょっと日本びいきかもw。

ここでは敢えて伏せているストーリーなんかもありますので、人によってはB級になるのかもしれませんが、サイバーパンク好きで、レンタルか何かで見かけた等観る機会があるときは是非ご覧頂ければと思います。



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