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家族の食事の日に気づいたこと

今年に入って母が病気で入院し、この3ヶ月は集まって我が家で食事なんてできていなかった。思えば正月以来だ。

母の手術も成功し無事に退院となり、義弟はこの春新卒からずっと勤めた会社から転職となった。一緒の会社で働き続けた妹にとっても転機である。

そんなわけで久しぶりに我が家でお祝いの食事をすることになった。

未婚の私にも、嫁に行った妹夫婦にも子供はいないから、母と合わせて4人の少人数の食事会。以前は家族で食事するときには外食をしていたが、コロナになってから家で集まって食べたいものを作って食べるようになった。

人が来るとなるとついつい何品も作りたくなる。

でも今回の入院と手術で少食になった母もいるし、年齢的にも若者のように量は食べられなくなくなってきていることもあるから、たくさん作りすぎないようにしようとメニューを考える。義弟のリクエストはラザニアと唐揚げ。なかなかボリューミーなメインだ。

ラザニアというのは、おいしいのだけれど結構手間がかかる料理で、トマトソースかミートソースと、ホワイトソースをパスタと重ねる。私は、ほうれん草が美味しい季節には間にソテーしたほうれん草を忍ばせることもある。

ホワイトソースは缶詰で買えば簡単。でも作るのはそんなに難しくないから、私は自分で作るのが好きで、いつも牛乳を使いきれないときにはササッと作って冷凍しておく。フレンチではベシャメルソースでと言われ、牛乳とバターと小麦粉でできる基本のソースで、若い頃に何度仕込んだことか。

冷凍の時には固めに作って、使う時に牛乳でのばして調節して使う。
ラザニアには流れるようなゆるい状態で使っていくほうが美味しい。

ミートソースやトマトソースも、いつも冷凍庫にストックしておくもののひとつで、ミートソースは週末に作り置きしておいて小分けにして冷凍庫へ入れておく。

玉ねぎ、にんじん、セロリ、ニンニクをみじん切りにし、挽肉と一緒にオリーブオイルで炒め、トマト缶、ローリーエ、塩、胡椒を加え、弱火で煮込む。ワインを入れて作るときもあるけれど、なければ入れなくても気にしない。
イタリアのマンマの気軽さで作るのが好きだ。

手間がかかる料理も、事前に仕込みさえしておけばそんなに手間にはならない。

レストランでも仕込みは大切なように、家の料理であっても段取りは大切だ。
優先順位、鮮度を考えて準備していく。

そんな風に準備していたら、やっているうちにあれも出そうこれも出そうという気持ちになって結局メニューの品目は当初より少し増えた。

ブロッコリーと菜花たちのたらこソース
にんじんのマリネ
レバーペースト
鯖のポテトサラダ
ラザニア
とりの唐揚げ
田舎パンとフォカッチャ


メニューは軽く食べれるように、見た目はボリューミーでも、使う材料の選択で仕上げを軽くする。ラザニアにはホワイトソースの間にカッテージチーズを入れてライトに食べれるように。ポテサラには味付けにマヨネーズを入れない。

そんな感じで作ってみたメニュー。

何よりも料理はそこに入る「気」が大切だとも思う。どういう心の状態で料理するのか、それが大事。

よく怒って料理すると味がキツくなるなんて言う。怒っているわけじゃないけど、焦っていたりすると、それは味に出てくる気がする。
今までは、あれも作ってこれも作ってと欲張りだったのもあって、準備にバタバタすることが多かった。

でも、この日は準備をしっかりしておいたら、自分のペースで料理をすることができ、余裕さえあった。

ただ準備をしっかりしていたからなのか、私の心の問題なのか。あれもこれもやらなきゃ、絶対に美味しく作りたい、みたいなプレッシャーがあると、肩に力が入り過ぎてしまって、心の中のザワザワがキッチンにも表れるような気がする。

ああ、そうか、私の心が問題だったのだな。

久しぶりに穏やかに自分のペースで料理をしたら、仕上がりも軽やかな気がした。

この感覚、忘れないようにしよう。




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