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写真掲載/販売の注意点

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 またちょっと著作権まわりの小難しい話になっちゃうんですが、やはりこういう場だと注意が必要かなって事で書かせて頂きます。
 趣味でストックフォトに何枚か投稿した事があるのですが、その時の注意事項が非常に細かかったので、著作権の立場からすると写真の販売って(腕以外でも)結構難しいのだなぁと思ったのがきっかけです。

写真の著作権は撮った人にあるのですが。。。

 写真って、目の前にあるものを撮影しますよね。自分がそこに行って構図を考えてカメラを使って自分でシャッターを切ったので、もちろん撮った人の著作物になります。ここまでは分かりますよね。
 ここからがちょっとややこしくなります。まず分かりやすい所から行きましょう。

 例えば撮影した被写体がアイドルだった場合、写真の著作権は撮った人にあるのですが、アイドルのキャラクターとしての著作権は、そのアイドルが持っています。

キャラクターにも著作権があるんですね。これを肖像権といいます。

 この場合、アイドルが公式の場に出て来て写真撮影が出来た場合は掲載しても良いですが、販売となるとちょっと問題になるかもしれません。そのアイドルが販売に貢献する事になるのですから。
(ただ力のある事務所所属のタレントだと、顔以外の体の一部ですら掲載不許可になってしまう所もあるという噂を聞いた事があります)

 じゃあ有名じゃない一般人はどうでしょう?
 肖像権は有名であろうとなかろうとその人が持っています。したがって個人を特定できる場合は肖像権またはプライバシーの侵害(これはアイドルの私生活写真の場合も含みます)として、その人から訴えられる可能性もなきにしもあらず、です。

 ですので、写真を掲載/販売する場合でも事前に許可を貰った方が問題が起こりにくくなるでしょう。

参考:ネコにもわかる知的財産権
http://www.iprchitekizaisan.com/sonota/syozoken.html

 では車や洋服などは?これらもその製造メーカーが特定出来る場合は確認した方が良いです。
ストックフォトサイトの老舗であるiStockphotoでは、これらに関しては細かく規定しています。
(販売者としての責任があるので分からなくもないのですが、他サイトと比べてもすっごく細かいですw)

参考:iStock - ストックフォトトレーニングマニュアルhttp://nihongo.istockphoto.com/help/sell-stock/training-manuals/photography/legal-requirements-products-objects

 建築物も然りです。ランドマークな建物は大丈夫かもしれませんけど、個人宅や建物を持っている企業が特定出来る場合などはもしかしたら許可がいるかも。

 ひとつ具体的に極端な例(しかし事実としてある例)だと、パリのエッフェル塔の写真は要注意です。

 エッフェル塔自体の著作権はパブリックドメインです。ですので掲載しても販売しても問題ありません。
ですが!
 夜になるとエッフェル塔がライトアップされます。このライトアップに対してはパリ市が著作権を持ってるんですね。ですので「ライトアップされたエッフェル塔」を掲載/販売する場合はパリ市の許可が必要になってきます。

参考:フォト弁(Photographer弁護士)MOTOKI エッフェル塔の著作権
http://photoben.blog.fc2.com/blog-entry-1.html

 風景ならどうか?基本的に街並など完全に風景になってる場合は問題ないと思います。
 有料の施設(例えば有料の自然公園やディズニーランドなど)での風景写真は、掲載は問題無い場合が多いと思われます。しかし販売となると販売許可を得ないといけない場合があるかもしれません。
 また外国の有名な観光地でも掲載許可を必要とする場所があるという話も聞いた事があります。

 例外として、資料的価値がある場合は「エディトリアル専用画像」として扱える場合もあります。
 例えば事件や事故のとき等の報道用などです。ただ個人で自由に売る場合だと難しいのかな?ちょっとわかんないです。(noteさんではどうだろう?法的に扱えるのかな。。?)

 結論: 街にあるものには大抵著作権があると思っておいた方がいいです。
逆に「特定出来ないもの」は特定のしようがないので問題は起こりにくいでしょう。。。裏技的ではありますけど。
(数あるストックフォトサイトの中には、例えば衣服のロゴを消せばokという所もあります)

 そういう訳で、ファインダーの向こうにある物が著作物かどうか、許可をもらえるか、または誤摩化す事が出来るか、そして掲載/販売出来るかという判断を持ちつつ撮影に臨んで、いい写真を撮って下さい。

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