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ダンスを通して気づくあり方で周りの人を幸せに。社交ダンス講師“福島 優一”さん

社交ダンスの講師として、また一人の人として、身の回りの幸せを第一に考えて活動をされている、福島 優一さんにお話を伺いました。

福島 優一さんプロフィール
出身地:
熊本県八代市
活動地域:福岡県
経歴:1978年生まれ。大学に入学した際にひょんなきっかけから舞踏研究部に入部。競技としての社交ダンスに出会う。その魅力に惹かれ、大学を中退しダンスインストラクターの道に進む。現在2児のパパ。「父親であることを楽しもう」をミッションに笑顔の父親を増やす活動をしているファザーリング・ジャパン九州のメンバーとしても活動中。
現在の職業及び活動:社交ダンスインストラクター、NPO法人ファザーリング・ジャパン九州 会員
座右の銘:「あたりまえ」はあたりまえじゃないのがあたりまえ

「ダンスの楽しさを世の中の人に知ってもらい、自分自身を支えるツールとして使ってもらいたい」

Q1. ダンス講師として長くご活躍中でいらっしゃいますが、今の福島さんの夢やVisionを聴かせてください。

福島 優一さん(以下、福島):ダンスの楽しさを世の中の人に知ってもらい、自分自身を支えるツールとして使ってもらえるように広げていきたいです。「これがあるから頑張れる」「やってたおかげで元気でいられる」というような、生きる上での幸せや楽しみにしてもらえたらと思っています。これは仕事上の夢としてあるのですが、そもそも私にとっての夢というのは、最終的に行きつきたいものというより、その状態でありたいということです。
その意味で言うと、私は世界を幸せにしたいです。自分の周りがいつも楽しい状態にしたい。一緒にいると楽しいとか、一緒にいるといいことが起きるとか、そういう人でありたいと思います。仕事の面も社会的な面でも家族に対してのことでも、根っこにあるのはこの自分像だと思います。
そしてさらに言えば、私の中ではいつも夢は叶った状態なんです。もし理想としている状態がそこになく、幸せでない人がその場にいるとすれば、叶った状態だけどサボってもいると考えています。自分が足りないのではなく、本来の自分はちゃんとしている状態があって、それに対して自分の行動がサボっているという捉え方をします。うまくいかないのはパーツが抜けている、ピースが抜けているだけと考えています。

記者:いつも理想状態であり続ける、あり方を大切にされているのですね。今ここ夢が叶っていて、足りないピースを探して埋めていくという捉え方は、自分自身のことを否定することなく前向きに問題解決ができそうですね。

「未経験者も経験者もよりダンスの良さを体感したり心から楽しめたりするような企画を考え実行」

Q2. その夢を具現化するために、現在どのような目標や計画を持たれていますか?

福島:今すでにありたい状態ではありますが、具現化という意味ではまだかもしれないですね。
この社会の中では、お金は大事な目安になりますので収入が自然に上がるというのは望んだ姿になっている目安になると思っています。社交ダンス自体が去年までが下火でなかなか収入が伸び悩みましたが、それも下火だからしょうがないよねなんて考えているからそのままになっているのだと思います。下火だからこそ、こんなことをしなきゃってちゃんと動けていたらまた全然違うことだったでしょう。
そういうわけで、仕事に関してはダンスの楽しさや良さを体感してもらうような機会をつくろうと思い動いています。現在は未経験者のためのダンスパーティーというのをやっているので、これに年間500人くらい人を集めるのが目標です。未経験者には年齢別の効果を伝えていくことで、ダンスが日常と繋がった効果のあるものであることを伝えていきたいです。
また、今やっている人も、疲れた時こそダンスをしたいと思うくらい、もっと心からダンスを楽しめるように、何か成果を出せたり喜びを感じられるような企画を考えています。

記者:収入を得ることが目的ではなく、ありたい状態であるのかを図る目安としての収入という捉え方をされるからこそ、ダンスをされる方のことを第一に考えやアイディアが生まれるのですね。

「まずやってみる、現実世界を遊びのように捉える」

Q3. 福島さんが日々の活動をされる中で、大切にされていることはなんですか?

福島:基本的に、なんでもやってみるようにしています。やってから考えます。人間は、心、体、魂という要素があると考えていて、魂はコントロールができない自分自身というイメージです。自分の意図とは関係なく感情が働いたりするのも、魂が動いていると解釈しているので、興味を持つという時点で何かしら自分と関係しているのだと考えています。
また、この現実世界を遊びのように感じるようにしています。人の心を動かすにはどうしたらいいかとゲームのように考えています。子どもの頃はそういうことはずるいことだと思っていましたが、相手に合わせていると振り回されて自分らしく思い通りに動けません。ダンスの中でも、自分らしく動けなければ、自分のパフォーマンスが下がってしまうし、自分のパフォーマンスが最大であることが結果相手にとっても良く、思い通りにいくことができると気づきましたね。

記者:なるほど。まずやってみる、現実世界を遊びのように捉える、など福島さんの軽やかさの理由のような気がします。

「誰もがいろんな人の応援によって支えられ生かされている、価値ある存在である」

Q4. 「ダンスの楽しさを世の中の人に知ってもらい、自分自身を支えるツールとして使ってもらいたい」という夢をもつようになったきっかけはなんですか?そこにはどのような発見や出会いがあったのですか?

福島:昔から感じていることを言葉で伝えようとすると、うまく表現できないことが多くありました。言葉にすると違うものになってしまうような感じがしていました。ですが、ダンスでは言葉で伝わらないことが、肌で触れることで伝わります
触れると、言葉以上にたくさんの情報が入ってきます。踊ってみると、一見優しそうな人がすごく乱暴だったり、逆に態度の悪い人がすごく穏やかな印象だったりすることもあります。ダンスで感じる能力が高くなると、触れた印象で今の状態を感じ取れるようになってきます。言葉よりも早いスピードで相手を理解できるというのが、私にとってのダンスの魅力ですね。
また、ダンスを通して、人間関係の築き方も学びました。それぞれが役割を全うすれば、誰とでもうまくいくということです。タイミングに合わせて、徹底的に自分の役割、ポジション、動作を守ります。また、タイミングを合わせるのは、相手をずっと観察しておくのではなく、音楽(という共通の目標)に合わせた方が、相手のことがよくわかります。基準を自分や相手に置くのではなく、お互いの共通の基準にフォーカスすることで、自然とタイミングを合わせることができるのです。これは、仕事で何かうまくいかない時も同じで、自分と相手だけをみるのではなく、自分とその人の家庭や仕事をみたり、自分でも相手でもないもう一つの基準を置くと、その相手の願いが見えやすく、合わせやすいと感じます。

記者:ダンスは、言葉を介する以上に便利なコミュニケーションツールであり、日常のコミュニケーションに対してもとても役に立ちそうですね。

「母の影響を受けて自分で物事を考える習慣、そして自分自身の感覚を信じる習慣がついた」

Q5. その発見や出会いの背景には、何があったのですか?

福島:私の母親は、私が何か疑問に思った事を聞くと、「知らないよ。自分で調べて来なさい。」と言う人でした。だからよく図書館に連れていってもらって、そこで自分で本を探して調べていました。魚釣りの仕方も、本で勉強したり、お店の人や釣りをしているおじさん達に質問をしに行っていたので、母親に答えを求めることはほとんどしませんでした。
その影響があってか、自分で物事を考える習慣、そして自分自身の感覚を信じる習慣がついたのではないかと思います。なので子どもの頃から、歳が上とか、先生だからと言う理由で、その人が言うことが全て正しいとは自然と思いませんでした。多様な見方からの正解がある、という捉え方をしていましたね。
また、母は右なのか左なのかとみんなが考えている時に、「上」と全く新しい発想を投げかけるような人でしたので、私も同じように少し斜め上の視点のようなものを持てるようになったのかもしれません。人が見落とすようなことや、人が選ぼうとしないような選択肢から物事を考えたりとか、発想を変えることで上手くいくことはたくさんありました。

記者:福島さんの常識にとらわれない自由な発想や、自ら感じたものから学び取る姿勢には、お母様の教育が大きく影響しているのですね。

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福島 優一さんについて

【編集後記】今回インタビューの記者を担当した大野と岩渕です。お話を伺うほど、福島さんの繊細な感性をひしひしと感じる時間でした。福島さんの活動が広がることで、お互いの最大値を出しながら生かし合えるコミュニケーションを体感でき、より一人ひとりが自由に生きられるようになりそうですね!

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この記事は、リライズ・ニュースマガジン“美しい時代を創る人達”にも掲載されています。


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